神戸区検は26日までに、在留申請手続きで在大阪ベトナム総領事館の領事に便宜を図ってもらう見返りに現金計20万円を渡したとして、神戸市長田区に住むベトナム国籍の男(55)を不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)の罪で略式起訴した。神戸簡裁は罰金50万円の略式命令を出した。兵庫県警が22日に書類送検していた。
県警によると、男は申請の代行業をしており、日本に住むベトナム人女性2人が、それぞれベトナムにいる知人男性を呼び寄せて日本で結婚生活を送るための証明書類が必要だった。総領事館では本国在住者などにこうした証明書の発行業務をしておらず、領事が便宜を図ったとみられる。
起訴状によると、2018年1~2月に2回、当時のベトナム人領事に対し、証明書を発行してもらいたいとの趣旨で現金計20万円を渡すなどしたとしている。
県警によると、領事は18年4月に帰国。賄賂を受け取った外国人公務員を処罰する規定はない。〔共同〕