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2020.06.07 16:00  NEWSポストセブン

「やめたいのにやめられない」ネット中傷を続ける女性の告白

ネット掲示板「2ちゃんねる」。現在は運営が変わり「5ちゃんねる」(時事通信フォト)

ネット掲示板「2ちゃんねる」。現在は名称変更され「5ちゃんねる」(時事通信フォト)

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 そこまで嫌う相手、知り合いではもちろんなく、面識もないという。きっかけは何なのか。

「詳しく話すとわかっちゃうので嫌です。とにかく最初はブログがムカつくことばかりで、私大卒のくせに何なのこのブス、とずっと思ってたんです。でもブログの時は嫌いなだけでコメントとかしても反応あるわけじゃないですし、見なきゃよかっただけだったんです」

 チューミンさんはあまりパソコンに詳しくなかったそうだ。携帯電話もずっとガラケー、なので昔ワープロ代わりに買った古いノートパソコンをずっと使い、ネットサーフィンや当時好きだった男性アイドルグループの情報収集くらいはしていたが、SNSのデビューは遅い。

「SNSは知ってましたし誘われたりもしましたけど、怖かったですね、誰だか知らない人とつながるなんて。ネットは怖いとこってくらいは知ってましたし、有名人ならともかく、一般人がしたって意味ないじゃんって」

 ごく普通の女性である。チューミンさんはこの時点では普通の女性で、2000年代の匿名掲示板が跋扈したネット社会が危険なものだと知っていた。名無しによる匿名の誹謗中傷、SNSと変わらないが、それは見に行かなければいいだけであり、テレビドラマになるなどの仕掛けはあったにせよ、某巨大掲示板そのものはいつまで経ってもアングラで表社会における市民権など得られなかった。それに先ほどのチューミンさんの言葉の通り、匿名掲示板は「見なきゃよかった」だけの話である。しかしSNSの誹謗中傷は自分に直接投げつけられる。クソリプは飛んでくるナイフだ。

「でもガラケーの機種も少なくなってきて、仕方なくスマホに変えたんです。最初は慣れなくて嫌だったんですけどだんだん使えるようになって、アプリとかも入れたんです。そしたらすごく便利で、その中にSNSもありました。すごく流行ってたので」

 パソコンマニアやモバイルオタク以外、仕方なくスマホという買い換え層は多かった。バッテリーの持ちも質もまだまだだったスマホに多くの人々が買い換えるようになるのは震災以降だろうか。新しいユーザー層の流入に、ネットそのものも大きく変わっていった。

「そしたらあの女がいたんです。ずっと調子に乗ってることはブログで見てましたし、ステマのニュースで嫌でも目に付きましたが、あの女のアカウントに行ったらフォロワーとやりあってるんですね、あの女は嫌われてるから炎上ばっか。もちろんアンチが多いんであの女のほうが劣勢、もうワクワクしました。私とおんなじ風にあの女のことを気に入らないと思ってる人がいっぱいいるんだって」

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