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2020年05月16日
政治・経済・社会・心理学その他

新型コロナとPCR検査

連日報道されてます新型コロナウイルスの感染者数と回復者数について、この新規感染者数の数値自体に、我々人間の生活がとても左右されております。

緊急事態宣言の解除条件として「10万人で0.5人以下」という基準が先日公表されましたが、そもそもこういった数字の分母はなぜ公表されないのでしょうか。

 

単純に、「何人が新しく感染したか」より、

「感染して重篤化した数」と「死亡者数」

が重要な気もしますが、実際、感染しても気づいてない方や、咳やくしゃみで治る人もたくさんいらっしゃいます。

その方々が外に出回ることで、

お年寄りや基礎疾患をお持ちの方に移す

これが問題なのでしょう。

先日20代のお相撲さんが亡くなりましたが、糖尿病をお持ちの方でした。

それ以外で、30代以下の死亡者はゼロです。

40代以上、50代以上の方でも数%程度。

少なくとも経済を止めるようなリスクではないはずです。

とは言え「未知のウイルスで治療薬がまだ無い」ということもありますので、一定の予防は必要でしょうが、政府が発表する緊急事態宣言の基準は、感染者数が大きく関係してるようなので、今日はその根拠となっているPCR検査について、解説したいと思います。

これについては朧げに不思議に感じてらっしゃる方も多いかと思いますので、出来るだけカンタンに、かつ、頭の中がスッキリ‼︎となるよう説明したいと思いますので、是非お付き合いください。

PCR検査とは

PCRとは、Polymerase Chain Reactionの頭文字。

日本語に訳すと核酸合成酵素連鎖反応。要は遺伝子を増幅させることです。

PCR検査とは、

鼻や喉の粘膜から採取した細胞液の中に、新型コロナウイルスだけが持つ遺伝子が存在しているかどうかについて、PCRの技術によってその遺伝子を増幅させて検知する方法

です。

でもこれ、決定的な欠陥がありまして、鼻や喉からうまく採取できなかったり、感染したばかりでウイルスが十分に無い、もしくは、そもそも鼻や喉にウイルスがたまたま付着してなかったりした場合は、検知されないんです><

そんなバカなと言いたくなりますが_(・_・;; 実際この検査方法自体がその程度のもの、という認識で良いと思います。

ただ、新型コロナに関しては、この検査方法で「陽性」と出れば「感染者数」にカウントされ隔離されますし、「陰性」と出れば、解放されます。

実際は先ほどのようなエラーがありますので、一般的にはPCR検査による感度は

30〜70%

特異度は

99%以上

推定されています。

ここで、感度特異度とは何でしょうか。

感度と特異度とは

感度とは、

新型コロナウイルスに感染してる人に検査をして、実際に「陽性」と出る割合

のことです

特異度とは、

新型コロナウイルスに感染していない人に検査をして、実際に「陰性」と出る割合

例えば、感染者100人に検査をして、感度が70%の場合、

陽性と出る→70人

陰性と出る→30人

感染してても30人は陰性と出る=偽陰性

つまり、感度が低ければ偽陰性が多く出るということになります。

特異度が99%ということは、非感染者100人に検査をして、

陽性と出る→1人

陰性と出る→99人

感染していない人でも1人は陽性と出る=偽陽性

この新型コロナの特異度は99%以上ですので、感染していない人はほぼ100%に近い確率で、ちゃんと陰性と出るということになります。

新型コロナウイルスのPCR検査の特徴として、

◆偽陰性が多く、偽陽性が出にくい

まずは↑これを押さえておきましょう。

数値に当てはめてみる

この特徴がとても大切なのですが、検体の母数が増えれば増えるほど、偽陰性が多くなることになります。

例えば

感度 70%

特異度 99%

有病率 10%

検体数が10000人中とすると、1000人が感染していることになるので、

1000×70%=700人 →陽性と判定

1000×30%=300人 →陰性と判定(実際は感染している=偽陰性)

偽陰性者数は300人

 

特異度は99%なので、感染していない9000人のうち、

9000×99%=8910人 →陰性と判定

9000×1%=90人 →陽性と判定(実際は感染していない=偽陽性)

当たり前ですが、元の検体数が倍になれば、偽陰性者数、偽陽性者数もそれぞれ倍になります。

これを上の図に当てはめてみますと、

実際の感度と特異度は!?

