19店67人の感染 北海道で“昼カラ”クラスターが発生する訳
「高齢者にとってカラオケは効用があり、生き甲斐であり、憩いの場です。ストレス発散や認知症予防、唾液の分泌も良くなり、心身共に健康になれます。同じ趣味を持つ仲間と一緒なら会話も弾みます。一部の公共施設はまだ利用制限があり、単身者は家から出なければ人と話す機会もありません。家にこもるのも限界なのでしょう」
■道民性が影響か
とはいえ、4月に3人だった道内の昼カラ感染者は5月に13人、今月は51人と日を追うごとに増加。しかも昼カラ感染は全国で北海道だけだ。なぜ、北海道ばかり昼カラクラスターが拡大しているのか。
「漁師など水産業などに携わる人が多いことも関係しているのではないか」と県民性に詳しい「ナンバーワン戦略研究所」所長の矢野新一氏がこう分析する。
「北海道民は広大な土地に住んでいるだけあって、心が広く、大らかなタイプが多い。四角四面ではなく、細かいことは気にせず、ある意味アバウトで楽観的です。多少、ルールに甘いところなどがあり、カラオケで歌詞を間違っても気にしなかったりする。小樽は港町ですから、義理堅い人が多い。誘われたら、つい仲間に会いに行ったり、店の売り上げに協力しようと思ったのではないか。皆が楽しければいいという感覚なのでしょう」
北海道の鈴木直道知事は2月25日、道内の感染者数が国内最多となったことを受け、他の自治体に先駆け、同28日に3週間、緊急事態宣言を発令している。長い自粛疲れで、道民のストレスはピークに達しているのか。