pixivは2020年3月30日付けでプライバシーポリシーを改定しました。

詳細

pixivへようこそ

この作品 「ひなた「ちゆちーには内緒だね」」 は「花寺のどか」「沢泉ちゆ」等のタグがつけられた作品です。

ヒーリングっど13話以降放映されなくて、さびしー。しかたないので、(本編でもやる...

石橋春秋

ひなた「ちゆちーには内緒だね」

石橋春秋

2020年6月19日 13:14
ヒーリングっど13話以降放映されなくて、さびしー。
しかたないので、(本編でもやるかもしれない)パジャマパーティの話を書きます。
 昼休み、すこやか中学校の屋上で、花寺のどか・沢泉ちゆ・平光ひなたの3人が昼食をとっていた。
ひなた「ねーねー、のどかっち、ちゆちー、今度の土曜日にパジャマパーティしない?」
のどか「パジャマパーティ?」
ひなた「そうそう、イケてる女子のたしなみ! パジャマ着たまま、夜更けまで本音のガールズトークに花を咲かせたり、ビデオを見たり、お菓子を食べて盛り上がる!」
 ちゆは顔をくもらせた。
ちゆ 「何言ってるのよ、ひなた。あなたはともかく、のどかはパジャマにいい思い出あるわけないじゃない!」
 そう言われて、ひなたは花寺のどかが、つい最近まで入院していたことを思い出した。
ひなた「あー、ごめん、のどかっち! あたし、また先走っちゃって……」
 ひなたは手を合わせて、のどかに頭を下げた。だが、当ののどかは特に気を悪くしている様子はなかった。それどころか、目を輝かせていた。
のどか「楽しそう…」
ちゆ 「え?」
のどか「私、ずっと入院してたから、お友だちとパジャマパーティしたことないんだ。なんか楽しそう!」
ひなた「それじゃあ、いいの?」
のどか「うん!」
 ちゆは顔を赤らめていた。
ひなた「ほらほら、ちゆちーも! プリキュア同士で親睦ふかめ合おう!」
ちゆ 「…しかたないわね。のどかの体調が気になるから、私も参加するわ」
ひなた「よし、決まり! それじゃあ、どこでやる?」
ちゆ 「えっ、決めてなかったの?」
のどか「私の部屋は……狭いかな。みんなで騒げるスペースないよ」
ひなた「あたしの部屋も……そうかな。ちょっと狭いかも」
 ちゆはあきれた顔をしていた。
ちゆ 「……しかたないわね。ウチ(旅館)の空いてる部屋でやりましょう」
ひなた「さすが、ちゆちー! 頼れる~」
 ひなたはちゆに抱きついた。
のどか「私、ちゆちゃんの旅館に泊まってみたかったんだー」


 土曜日になった。3人はゆめぽーとに集まった。
ひなた「よーし! 買い出ししよう!」
のどか「おー!」
 3人は食品売り場にきた。
ひなた「やっぱ、ポップコーンは外せないよね~。それにポテチとかチョコとか……」
ちゆ 「……私、いちおう陸上選手なんだけど……。そんなに食べすぎるとカロリーオーバーよ!」
ひなた「ちゆちー、カタいこと言わない~! 今日はそういうのなし~」
のどか「アハハ」

 3人は旅館『沢泉』に着き、大浴場で風呂をすませた。
ひなた「あ~、いい湯だったな~」
のどか「ホント、ステキな温泉だったね~」
 ちゆは得意そうな顔をしていた。
ちゆ 「へへん! なんたってウチの自慢の温泉だからね」
 ひなたはいたずらっぽい顔で、ちゆを見た。
ひなた「ちゆちー、やっぱ陸上やってるだけあって、いい体してたね~」
ちゆ 「何よ、エッチ!」
ひなた「のどかっち、やっぱりかわいかったー」
のどか「ふわっ、恥ずかしいよ~」

