「3密」リスクくっきり クラスターの3割超が飲食店、音楽関係、ジムで
2020年6月27日 16時42分
国内で1~4月に確認された新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)61件を分析した結果、飲食店や音楽関係、ジムの3種類の施設での発生が計36%を占めていたと、京都大の古瀬祐気・特定助教などのチームが、米疾病対策センター(CDC)の専門誌に発表した。
いずれも人が密接した場所や、大きな声を出したり、激しい呼吸になったりしやすいという特徴があった。3密(密閉、密集、密接)のリスクが高いことが裏付けられ、次の流行を抑えるために重点的な対策を取る重要性が改めて示された形。
古瀬さんは「症状のない人から感染が広まった例も多く確認された。症状がなくても日頃からマスク着用などの予防策を取ることが大切だ」としている。
チームは1月15日から4月4日までにPCR検査で感染が確認された3184人を調査。5人以上の感染が確認された例をクラスターと定義して分析した。
その結果、医療機関では18件、福祉施設で10件のクラスターを確認した。健康な人が使う一般施設ではレストランやバーなどの飲食店が10件で、職場の8件が続いた。ライブハウス、合唱、カラオケなど音楽関係は7件、ジムは5件だった。
医療機関では100人超の大規模な発生があり、音楽関係でも30人を超える規模があった。
さらに一般施設のクラスターについて、他の人へとうつした日が特定できた16人を調べたところ、9人は症状が出る前にうつしていたという。
医療機関や福祉施設での発生は3月9日~15日と3月30日~4月4日に集中していた。チームは、中国からの第1波と欧州などの第2波がそれぞれ市中にまん延した後、最後の段階で各機関に広がったとみている。
(共同)
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