リリックを送り合うときはいまだにドキドキしちゃう。“らしさ”を失わないワケ:chelmico interview

ついには『Mステ』出演を果たすなど、二人の存在感が“お茶の間”にまで浸透しはじめた。RachelとMamikoからなるガールズラップユニットchelmicoは観る者に元気を与えてくれる。

by Hiroyoshi Tomite
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05 June 2020, 3:21am

NHK総合テレビアニメ『映像研には手を出すな!』主題歌や、AppleのCMを筆頭にいくつものタイアップ曲としてテレビからじゃんじゃんラップが聴こえてくる。i-D Japanには3年前から誌面に登場するなど、彼女たちを取り上げてきた。冒頭にあるように2人を取り巻く環境は、ここ数年で大きな変貌を遂げ、親友同士からはじまったラップユニットが、笑顔を見せながらメジャーシーンを鮮やかに乗りこなしてみせる様子は痛快そのもの。

コロナ影響下でステイホームを余儀なくされて、早数カ月。そんななか2人のお家とつないだ今回のSkype取材。インタビュー中も時折夕日が綺麗だからと夕日を眺めたり、相変わらず自由に話は様々な方向に派生していった。けれども以前より力みのない雰囲気でケタケタと明るい笑い声をあげながら、今の心境を素直に話してくれた。そうか、こんな塞ぎこんでしまいそうな時こそブレないchelmicoの存在は必要なのだ。

—— お久しぶりです〜。元気にしてましたか?

Mamiko(以下、M):元気元気〜。あれ、Rachelがまだきてないや。

Rachel(以下、R):(少し遅れて)どーもー。

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—— それじゃあ、早速取材を! メジャーレーベルに移籍して2枚のアルバムをリリースするなかで、躍進を遂げたと思います。自分たちの存在がオーバーグラウンドになるにつれてchelmicoとしての活動スタンスに変化は生まれました?

R:うーん、基本はそこまで変わってないかな。ライブも曲作りも以前と同じメンバーで制作のやり方も変わってないですし。

M:部分的なことを言えば、少し変わったかもしれない。例えばどういう曲を作るかにしても、前は自分たちが楽しいやり方を一番に考えていたけど、最近はどうやったらみんながもっと楽しんでくれるのかを考えられるようになったり。

—— それはどうして?

M:HIP-HOPを聴かないファンにもchelmicoの音楽を届けたいからかな。きっかけとして爽健美茶のCMでラップしたことで、10代の女子たちも聴くようになって。そういう子たちが楽しんでくれるためには、どんなラップがいいだろうって考えたり。

R:ほら、私たちって「地元・仲間・メーン?」って感じではないので。

——(笑)。

R:chelmicoを聴いてくれてる人たちは、きっと私たちにあんま嘘つかないこととか、肩肘張らない感じを求めてくれてると思うので。それはそのまま伸ばしていったらいいんだろうなって。

—— 自分たちを曲げないように、守ってきた。

M:そうそう。chelmicoが無理に変わったら、みんなきっとびっくりしちゃうだろうし、それはうちらも嫌だから。

R:でもこのまま自分たちが楽しくいるためには、みんなに伝わりやすいものを作る必要があるし、そういう面では変わったよねぇ。マインド的にも。

M:そうだね。前よりもいろんな人の意見を取り入れられるようになって、頑固じゃなくなってきた部分はあるかも。

R:例えばライブパフォーマンスを客観的に見て、課題があったら直すようにしたり。

M:でも今も昔も格好つけることができないから、それは変わらずかなぁ。ちょっとだけ恥ずかしい気持ちを持ったままずっといる感じ。「まだ照れくさいやぁ」って。

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——ファン層の変化に目に見えて気づいたのはいつ頃ですか?

R:「Balloon」を出した頃かな。所属レーベルの方がどういったリスナーがいるのか教えてくれるんですよ。だから客観的にこういう人たちが聴いてくれてるんだなぁって分かるようになって。

M:その頃からライブにも年下の女の子たちが増えたしね。

R:やっぱり恋歌は強い!

——(笑)。

R:あとはYouTubeだと海外の人がコメント欄で英語で反応してくれてるのも嬉しいな。私たちの歌は日本語だけど、雰囲気とかフローの気持ち良さを感じてくれている人がいるんだなぁって。

—— リリックを書くときも何か発信するときも「これは自分たちっぽいよね」、とか「これはらしくないよね」といった話はするんですか?

M:めっちゃするよね。

R:するする。ラジオもそうだけど、歌詞の内容も嘘っぽかったり、背伸びした言葉を使わないように気をつけてます。

—— 言葉ってその人らしさにつながりますもんね。

M:うんうん。

R:だから意外と気をつけてるところかも。

—— 普段ヴァースの順番はどう決めているんですか?

R:曲によって様々かな。アップテンポな曲は私のパキパキしたラップを先にして、しっとりした曲は滑らかに入りたいからマミちゃんに先にしてもらうとかが多いのかな。

M:「先にリリックを書き終えちゃったから歌い出しで使わせて」って時もあるし、様々だよね。

—— 会えてない期間に相手のリリックを見て、話してない心境を知ったりすることはありますか?