 パジャマを着た3人は軽く食事をすませ、部屋のテレビの前に集まった。
のどか「何のビデオ見るの?」
 ひなたはブルーレイディスクを取り出した。
ひなた「じゃじゃーん! 『22/7計算中』だよ~」
のどか「ふわーっ、私、ちょっと見たことあるよ。入院してたから、たまに見る程度だったけど」
ちゆ 「私も、少しだけ……」
ひなた「これおもしろいよね~。ナナニジメンバーみんなかわいいし、いろんな企画やるし。MCの三四郎さんとの掛け合いが笑えるよね~」
のどか「特に滝川みうが出てくると何をするのか分からないのがおもしろいよね」
ちゆ 「普段はクールな丸山あかねが、はしゃいでるのが可愛いわね」
ひなた「みんなは誰が好き?」
のどか「私は戸田ジュンかな~。いつも明るいし、場を和ませてくれる。おバカなキャラだと思われがちだけど、環境問題にくわしくて、実は勉強家なのも好感がもてるな~。」
ちゆ 「私は佐藤麗華が好きだわ。あれだけ個性がバラバラのグループをまとめているのは大したものだわ。彼女、けっこうしっかりしてるわ」
ひなた「あたしは丸山あかねかな~」
のどか「えー、意外!」
ひなた「ほら、あたしってばおっちょこちょいで、慌て者だって、みんなから言われるんだ~。だから、あかねぇみたいに落ち着いた人に憧れてるんだ」


 夜も更けて、いつの間にか3人とも眠りについていた。
ひなた(……ん……)
 ひなたは、ふと目を覚ました。月の明かりが部屋を照らしていた。ベランダに誰かいるようだった。
ひなた(あ……のどかっち……)
 花寺のどかはベランダの手すりに手をかけて、月を見ていた。のどかの短い髪は風で静かにゆれていた。
 
 ひなたはのどかの傍に近寄った。
ひなた「のどかっち、眠れないの?」
のどか「あ、ひなたちゃん、ごめん、起こしちゃった?」
ひなた「ううん、なんとなく目が覚めただけ」
のどか「そうなんだ」
 のどかは目を月にもどした。
ひなた「お月様、見るの好きなの?」
のどか「うん。……私、ついこの間まで起き上がれないくらいの病気だったから、病院のベッドでよく月を見てたんだ。今はこうして起き上がって月が見れるから、楽しいんだ」
ひなた「まん丸のお月様だね。満月かな?」
のどか「ううん、違うよ、ひなたちゃん。今日は十六夜だよ。昨日が満月だったから…」
ひなた「のどかっち、詳しんだー」
のどか「そんなことないよ」

 のどかの顔は月で照らされて、輝いているように見えた。彼女の肌はいつもより白くまぶしくみえた。
ひなた(のどかっち、キレ~)
 ひなたはぎゅっと拳をにぎりしめた。彼女の頬は赤く染まっていた。
ひなた「のどかっち、あの時の返事だけど……!」
のどか「え、あの時って?」
ひなた「ほら、一緒にゆめぽーと行ったとき、のどかっち『スパークルが好き』っていってくれたじゃん!」
のどか「あ? ああ、あの時……(告白だと思われてたんだ~)」
 のどかは顔を赤らめた。
ひなた「あたし、うれしかったんだ。のどかっちに好きだって言ってもらえて! あたし、物覚え悪いし、おっちょこちょいだから、あんまり人から好きって言ってもらえたことないんだ」
のどか「ひなたちゃん……」
 ひなたはのどかを抱きしめた。
ひなた「あ……あたしも、のどかっちのこと好きだよ!」
のどか「ひなたちゃん……。うん、私も好きだよ」
ひなた「ありがと、のどかっちー。あたしなんかのこと好きになってくれて~」
のどか「ひなたちゃんはすごいよ!」
ひなた「え?」
のどか「ひなたちゃんは優しくて、責任感強くて、守りたいと思ったら、すぐ行動できる。なかなかできないことだよ。それにファッションセンスもあるし……」
ひなた「のどかっち……」
 のどかはひなたの体に腕をまわし、抱きしめた。
のどか「そんなひなたちゃん、私、大好きだよ。これからも一緒にいてね」
ひなた「うん。ちゆちーには内緒だね」



―終わり―
フィードバックを送る
;