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source : 週刊文春 2020年7月2日号

genre : ニュース, 政治, 社会, 国際

当時の防衛大臣および関係者を取材すると……

 当時、防衛大臣だった岩屋毅氏、同副大臣だった原田憲治氏、同政務官だった山田宏氏と鈴木貴子氏は、取材に次のように語った。

「担当者の出張は大臣まで報告はなく、内容は承知していない」(岩屋氏)

「そんなのは全然見たことはないし、訪問していたことも聞いていない。ただ、最近になってレイセオンの関係者から、射撃管制能力が(SSRには)ない、と耳にした」(原田氏)

「聞いたことがない。イージス・アショアは決定事項で、レーダーに関して疑問を持たれるような話は一切聞いていない」(山田氏)

「(射撃管制能力の話は)聞いたことがない。報告の存在も知らない」(鈴木氏)

安倍首相 ©共同通信社

 防衛装備庁の広報・渉外班に尋ねると書面で以下のように答えた。

「職員が同日、同所のロッキード・マーチン社を訪問したのは事実であり、帰国後、当該出張報告書を作成しています。その内容に係ることについては、企業の情報でありお答えできません」

 一方、当時、防衛装備品取得の最高責任者である防衛装備庁長官だった深山延暁氏は、小誌の取材にこう証言した。

――ロッキード社のレーダーに射撃管制能力がない、ということが分かり、報告したと。

「射撃管制能力がないって? それは理解に苦しむ。というか、そんなことがあれば契約不履行。SSRの採用を決めたときは、今はまだ開発中だけど新しいシステムだから(今後きちんとできる)ということで決めた。私は去年の7月に辞めているが、そんな話は聞いたことがない。もしそうなら、そんなのは(単なる)レーダーじゃないか。イージスは探知と管制能力が一体でないといけない」

 トランプ大統領の要望を受けて、総額4500億円と言われるイージス・アショアの導入に踏み切った安倍政権。それが、本当に日本の国防に資するものだったのか。配備計画中止の本当の理由は、発表された「ブースターの落下問題」だったのか。今後、説明が求められることになりそうだ。

トランプ大統領に肩を抱かれる安倍首相 ©共同通信社

 6月25日(木)発売の「週刊文春」では、ポスト安倍を狙う河野防衛相の突然の発表を巡る混乱、安倍官邸の思惑、イージス・アショアのレーダーの性能に疑問を呈する質問主意書に安倍政権はどう回答していたのか、また1時間にわたって取材に応じた深山前防衛装備庁長官との一問一答や、レーダー選定の「闇」を明かすディープスロートの詳細な証言を6ページにわたって報じている。

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