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(熊次郎)♪「楽し都 恋の都」
(林)♪「ジャズで踊って リキュルで更けて」
(岡島)♪「雪は消えても 消え残る」
(水川)♪「ヤーレン ソーラン ソーラン」
(久志)♪「真澄の空は 朗らかに晴れて楽しいこころ」
(御手洗)♪「船頭可愛いや」
こうして 最終オーディションの幕が閉じました。 結果はいかに!?
♪~
♪「泣いて 生まれて 響く命」
♪「きっと嬉しくて 笑っているんだ」
♪「僕らはきっと 出逢うでしょう」
♪「手を引き 背を押し 出逢うでしょう」
♪「きっといつか今日の日も意味を持って ほら」
♪「耳をすませば」
♪「星の見えない日々を 超えるたびに」
♪「互い照らすその意味を知るのでしょう」
♪「愛する人よ」
♪「親愛なる友よ」
♪「遠くまで 響くはエール」
♪「朝も昼も夜もずっと そこにある」
♪「暗闇にほら響け 一番星」
♪「愛する人よ 親愛なる友よ」
♪「星影に 響くはエール」
いたたた…! 痛い! 痛い 痛い…!
うん?これは 一体どういう状況でしょうか?
鼻折れてる。 鼻折れてるから。(藤丸)折れてないですよ。
(久志)鼻 折れてるって!(恵)何があったの?
(裕一)いや それが…。
おはようございます!(音)おはようございます!
おはようございます。 どうぞ。
どうも。ありがとうございます。ご苦労さまです。
ふう…。
ここだ。 いい?うん。
ふう… せ~の!
うそ…。
何で?
久志~? 久志?
久志~? どこ行っちゃったんだろう?
ねえ 御手洗先生も 外の空気吸いたいってどこか行っちゃったし…。
まあ 相当ショック受けてたからね~。
まさか… 変な気 起こしてないよね?
変な気って何?
コロンブスに乗り込むとか…。
ハハハ… まさか。 そんな さすがにね…。まさかね! アハハハ…。
行ってくる!
(御手洗)これ 間違いじゃないんですか?
ちょ… ちょちょ…何やってんの? 2人とも。
納得できませんわ!えっ?私なんかより どうして こんなのが…。
どういうことか説明してもらえますか?
(杉山)そう言われましても…上が決めたことですし。
そう… そうだよ。(廿日市)いや~ 僕はね君が受かると思ってたんだよ。何か こう 後光がさしてたもんね。
おかげさまでうちの父も喜んでますよ。
ハハハ はいはい… 帝都ラジオの会長さんそりゃ すばらしい。
もう一度 考え直して頂けませんか!?ティーチャー 落ち着いて!
決定を覆すことはできません。お引き取り下さい。
警備員 呼びますよ!
まあ… 脅すつもり? もういいわ。
あなたでは お話にならない。
これしきで諦めないから。 社長は どこ!?ちょちょ… ストップ ストップ!
2人とも 落ち着いて 落ち着いて。社長は どこ?
ねえ ねえ ねえ…。
負け犬が キャンキャンと…見苦しいんだよ おっさんら。
特に あんた…。
本気で受かると思ってたの? フフフ。
自分の姿 鏡で見てみなよ。
君さ 誰に向かって 口きいてんだ?
あんたこそ 僕が誰だか分かってんの?
言っとくが 彼の実力は 君の数百倍…いや 数千倍はある。
はあ?
人の痛みが理解できないやつに歌を歌う資格があんのか?
もういいわ。みんな 自分の可能性にかけて必死に努力してきたんだよ!
ちょっと顔がいいからってな 偉そうに…。
(頭突きする音)うっ…。
お疲れっした~。大丈夫?
あの野郎 許せん…。
(保)そりゃあ 災難だったね。やり返してやりゃいいのに!
そんな隙なかったよ。さっさと逃げやがって。
(鉄男)けど おめえは逃げなかったんだな。
昔なら いの一番に逃げてたのに。
きっと 大事な本だよ。
そうだ… き… 君 返しといてくんない?
さすがだ 久志君。
・(田中)古山先生はおりんしゃあですか?
ま… まずい。 だ… 団長だ。
あれ? うん?あ… 相変わらずの逃げ足。 久志?
見直したよ そこは。
(藤丸)けど… その研究生のお話 どうするの?
ちょっと… 起きれる?立てる?
ゆっくり…。(廿日市)おい そこ!
あっ すみません。 すぐに帰らせますんで。
君 ちょっと残って。
研究生として 契約してやっから。
け け… 研究生?
(廿日市)デモの仮歌とったり新人のかばん持ったり。うまくいきゃ デビューできる。
断る。おい!
