新型コロナウイルスが感染細胞から出てくる「出芽」の様子を、東京都健康安全研究センター(東京都新宿区)が走査型電子顕微鏡で撮影、HPに公開している。無数のウイルスの塊が細胞表面に群がるように写っており、まがまがしさを感じさせる。
ウイルスは単独では増殖できず、細胞内に侵入後、遺伝子を基に自らの部品を複製し、多数のウイルスとなって細胞外に出てくる。ウイルス増殖に利用し尽くされた細胞は死滅する。
同センターは、新型コロナウイルスが単独、あるいは塊となって培養細胞から出てくる様子をとらえた。ひものような部分は、細胞膜をかぶったまま出ようとしているウイルスによって伸びた細胞膜とみられる。このあと、ウイルスは細胞から完全に離れ、表面にスパイク状のタンパク質が見えるようになるという。
別の写真(②)では、花びらのような塊を形成し「出芽する瞬間」(同センター)のウイルスをとらえている。透過型電子顕微鏡では、表面に王冠のような特徴のあるスパイク状突起が見えるウイルスの撮影に成功した(③)。