@chablis777
シャブリ

---------------------------

----Y----053----------
----e-----------------------------
----l-----------------------
----l------------------------------
-----------------------------------
-----------------------------------
---------------------------------------------------------------


(三郎)いて~っ! いてえ! 足がいてえ!
(裕一)父さん 父さん… た… ただいま。
裕一! 音さん!
今夜は裕一の凱旋祝だ!みんな ジャンジャン飲んでくれ。
(笑い声)
あちぃぞ 気を付けろ。 あちぃぞ…。
うっ!
飲み過ぎたな。
♪~
♪「泣いて 生まれて 響く命」
♪「きっと嬉しくて 笑っているんだ」
♪「僕らはきっと 出逢うでしょう」
♪「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」
♪「きっといつか今日の日も意味を持って ほら」
♪「耳をすませば」
♪「星の見えない日々を 超えるたびに」
♪「互い照らすその意味を知るのでしょう」
♪「愛する人よ」
♪「親愛なる友よ」
♪「遠くまで 響くはエール」
いや~ みんな 忙しいのに来てくれてありがとな。
(大河原)いやいや…。どうしても 裕一の今の姿を見てほしくってよ。(笑い声)
いやいや 本当どうなっことかと思ってましたけどねえ あんじょう うまくいってるようで安心しました。
いやいや…。(楠田)大出世じゃねえか!
「船頭可愛いや」こっちでも よく流れてるよ。
いや 史郎も元気そうで何よりだよ。ハーモニカ倶楽部 まだやってんの?
辞めて うちの家業 継いだよ。
裕一はよ 俺の才能を受け継いだんだ。
ちょっと もう いいから。 何言ってんの?
こう見えても 俺だって 昔は歌手か役者にって言われたこともあったんだ。
(笑い声)おっ 笑うとこじゃねえ!
なあ まさ?(まさ)知りません。
おいおい 何すんだよ。 なあ?
空っぽじゃない。 もう おしまい。
このぐい飲み 穴 開いてんじゃねえか?ハハハハ!ほら もう…。
兄さんに言うわよ! はい。
父さんも酒 弱くなったね。もう 年だもの。
(戸の開く音)
お~ 浩二 みんな 集まってんぞ。(浩二)何だよ これ。
こっち来い。父さん また酒飲んでんのか?
いいじゃねえか!今夜はな 裕一のお祝いだ。
いぐねえって。いやいや まあまあ まあまあ…。
浩二さん ほら グッと一杯! ねえ。いや…。
また立派になって~。 役所の方で何かお忙しいってお聞きしましたけど。
まあ…。こ… 浩二。
ひ… 久しぶり。
よく ヘラヘラと帰ってこれたな。
(浩二)たった一曲 売れたぐらいで大作曲家 気取りかよ。
いや そんなつもりはないよ。もういい。 明日も早えから もう寝る。
親父も 明日診察だろ。先生に叱られても知んねえからな。
(ため息)
悪いな 何だか。 ハハハ…。いやいや…。
さあ 続けて下さい。うん やってくれ ハハハ。裕一も ほら 飲め。いや… もういいよ。
(音)お義母さん 手伝います。いいのよ。 華ちゃん 見てて。
もう寝ましたから。
寝床が違うから 夜泣きしなきゃいいけど。
よく寝る子なんです。
裕一も そうだったのよ。
一度 寝っと 朝まで ぐっすり。
でも… 浩二は 夜泣きする子でね一晩中だっこしてないと駄目だったの。
へえ~。
でも そのあとは裕一の方が大変だったかな。
言葉が うまくしゃべれないことでよく いじめられてね…。
浩二は 何でもすぐに覚える賢い子だったけどなかなか人に分かってもらえないとこがあって。
