全国21都市23公演というグループ史上最大規模の5周年記念の全国ツアー“Trans NIPPON Express”のファイナル。東京・日本武道館ではリフターでの登場だったが、東京・国際フォーラム ホールAではカラフルなレーザーと映像をリンクさせ、1号車コーイチから順番にステージに集合。ステージの壁一面を使った巨大なビジョンでは、目の前で踊る彼らとその表情を、余すところなく映し出していく。1曲目の「We Can Do It!」から重低音サウンドが体を貫き、8号車のテンションを一気に引き上げてくれた。
「Believe×Believe」でのリョウガの“ビリビリ”フェイス、ユースケのシャウトにユーキのアクロバットと、序盤から出し惜しみなし、フルパワーでのパフォーマンスに8号車もコールやペンライトで呼応。「No.1」のファンキーなダンス、「Burn!」の高速クロスの振り付けに会場が大きく揺れ動いた。メンバー紹介のラップ入り「Superstar」でのキメ台詞とソロパフォーマンスに、8号車の悲鳴が轟く場内。最初の挨拶ではリョウガから「8月8日は8号車の日ですよ~!」とアナウンスがあり、インターネットチャンネルでの生中継中ということで、「お茶の間のみなさ~ん!」とカメラに向かって、笑顔で手を振る超特急であった。
ツアー最後ということで、「超ネバギバDANCE」でもキュートな表情が炸裂。「ご乗車くださ~い」のタクヤの敬礼ポーズにユースケのヘン顔。客席に背中を向けてお尻をフリフリするポップな振り付けに会場が沸き、全員揃いの敬礼で締める。「みなさん、楽しんでいますかー!」とコーイチが叫び、「1年に一度の最高の旅にしようぜ~」とリョウガがイケボイスでキメる。メンバーカラーのポンチョに着替えた「DJ Dominator」では、メンバーが次々と客席通路に降りていく。タカシが「カイ、よろしく!」と声をかけ、カイが「Say イエー!」、リョウガが「Say 8号車ー!」、ユースケが「Say 超特急!」とコール&レスポンスに。真夏にぴったりな「Summer love」では、コーイチ、タカシが密着からのほっぺにチュー的な仕草も!ポップなサマーチューンに相応しく、ユーキとユースケが背中合わせでヒップを合わせるポーズをしたりと、自由自在にハジけまくりだ。そんなノリからの「One Life」では、ステージ上に設置された階段上のセットにみんなで横並びに座るも、ユースケがコーイチに阻まれて座れずジタバタするといった微笑ましいやりとりがあり、場内に笑いと歓声が響き渡った。
中盤は今回の注目企画、“30min超FINAL MEDLEY”で21曲を一気見せ。「Pretty Girl」のVの字フォーメーションからのスモークの中で踊る「What’s going on?」、ドラマチックな「Seventh Heaven」をスピーディに進めたかと思えば、ユースケやリョウガの顔芸を挟み、ここからメンバーシャッフルでコミカルかつハイテンションな流れに。緩急のあるイレギュラーな展開でも、「Shake body」や「panipani」での8号車のコールは一糸乱れず。「refrain」をタカシがハイトーンボイスで歌い上げ、「Turn Up」ではユーキ、カイがそれぞれ上手と下手で順番に踊る。そして再び7人が集結し、ラインダンスで「ライオンライフ」。流れをぶった切る独特なイントロと、客席にトロッコで登場し、情熱的なカイのモノローグで盛り上げた「LIBIDO」から、「COMP!!COMP!!COMP!!」でもリョウガ、タクヤ、ユーキ、ユースケが客席に。ビジョンには常に表情が映し出されるので、どこにいても楽しめる構成だ。「STYLE」をコーイチが、「Billion Beats」はタカシがソロで歌い、「Drive on week」ではタクヤがリードして8号車のコールが加わる。
そして、この日のコント的見せ場は、「ikki!!!!!i!!」から。悪代官のユースケが「お前らの年貢、よこせー!」とカイに抱きつき、ユーキの着物を剥ぐ仕草で場を盛り上げていく。続く「POLICEMEN」で、ポリススタイルのカイとタクヤ、そしてユーキも参加し、客席に逃げたユースケを探索。捕まってステージに戻ると黒髪のカツラをつけたリョウコが現れ、しばかれるユースケ。うっかり「リョウガ…いや、リョウコ」と言い間違えてしまったりと素でも笑わせてくれる。「Beautiful Chaser」「EBiDAY EBiNAI」、そしてラストを飾った「走れ!!!!超特急」まで、萌えと笑いとトキメキと一体感…etcと、楽しい要素をギュッと詰め込んだ怒涛のメドレーコーナーとなっていた。新曲「My Buddy」ではビジョンに移されるメンバーの笑顔と、サビの振り付けと8号車のペンライトの動きが見事にシンクロ。キュートな超特急を存分に堪能したところでMCコーナーヘ。
この日はファイナルらしく、ツアーの振り返りトーク。とにかく各地方で食べまくっていたユースケの“ご飯モンスター”っぷりに、ユーキのドジっ子&プライベートでのハプニングエピソードと散らかしまくった流れをカイが「そうやってパワーを蓄えてきた」と上手くまとめる。リョウガが「みなさま、悔いのないように最高の時間を過ごしてください」とラストスパートへ。
デジタルポイを使ってジャジーな「バッタマン」に、各地でタクヤが撮影してきたメンバー写真が映し出された「fanfare」、最後とばかりに高まったら8号車の絶叫コールからの「Kiss Me Baby」。ツアーのコンセプトと重なる「gr8est journey」ではさらに大きくペンライトを振る8号車に、「最高の旅になりました!」とリョウガ。アンコールでそれぞれが感謝の言葉を伝え、捌けたメンバーをカメラが追い続ける。「寂しくない?」(タクヤ)「もっと叫びたい」(ユースケ)「遊びに行っちゃうか!」(リョウガ)と、再びステージに現れ、フリースタイルでの「超えてアバンチュール」と、最高のエンディングを迎えた。バッキバキに踊ったり、メンバー同士が楽しそうに絡んだりと、最後の一瞬まで、まさに宝物のような時間を共有できた濃厚なファイナルであった。
文/根岸聖子