家庭用米粉が好調 巣ごもり需要 使いやすさ魅力

 新型コロナウイルスの影響で巣ごもり需要が高まる中、家庭で使う菓子や料理用の米粉の販売が伸びている。小麦粉を含め粉商品の売れ行きは増えており、米粉メーカーは小麦粉よりも使い勝手の良さをアピールし、消費の定着を期待する。

 食品の販売時点情報管理(POS)データを収集分析するKSP―SP社によると、食品スーパーでの米粉の販売量は3月、前年同月から9%増えた。巣ごもり需要が高まった4月は78%増、5月は115%増と伸び率が拡大。小麦粉などと同様に家庭用の米粉商品が品薄となった。6月は解消傾向にあるが、メーカーによると供給が追い付かない地域もある。

 米粉メーカーの波里(栃木県佐野市)によると、家庭用商品は2月から徐々に販売が伸び始め、5月末までの出荷量は前年同期と比べ2、3倍と大幅に伸びた。6月は落ち着いたものの販売は好調。同社は「米粉は小麦粉と比べて菓子作りでだまになりにくく、使い勝手が良い。吸油も少なく健康的。今回を機に定着を期待したい」と話す。

 みたけ食品(埼玉県戸田市)によると、4、5月に販売量の伸びが大きく、6月も高水準で推移する。家庭の菓子用商品を中心に、お好み焼きやシチューのとろみ付けなどに使える料理用の販売が伸びているという。

 日本米粉協会は「使いやすさが認知されて家庭用に定着すれば、米粉市場が活気づいてくる」と期待する。

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