駄目よ。 断っちゃ駄目。こんな機会 めったにないのよ。
お金を頂きながら歌の勉強ができるなんて。
確かに 悪い話じゃねえ。
あんなやつの荷物持ちなんかしたくないよ。
あなたなら すぐに追い越せるわ。
あなたは選ばれたの。
選ばれた以上 輝かなきゃ!
私も この話 受けてほしいです。
久志!
あんたに勝ててよかったよ。
正直… 勝てないと思った。
ありがとう。
必ず デビューするから。
約束よ! プリンス久志。
このあと 久志は一文無しの御手洗先生のために夜の町へと 一稼ぎに向かいました。
♪「夢もぬれましょ 潮風夜風」
♪「船頭可愛いや」
♪「エー 船頭可愛いや」
♪「波まくら」
(拍手と歓声)
御手洗先生はミュージックティーチャーに戻るべく豊橋へと帰っていったのでした。
(ノック)
ご苦労さまです。うん。はかどってる?
うん。 ここんとこ久志に付きっきりだったからね。
久志さん デビューできるといいね。
まあ あとは 本人の頑張り次第かな。ありがとう。
裕一さん 楽しそうだったよ。えっ? 音だって。
うん…久しぶりに歌に携われて 楽しかった。
なら よかった。
私 やっぱり 歌が好き。
裕一さん華が もう少し大きくなったら私 レッスン始めようと思うんだけどどう思う?
えっ? いいと思う!
僕にできることがあったら何でも協力するから!
ありがとう!
はい。頑張って!ありがとう。
フフッ。アハハハ…。
え~ 専属歌手として契約いたしました寅田君です。
(拍手)よっ!よっ!
帝央大学1年 寅田熊次郎です。
父は 帝都ラジオの会長を務めております。
どうぞ よろしくお願いします。
(拍手)
…で こちらが 研究生として契約いたしました佐藤君です。
ただいま ご紹介 賜りました佐藤久志です。
帝国音楽学校 声楽科を主席で卒業いたしました。
こちらで お世話になりますからには必ずや皆さんに新しい景色をご覧頂けますよう精進いたします。
(拍手)
君のデビュー曲だけど今 古山君が書いてるから上がり次第 即レコーディングね。
古山? 誰ですか?
古山裕一。 「船頭可愛いや」の。
いや 知らないけど。
別に 何でもいいですよ。有名な人の曲なら。
うんうん… じゃあ 今度会う時までにうちの作家の名前と曲名全部 言えるように勉強しといて。
フフッ そんな必要あります?それじゃ 失礼します。
お前さ あんまり なめてると痛い目遭うぞ。
言っとくが 俺はまだ1ミリも お前を認めちゃいない。
上が気に入ってるのはお前の歌じゃなくて 看板だから。
努力しないで売れなかったら即契約解消な。 覚えとけ。
研修生の件 廿日市さんが上に掛け合ってくれたそうで。
ありがとうございました。あのガキだけじゃ もたねえと思っただけだ。 一番 歌のうまいやつはテイコクに声かけられて 辞退しやがるし。
やってられっかよ。
もう スター気取りか。
必ず そうなりますから。
フッ どいつもこいつも…。
うん… すごくいい!あっ 本当!? よかった。
ご苦労さまです。はい。 ありがとう。
(華)お母さん 早く食べようよ!うん!そうだね。
頂きます。頂きます。頂きます。
はあ~ よかった よかった。頂きま~す。
・(戸が開く音)・(久志)裕一 いるか!?
はあ? 久志?
今日 初出勤だったんですよね?
それより 今度の新曲は?う… うん。 新曲 これ。
け… 結婚式? どうしたの?
結構ね いいのが出来たんだよ もう~。
駄目だ こんなの。ちょっと…。
どうして? すごくいい曲じゃないですか。
だから 駄目なの!これは 僕がもらう。
駄目駄目… 返して! 駄目だよ!
これじゃあ あいつ 売れちまうだろ。売れなきゃ こっちが困るの!
明日 納品なんだよ!これは僕が歌う!
駄目だって!僕が歌う!
破いちゃ駄目! 危ない 危ない…。♪~(歌声)
駄目… ちょっと!
ちょっと!・ごめんくださ~い!
はい?・こちら 古山先生のお宅でしょうか?
はい! ちょっと待って。とりあえず 飯 食ってけ。
ま… 曲げないでね それ 本当に もう。
華… 華 ちょっと見といて見といて。
は~い!
はい… はい。
うん? どちらさんでしょうか?
古山先生でいらっしゃいますか?はい。
僕を弟子にしてくれねえでしょうか!?うん?
お願いします!
で… 弟子? えっ?
弟子!?