名古屋市営地下鉄の6月の利用者数が1日あたり約74万人(速報値)となり、5月の1.8倍に増えたことが市交通局への取材で分かった。前年同時期の7割にとどまるが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府の緊急事態宣言が出る前の3月(約76万人)と同水準に回復した。
市交通局によると、1日あたりの利用者数は4月が約48万人で前年比57%減、5月が約41万人で同62%減に落ち込んだ。新型コロナの感染拡大で在宅勤務や休校が広がったことが影響した。
緊急事態宣言の解除を受け、愛知県立高校などは6月1日に通常授業を再開した。オフィスに出勤する人も増えつつあり、6月1~10日は前年比32%減の約74万人となった。住宅街と繁華街や官庁街を結ぶ東山線や名城線などに乗客が戻っているとみられる。
市交通局は「通勤や通学の乗客が増え、少しずつ従来の水準に近づいている」とみる。感染拡大の「第2波」を防ぐため、マスク着用を求めているほか、換気を徹底するため車両の窓を開けて運行している。