[横浜市 24日 ロイター] - 日産自動車(7201.T)の星野朝子副社長は24日、日本の新車全体の需要について、新型コロナウイルス感染拡大の影響で4―5月は大きく落ち込んだが、「今は急速に戻ってきている。この状況が続けば、ここから先はもともと計画していた需要に戻ってくるのではないか」との見方を示し、市場の回復に期待を寄せた。星野氏は同日の新型コンパクトSUV(スポーツ多目的車)「キックス」発表会で述べた。
星野氏は、新型コロナが落ち着いたら、「皆さんに何をしたいかを聞くと、『家族と日帰りでもいいからドライブして出かけたい』、『アウトドアを楽しみたい』という声がすごく多い」と説明。こうした顧客ニーズもあることから、第2波リスクは懸念されるものの、急回復中にある国内新車需要は今後、コロナ発生前に計画していた水準へと回復していくのでは、とみている。
日産は、発売からの年月を指す「車齢」の高い車が多く、経営の混乱によるイメージ悪化も重なり販売不振が続き、コロナの影響も追い打ちをかけている。星野氏は、新型キックスは「日本市場において10年ぶりのブランニューモデル」と指摘、「主力の車になる」と強調した。
キックスは世界戦略車の1つで、海外ではすでに販売。日本では6月30日に発売し、これから予約を始める。日本仕様として電動パワートレイン「e―POWER」や運転支援技術などを搭載した。小型SUV市場には、ホンダ(7267.T)「ヴェゼル」やトヨタ自動車(7203.T)「C―HR」などの競合車も多く、競争激化が見込まれる。
白木真紀