この表に出てる数字を全部足すと、検体数の10000人になります。

検体数を増やした場合、偽陽性も偽陰性も増えます。

まず、偽陽性が増えた場合、割合的には少ないのですが、検査で「陽性」と出てる以上、病院や自宅で監禁されるでしょう。

自宅ならまだしも、病院であった場合、

本当は感染してないのに、病院で感染する

ことが考えられます。また、数が増えれば、当然ベッド数の問題(医療崩壊)も出てきます。本来、必要な患者に必要な処理ができなくなる恐れも増すのです。

次に偽陰性ですが、この方々は、検査で「陰性」と出ているので、堂々と街に出て今います。マスクや手洗いも疎かになるかもしれません。

つまり、バラまく結果となり、これがクラスター(集団発生)の原因となるのです。

検体数を増やせば増やすほど危険という根拠は、これです。

感度70% 特異度99%という数値は、当初は陰性だったが後から陽性になった場合、またはその逆で、陽性と判定されたが、後日陰性となった場合などが起こりうるため、データを取っていかないと正確な数値に近づきません。

またウイルスは変性などの特徴もありますので、数値にバラつきがあったのですが、最新の5/12付の神奈川県医師会からのお知らせでも、

感度70% 特異度99%(以上)

となっていました。

ただ、今後変わるかもしれないこともあるので、念のためお断りしておきます。

適合度とは

上の表で、「陽性」と判定された人のうち、実際に疾患があった人の割合のことを適合度といいます。

逆に「陽性」と判定されても疾患のない方もいるとなれば、この適合度というのは別の言い方をすれば

「陽性判定の信頼度」

とも言えます。

もちろん高いに越したことはないのですが、厄介な問題があります。

それは、

有病率が異なれば、適合度も異なってくる

のです。

表で見ると一発で分かります。

適合度と有病率の関係性

先ほどの有病率10%の場合だと、

「陽性」と出た人のうち、実際に疾患があった人

の割合は、88.6%です。(700/700+90)

ところが、有病率が下がって5%の場合だと、77.6%と、10%も下がってしまうのです。

有病率とは

有病率=有病者数/母集団

です。

適合度は、

「陽性判定の信頼度」

でした。

つまり、

母数に対する有病者の数が少ないほど信頼性が下がる

のです。

ということは、感度と特異度が一定であれば、

感染者数が減れば減るほど、間違った「陽性」の判定が出やすくなる

のです。

新型コロナとPCR検査の関係

結局はPCR検査の信頼性の問題に行き着くのですが、知っておくべき特徴としては、

◆PCR検査は感度が低い

◆検査数を増やせば、偽陰性・偽陽性が増え、知らない間に拡散されてしまう

◆検査の信頼度は感染者数によって変わる

大きくはこの3つでしょう。

これらを踏まえた解決策として、まずは、

①むやみやたらと検査を受けない

これまで述べたように、偽陰性も偽陽性も出てしまうので、健康な方はなるだけ検査を控え、実際に症状が出てる方が多く、検査を受けられる体制を取れるよう、社会的なサポートが必要です。

②他の検査方法を合わせ技

例えば、PCRとは逆に「感度が高く、特異度が低い」ような検査方法があれば、両方やると精度が上がります。

ただ、闇雲に検査数ばかり増やしてると、検査中に感染するという厄介な問題があるのもこのコロナの特徴です。

さすがに政府も「感染者数を恣意的に減らす」ようなことはしてないと思いますが、減らしたら減らしたで信頼性も落ち、増やしたら増やしたで偽陰性・偽陽性も増える、それが、この新型コロナとPCR検査の関係なのです。

最後に

このところ、まるで展開の読みやすい映画でも観てるかのように急激に減った感染者数が、どうしても気になってしょうがないのですが、いかがでしょうか。

まるでウイルスが、口を揃えて

「そろそろ勘弁してやるかー」

とでも思ったかのように、GW終盤から回復者数も急増。

新規感染者数も急減したため、39都道府県で緩和、という流れになりました。

そして

まだまだ油断は禁物!」

と、また次があるかのようにマスコミが必死に匂わせてくるあたりが、

「GDPのかさ上げ」や「財政破綻の大嘘」

と、どうしても被ってしまうんです。

 

”マクロで空気”が作られてしまえばそれに従うしかない立場の国民としては、

”ミクロの地域”で支え合っていくしかなさそうですけどね。

この記事を書いた人
薙野 秀貴 ナギノ ヒデキ
薙野 秀貴
お釈迦様の有名なエピソードですが、ある日弟子が「良き友を得ることが聖なる道の半ばだと思えるのですが?」と訪ねたのに対し、お釈迦様は「道半ばではない、聖なる道の全てだ」と答えたそうです。ここで言う「良き友」とは、人生上で起こる様々な苦しみや悩みから解放してくれ、同時に学びや喜びを共感してくれ幸せを気づかせてくれる存在です。それは時に上司だったり部下だったり、先生だったり師匠だったり、旦那さんや奥さんであったりするかもしれません。それをお釈迦様は人生で最も尊重しうる「友」としたのですね。 インターネットやSNSの浸透で、より早く、より膨大な量の情報、そして人へのアクセスが可能になりました。 その中から種々選択する毎日に追われ、現代は、情報化社会から選択社会になったかのように感じてしまいます。 令和が始まったそんな時代、我々も不動産という仕事を通じて、皆様にとっての「良き友」に少しでも近づくことができるよう、努力して参りたいと思っております。
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