FC2 Analyzer

Intel FPTによるUEFI BIOS backup / update

最終更新日

Intel CPU対応マザーボード + UEFI BIOS 向けの記事です。

用意するもの

  • Intel FPT (Flash Programming Tool)

    ダウンロード方法と注意事項 → Intel (CS)ME System Tools

  • BIOSファイル
    [BIOS updateの場合] (拡張子は.binまたは.rom)
  • USBメモリ
    [DOS用・EFI用のFPTを使用する場合]
  • DOS起動ディスク(DOS bootable USB flash drive)作成ツール
    [DOS用・EFI用のFPTを使用する場合]

    このページではRufusを使って説明します。

    Rufus Downloads:
    https://rufus.ie/downloads/

    (Windowsのみサポート。Windows XPとVistaのサポートはRufus v2.18まで)

準備 ― DOS用FPTを使う場合

DOS起動USBメモリを作成

ここではFreeDOSにしますが、MS-DOSでも大丈夫です。

  1. USBメモリをPCに接続する。
  2. Rufusを起動する。
  3. USBメモリをFreeDOSでフォーマットする。(FAT32で)

USBメモリに次のファイルをコピーします。

  • FPTのDOS用ファイル2つ (FPT.exe、fparts.txt)
  • BIOSファイル [BIOS updateの場合]

DOS起動USBメモリでブート

  1. DOS起動USBメモリをPCに接続。その他のUSBストレージは外しておく。
    (USBマウスやUSBキーボードはok)
  2. PCを(再)起動させる。
  3. UEFI BIOS設定画面を表示させる。
    (例 DELF2等。機種によってキーは異なる)
  4. BIOS updateをしたい場合は、ここでLoad Default (F5等)でBIOS設定を初期状態に戻しておく。
  5. ブートデバイスの優先順位を変更。USBメモリ(UEFIの表示がないもの)を一番上にする。
    (機種・環境によっては、CSMの設定変更が必要かもしれない)
  6. BIOS設定の変更を保存しPC再起動 (例 F10)
  7. C:\> 等と表示されるのを待つ。

これでコマンドを実行する準備ができました。

コマンド実行後、用が済んだら、Ctrl + Alt + DelでPCを再起動させます。

準備 ― EFI用FPTを使う場合

FreeDOS起動USBメモリを作成

  1. USBメモリをPCに接続する。
  2. Rufusを起動する。
  3. USBメモリをFreeDOSでフォーマットする。(FAT32で)

USBメモリに次のファイルをコピーします。

  • FPTのEFI用ファイル2つ (FPT.efi、fparts.txt)
  • BIOSファイル [BIOS updateの場合]

FreeDOS起動USBメモリでブート

  1. DOS起動USBメモリをPCに接続。その他のUSBストレージは外しておく。
    (USBマウスやUSBキーボードはok)
  2. PCを(再)起動させる。
  3. UEFI BIOS設定画面を表示させる。
    (例 DELF2等。機種によってキーは異なる)
  4. BIOS updateをしたい場合は、ここでLoad Default (F5等)でBIOS設定を初期状態に戻しておく。
  5. ブートデバイスの優先順位を変更。USBメモリ(UEFIの表示があるもの)を一番上にする。
  6. セキュアブート有効(UEFIモード) → セキュアブート無効(非UEFIモード)に変更
    (機種・環境によっては、CSMの設定変更が必要かもしれない)
  7. BIOS設定の変更を保存しPC再起動 (例 F10)
  8. shell> と表示されるのを待つ。
  9. USBメモリが表示されている所を探し、fs(数字)を確認する。

    例) 次のSSの場合は「fs8」。

    EFI boot直後の画面

  10. fs(数字):と入力後、Enter

    英語キーボード配列で認識されている場合、「:」を表示するには、shift + ;(れ)。
  11. shell>fs(数字)> へ変化。

これでコマンドを実行する準備ができました。

コマンド実行後、用が済んだら、Ctrl + Alt + DelでPCを再起動させます。

次のような画面が表示される場合はセキュアブートが有効な状態です。そのため、普段セキュアブートしているOS以外は、UEFI(EFI)モードでブートできません。

対処法: UEFI BIOS設定画面でセキュアブートを無効にするか、EFI用ではなくDOS用のFPTを使います。

Secure Boot Violation画面

準備 ― Windows用FPTを使う場合

Windows向けのFPTは32bit用と64bit用があります。

  1. BIOS updateする場合は、Windows用FPT実行ファイルと同じ場所にBIOSファイルをコピーしておく。
  2. コマンドプロンプト(cmd.exe)を管理者として起動
  3. cd /d (Windows用FPT実行ファイルの親フォルダーのフルパス)
  4. C:\Windows\system32> → (3のフルパス)> へと変化する。

