あれから二十数年が経ちました。
子供の誕生日、クリスマスも気兼ねなくお祝いできて本当に良かったと思います。
そして成人式の際は、娘から「お父さんお母さん、成人式を祝ってくれてありがとう」と感謝の言葉を貰った時は、感無量でした。
娘の大学の卒業式には、両親を泊まり掛けで連れて行きました。娘の晴れ姿を親に見せて、私の悔しさも全て昇華させるのだ…そんな気持ちもありました。
その時は「本当に、ここまで長かったなぁ」とつくづく思いました。
ある日、娘から電話がありました。
「お母さん!今日、エホバの人がアパートに来たよ!」
「えっ!、まさか話をきいたの?」
「うん、親戚がやってるって言ったら喜んでた」
「えっ!まさか、何か雑誌とかもらったの」
「うん、なんか置いていったよ」
「ダメだよー!聞いたらダメだよー!何回でもしつこくやってくるよ!」
「なんで?だっておじいちゃんとおばあちゃんがやってる宗教なのに、そんな風に言っていいの?」
「だから〜あれはダメ〜!!!!!!」
!!……絶句
こんな事があってから、私はただ感情的に「ダメだ」と禁止するだけなら、JWが私たちに「この世はサタンの世だ。!悪魔だ!」と言って近づけないのとたいして変わらないな、と反省しました。
これまでも、子育て中には幾度となく、私がエホバの証人としていかに苦しんだかを娘には伝えてきたつもりだったのに、彼女には、それは自分の事としては届いていないのでした。
私はいつか、エホバの証人以外の一般の人が読んでも理解できる形で、私が見た、そして身を持って体験した、この組織のありのままの姿を記録しなければならないのだろう。と、その時から思っていたのです。
これまで、私が娘に語ってきたJWでの苦労話は、「また、お母さんの昔の愚痴がはじまった。」で終わっていたのですから。
という訳で、ちょうど、この全国的自粛期間に突然降って湧いた空白期間を利用して、私は一大決心の元に、このブログを書き始めました。
そして、何度も自分の傷を見つめ直す作業に取り掛かりました。
途中から、あまりの苦しさに何度も中断し、いったい何のために書き始めたのか分からなくなりました。
しかし、過去の恥だと封印していた自分の弱さを、皆さんから肯定して頂き、温かなコメントやメッセージを本当にたくさんたくさん有り余るほどに頂き、何とか最後まで書ききる事ができました。
本当にこれまでずっとお読み頂き、感謝の言葉しかございません。本当にありがとうございました。
全てのコメントやメッセージに返信できなくて申し訳ありませんでした。
そして、このブログの為に、
匿名で古い写真を提供して下さった方、
業務連絡でブログ初心者の私を温かくサポートして下さった方、
メッセージで個人的に励まして下さった方々、
JWの歴史資料を参考にさせて下さった方、
JW公式サイトの閲覧方法を説明してくださり、添付して下さった方、
資料となるソースを添付してコメント下さった方、
Twitter上でいつも気にかけてくれたお友達…
皆さん!本当にありがとうございました!
今後は数ヶ月間、このブログを放置した後、特にご要望がなければ、過去の記事は封印したいと思います。
また、新たにアメンバー申請される方にはお手数ですがメッセージで簡単な現在のJWとの関わり等自己紹介をお願い致します。メッセージの記入欄が分からない方はひとまずコメント欄でも構いません。その際は公開致しませんので、よろしくお願いします。
では本当にお別れの言葉を書きます。
「中田兄弟」は、エホバの証人と接点を持ち、聖書を学んで、死の恐怖に打ち勝ちました。
彼は憎しみや復讐心などの負の感情を克服し、人類愛や友情の下に、その人生を締めくくったのです。
宗教の真の価値は、ここに見出せると思います。
それは人の生きる道…人生を正しく導くものであるはずです。
もし、現在エホバの証人が、この宗教の本来の価値を台無しにする様な事を推奨したり、その崇高な目的を果たしていないのなら、潔く、そこから離れるべきではありませんか。
そして、それは、
消して誰かから罪と言われる筋合いもなく、誰かに迷惑をかける訳もなく、まして神や家族を裏切る事でも無いはずです。
むしろ、今後新たに、誰かがこの「腐ったりんご」をかじる被害を食い止める為の、第一歩になると、私は信じています。
そして、私たちには、こちら側に沢山の仲間が待っています。
「世の中、まだ捨てたもんじゃない」のです!
必要なのは少しの勇気だけです。
あなたの、大切な愛する人と自分の人生のために。
「体を殺しても魂を殺す事の出来ない者たちを恐れてはなりません」
マタイ10:28
完
ほほこ