米国株が反発、コロナ感染者急増と追加刺激策を両にらみ
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25日の米株式相場は反発。投資家は米国での新型コロナウイルス感染者急増を警戒しつつ、新たな景気刺激策が講じられる可能性を意識した。原油は3日ぶりに反発。
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日中は不安定な値動きを見せていたS&P500種株価指数は、取引終盤で上げが加速。約1週間ぶりの大幅高で終え、月初来でもプラスを維持した。この日は感染急増を踏まえ、テキサス州とフロリダ州の両知事が経済活動の段階的な再開を一時停止した。前週に続き市場予想を上回った米新規失業保険申請件数など、強弱まちまちな経済指標を消化する中、米金融機関の投資に規制を設けたボルカー・ルールの一部緩和を米監督当局が承認したことから、金融株の上昇が目立った。
S&P500種は前日比1.1%高の3083.76。ダウ工業株30種平均は299.66ドル(1.2%)高の25745.60ドル。ナスダック総合指数は1.1%上昇。ニューヨーク時間午後4時59分現在、米10年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し0.69%。
ワシントン・クロッシング・アドバイザーズのポートフォリオマネジャー、チャド・モーガンランダー氏は「市場はどのような時間軸になるかを織り込もうとする一方、金融刺激策や今後の財政刺激策も推し量っている」と指摘。「未知の部分は多いが、金融・財政策が市場を下支えすると信じるしかなく、われわれは今後1年半から2年についてやや楽観を強めている」と述べた。
外国為替市場ではドル指数が小幅続伸。米国の新型コロナ感染拡大や一部州での経済再開停止が意識された。米新規失業保険申請件数は市場予想より多く、景気回復ペース鈍化の兆候が示された。
主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.1%上昇。ドルは対円でほぼ変わらずの1ドル=107円19銭。ユーロはドルに対し0.3%安の1ユーロ=1.1218ドル。
ニューヨーク原油先物相場は3日ぶり反発。ロシアが指標であるウラル原油の輸出を大幅に削減することが分かり、同国が他の主要産油国とともに供給過剰の解消に取り組むとの見方が強まった。一方、新型コロナ感染の再拡大を受けて需要回復に対する懸念が広がり、上値は抑えられた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物8月限は71セント(1.9%)高の1バレル=38.72ドル。ロンドンICEの北海ブレント8月限は74セント上げて41.05ドル。
ニューヨーク金先物相場は続落。景気回復ペース鈍化の兆候を受けて現金を求める向きが強まり、ドルが買われ、金は売られた。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は0.3%安い1オンス=1770.60ドルで終了。
原題:Stocks Rise in Volatile Trading; Oil Snaps Slide: Markets Wrap(抜粋)
Dollar Climbs as Stocks Fluctuate Amid Virus Spike: Inside G-10(抜粋)
Oil Rises on Russian Export Cuts, Offsets Virus Demand Jitters(抜粋)
PRECIOUS: Gold Falls With Cash Moving to Dollar on Economy Fears(抜粋)