これでコマンドを実行する準備ができました。

次章以降のコマンド使用例では、表記をFPTで統一していますが、Win 32bit用のコマンドはFPTW、Win 64bit用はFPTW64に変更してください。

コマンド実行後、用が済んだら exit、または、コマンドプロンプト画面の右上の×をクリックして閉じます。

BIOS Backupのコマンド

Full BIOS(BIOS Chip全体)をバックアップ。

Command
FPT -D "(バックアップファイル名).bin"

.binは.romに変更することができます。

Intel FPTでfull BIOS backup

ベリファイ

念のため、間違いなくバックアップできたかチェックしましょう。バックアップ後すぐに行います。

Command
FPT -VERIFY "(上記バックアップファイル名).bin"

Full BIOSではなく、BIOS regionのみをバックアップ・ベリファイする場合は、-BIOSオプションを追加します。

Command
FPT -BIOS -D "(バックアップファイル名).bin"
FPT -BIOS -VERIFY "(上記バックアップファイル名).bin"

BIOS updateのコマンド

普段のBIOS updateは、できるだけメーカーのマニュアルに従って行うことをお勧めします。

FPTでは、バックアップやMod BIOS(=改造BIOS)も使用できます。ただし、自己責任で。

ASUSマザーボードのUEFI BIOS場合は、事前にBIOSファイルを編集する必要があります。→ 【重要】ASUS製マザーボードのUEFI BIOSについての注意

できれば、BIOS update前に、BIOS設定をデフォルトに戻しておきましょう。

ここでは-BIOSオプションを付けて、BIOS regionだけを更新します。

Command
FPT -BIOS -F "(BIOSファイル名).bin"

BIOSファイルの拡張子は、.binまたは.rom。

同じバージョンでupdateする場合や、上のコマンドでうまくいかない場合は、-REWRITEオプションを付けてみます。

Command
FPT -BIOS -F "(BIOSファイル名).bin" -REWRITE

"FPT Operation Successful."と表示されたら、BIOSの書き換え完了です。次回PC再起動時に適用されます。

自動的にPCが再起動することはありません。自分で再起動させましょう。コマンド実行後に間違いに気づいた場合は、PCを再起動させる前に修正してください。

なお、BIOS設定でBIOS Lockが有効の場合は、BIOS regionの更新ができません。(BIOS Lock 有効 = BIOS regionへの書き込み不可)

Full BIOSを更新する場合

Primary LAN MACが変更されないように、-savemacオプションを付けてください。(Primary LAN MACは、GbE regionに書き込まれています)

Command
FPT -savemac -F "(BIOSファイル名).bin"
使用するBIOSファイルについて

メーカーから配布されている(cleanな)ファイルを使用してください。入手できなれば、FPTでバックアップしたものでも可。

FPT以外のツール(AFU等)でバックアップしたBIOSファイル」は、お勧めしません。

BIOSファイルの拡張子が.capの場合は、UEFIToolを使ってカプセル化を解除し、.binまたは.romに変換しておく必要があります。(参照: 豆知識 ― ASUS UEFI BIOSファイルの拡張子)

BIOS更新時の一般的な注意事項
  • 失敗すると、次回PC起動時にBIOSが動作しなくなる。(=マザーボードが使えなくなる)
  • 手順・コマンド・BIOSファイルを間違えない。
  • BIOSファイルに破損がないことを確認する。
  • BIOSファイルのセキュリティスキャンを行っておく。
  • 停電(瞬間的なものも含む)の恐れがない時に行う。
  • Windows上からupdateする場合は、他の作業はしない。不要なプロセスは終了させる。

BIOS update後にすること

  1. PCを再起動させる。
  2. BIOSのチェックが始まる。数十秒待つ。
    (BIOS updateに失敗した場合は、ここから先へは進めなくなる)
  3. 画面になにか表示されたら、UEFI BIOS設定画面を表示させる。(例 DELF2F1等。機種によってキーは異なる。
  4. Load Default(例 F5)でBIOS設定を初期状態にする。
  5. BIOSバージョン等を確認する。
  6. 使用環境に合わせてBIOS設定を変更。
  7. 変更を保存し、再起動。(例 F10)
  8. OSが正常に起動することを確認する。
関連記事
END