親になると 子どものことがずっと心配なんですね。
うん… 親は いつまでたっても親。
ずっと 心配の しっぱなしよ。
華を産んでからお義母さんが どれだけ裕一さんのこと思っとったか分かった気がします。
傷つく裕一を見たくないんです!分かってくれる?
あなたも 子どもを持てば分かってくれる。
成功を求めて傷つくより身の丈に合った幸せをつかんでほしいの。
あの時は 本当にすみませんでした。
あなたは…あなたは正しかったのよ。
何の掛値なしに あの子 信じてくれて…どうも ありがとう。
あの子が今 うまくやれてるのは音さん… あなたのおかげよ。
これからも 裕一のこと支えてやってね!
はい! はい フフッ。
あの… 気になっとったんですけど…。うん?
お義父さんどこか悪いんじゃないですか?
えっ?
この辺りを押さえて 痛そうにしとったんで。
あっ… ちょっと お医者にかかっててね。
胃潰瘍なの。
胃潰瘍?ええ。
浩二…。
本当に… ごめんな。
謝んなら…家族の幸せを第一に考えて下さい。
♪~
裕一さん…。うん?
ねえ もう少しここに いさせてもらえんかな?
また次 いつ来られるか分からんでしょう?
お義父さん お義母さんのことも気になるし。
う~ん… まあ浩二ともね 全然しゃべれてないし…。
まあ 弟とはね ずっと昔からあんなふうだったの。
僕が自分の夢ばっか追いかけて家族のこと二の次 三の次にしてきたから。
音が そう言ってくれんならもう少し いさせてもらおうかな。
うん。
同じころ 藤堂先生もまた父親と久しぶりに向き合っていました。
(藤堂)どこか行くの?
(晴吉)実はな 陸軍からの要請で満州の視察に 相談役としてついていくことになったんだ。
とっくに退役した身だろ?
この年になっても お国のために働けるというのは大変名誉なことだ。
まさか… 今更 ついてこいなんて言わないよね?
(昌子)お待たせしました!
今日 とってもいいことがあったんですよ。
清晴さんの教え子が立派な作曲家になって小学校の校歌を作ってくれたんです。
その凱旋のお祝いがあって。
お前も 田舎教師じゃなくてお国のために戦う身だったら凱旋式でも何でも してもらえたろうに。
僕は僕なりに… 国のためになることをしてきたつもりです。
でも それは父さんのやり方とは違ったんです。
お前も親になれば戦うことの意味が分かる日が来る。
あっ 動いた!
ほら!
おお… おおっ!
清晴さんも ほら!うん… 動いてる!
ハハハ…。この子は強い子になりますよ。
お国のために戦ってきた おじい様の強い血を受け継いでますからね。
そうかもな。
私に?
丈夫な子を産んで清晴を一人前の父親にしてやって下さい。
はい!
父さん… ありがとう。
(せきばらい)
お義母さん。うん?
お願いします。はい。
うん!
母さん… これ。
もうしばらく ここにいさせてもらうから食費に使って。
そんな… いいから。
いやいや… じゃないと ほら居づらいからさ。
母さん 今日…。
そんなもの受け取んなくていいからね。
浩二… 違うんだって 浩二!
これ 滞在費だから。
余ったら 父さんたちにうまい酒でも飲ませてやって。
そんなことされる筋合いなんかねえ。
なあ ちょっと… 浩二。待てって… なあ ちょっと これ…。
あって困るもんじゃないだろ?
なにが うまい酒だよ。
なあ… 何があったんだよ 本当に。関係ねえべな。
ちょっと 浩二 浩二!
頼むから…お… お願いだから 教えてくれよ!
何なんだよ!?
父さん もう長くねえんだ。
胃がんだって。 もう 手の施しようが…。
いや… う う… うそでしょ?
だって あんな… 元気そうだったのに。
父さんの前で… 父さんの前でそんな顔 絶対にすんなよ。
俺たちだって 父さんの体 気遣いながら必死に隠してきたんだ。
もし バレたら…ただじゃおかねえかんな。


via Twishort Web App

Made by @trknov