ふしぎのくにのありんすちゃん ~ALINCE IN UNDERGROUND LARGE GRAVE OF NAZARICK~   作:善太夫

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139ありんすちゃんスライムになる

 ナザリック地下大墳墓 第二階層〈屍蝋玄室〉

 

「ありんすちゃん様!」

 

 ヴァンパイア・ブライドの大声にありんすちゃんは目をこすりながら起き上がりました。

 

 プヨヨン……

 

 ありんすちゃんは目をこすり……

 

 プヨヨヨヨン……

 

 なんという事でしょう! ありんすちゃんは目をこする事が出来ませんでした。

 

「……恐れながら、ありんすちゃん様は……その…………スライムになっておられます」

 

 おずおずと意見を述べるヴァンパイア・ブライドにありんすちゃんは振り向きました。

 

 プヨヨン……

 

 ありんすちゃんは首をねじれないので仕方なく身体全体で向き直りました。

 

 ボヨヨン……ボヨン。

 

 

 ありんすちゃんは改めて自分の身体を見下ろしてみました。すると、なんという事でしょう! ありんすちゃんはピンク色のスライムになっていたのでした。

 

 スライムになったありんすちゃんの身体の表面からは汗の様に液体が染みだしていました。その液体はありんすちゃんのベッドのシーツに染みを作るのでした。

 

 

 

 

※   ※   ※

 

 

「……うむ。ではスライムになった身体から出た液体がこの染みだというのかね?」

 

 アインズは会議室に広げて置かれたベッドのシーツを指して尋ねました。ありんすちゃんは首をコクンコクンとさせます。

 

 アインズは額に手をやり、軽く頭を振りました。しばらく考え事をした後でありんすちゃんに向き直りました。

 

「……しかし、ありんすちゃんよ。スライムになったのならばどうやってその姿に戻ったのかね?」

 

 ありんすちゃんはしばらく考え込むと口を開きました。

 

「……ちょれはベストーニャワンワンに戻ちてもらっちゃでありんちゅ」

 

「……ふむ。ありんすちゃんはこう言っているが……ペストーニャよ。どうなのだ?」

 

「……私は全く身に覚えがありません……ワン」

 

 アインズはさらにい並ぶ戦闘メイド(プレアデス)に尋ねていきます。

 

「……とりあえずありんすちゃんはこう言っているが、お前たちはどう思う?」

 

「……恐れながらアインズ様。これはただのおねしょかと……」

 

「……おねしょだと思います」

 

「……おねしょです」

 

「……おねしょとしか……」

 

「……正確にはアンデッドの中でも吸血鬼族特有の分泌物だと分析……」

 

 戦闘メイド達の指摘にありんすちゃんの顔がみるみる紅潮していきます。

 

「ありんちゅちゃ、おねしょなんてしないでありんちゅ! ありんちゅちゃはもう立派なレレイなんでありんちゅ!」

 

「──その立派なレディが──」

 

 ありんすちゃんの叫びを打ち消して悲痛な声が響きわたりました。

 

「──その立派なレディとやらは何故に罪もないメイド、ツアレのベッドのシーツをおねしょシーツに取り替えたのでしょうか? 説明をしていただきたいものです!」

 

 執事のセバスがありんすちゃんに指を突きつけて糾弾します。

 

 ありんすちゃんは最後には、おねしょをしてしまい、それを誤魔化す為にツアレのシーツと〈グレーターテレポーテーション〉で交換し、バレそうになったのでスライムになったという話をでっち上げた事を認めました。

 

 仕方ありませんよね。だって、ありんすちゃんはまだ5歳児位の女の子に過ぎないのですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※   ※   ※

 

 

 

 ちなみにセバスが激昂したのは『ツアレが自らおねしょをしたと勘違いして茫然自失した』から、というのもありましたが、一般メイド達の噂に『セバス様が激しすぎて弛んでしまったからお漏らししたのに違いない』というのが理由だったらしいです。勿論、純真なありんすちゃんにはなんの事かは全く解らないでしょうが……


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