M:でもなぁ、ラップする前にほとんどお互い話しているから、知ってるんだよね。

R:悲しいリリックを書いてきたら、『悲しい気分って確かに言ってたもんなぁ』って。

—— リリックを送り合うことはもう慣れました?

R:未だにリリックを送るのは恥ずかしいです。まずテキストでLINEのグループに送るんですけど、全然既読がつかないと。「早く読んでよぉ!」ってソワソワしちゃう。

M:ははは!

R:不安な気持ちもあるんですよ。このリリックで果たして本当にいいのかなって。それでマミちゃんのお墨付きもらえると、「よかったよかった。これでいこう!」って思えるので。早く見てほしくて、ソワソワしてる。既読が全然つかないときとか返事が遅いときは、「みた? こういうところ直したいんだけど」とか、一人で喋る(笑)。「あとで直そうと思うんだけど〜」って言い訳がましく送ってますね。でも、それをマミちゃんはわかってくれている。

M:私もまだ照れちゃう部分あるからね。

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—— 文通みたいですね。

M:そうかもしれない。

R:やっぱりドキドキしちゃうもんねえ。

—— ライブができなくなった今だけど、聴いてくれる人達の反応によって気付かされることってあったりしますか?

R:最近ファンコミュニティを立ち上げたんです。そこでファンの人たちが掲示板にいろんなスレッドを立てて話しているので、たまに覗いてみるんですよ。例えば“好きな歌詞あげてくスレッド”でみんなのお気に入りの歌詞をみると、「へぇ、こういうところが受けているんだ!」とか発見があります。

M:意外とコアなファンにはアゲアゲじゃないしっとりした曲が人気なんだと気付いたり。他にも今Instagramでファンのタグ付け投稿から感想がダイレクトに伝わってくるので、みんなの反応に元気をもらってる自分がいます。昔は距離が近すぎてちょっとびっくりしてたんだけど、今はそれに「ありがとー!」って素直に言える。

—— そういう反応も次の創作する上でインスピレーションになりますか?

M:どうなんだろう。変わらなくていいんだぁって感じ?

R:そうだね。バランス丁度いい感じねって。でもゆっくりした曲を作るのも結構好きだから、『もうちょっと作っちゃおう』という感じですかね。

—— 最後にこれからのchelmicoの野望は?

R:ラジオ復活! 今YouTubeで好き勝手にやってるけど、改めてラジオっていう場所で自分たちの好きな曲をかけてさ、絶対楽しいよ。

M:私は主催ライブがしたいかな。野外の大きな夏フェスを主催で。私たちはトップバッターでちょっとやって、観たいアーティストを呼んで、観る。

R:じゃあ、タイムテーブルは全部回れるやつにしようよ。

M:それ、絶対やろ。

R:そうしよ、そうしよ。

—— 最後に、自粛中に読んでた聴いてた本や音楽を紹介してもらえる?

今なに読んでる?

Rachel:いしいしんじ『いしいしんじのごはん日記』、川上未映子『そら頭はでかいです、世界がすこんと入ります』、猪木正道『共産主義の系譜』

「今ちょうど隣にあったのはこの3冊。生活の日記が書かれているいしいしんじさんの言葉になんか泣きそうになっちゃう。川上未映子さんは小説が好きで、エッセイも読んでみたくて買いました。関西弁のフロウが気持ちいい。共産主義の本は、イメージで共産主義が怖いって思っていたけど、なんでそう思うのか気になって買ってみた。けれど難しくて、挑戦しながら読んでる感じ」

Mamiko:穂村弘『あの人に会いに』

「高校生の頃、めちゃくちゃ根暗だったから、穂村弘に助けられたんです。それで穂村弘が助けられた人ってなんなんだろうって。それで読んでる。ルーツのルーツが気になって」

今音楽なに聴いてる?

Rachel:The Beatles「Yellow Submarine」、Fiona Apple「Fetch the Bolt Cutters」

「基本新譜をディグるのが好きなんだけど、無理しないで素直に聴きたい音楽を聴こうと最近意識していて。鼻歌してたのがThe BeatlesのYellow Submarine。Fiona Appleのアルバムは上半期にしてもう私的今年No.1。今のムードにFionaの感じが合うんだよね」

Mamiko:Hanne Hukkelberg「Birthmark」

「中学生の行き帰りによく聴いてたコンピレーションアルバムでお気に入りだったアーティスト。最近ふと気になって聴いて、新譜を調べたらそれもまためちゃくちゃよくてハマってる。楽器の録り方はチープなんだけど、ボーカルだけ異様に音良くて、そのバランスがかっこいい」

今欲している生活は?

Rachel:私は映画館に行きたいかな。昼過ぎに映画館行って、夕方魚屋さんに寄ってお魚買って帰る。焼いて、そして食う。

Mamiko:確かに、とりあえず七輪買いたいかも。家でキャンプ気分味わえるし。ってかキャンプしたい。広いところいきたいよね。山か海。今は外に気軽に行けない分、ロッキングチェアを買ったり、ベランダ周りを強化して家を強化して部屋を充実させてるよ。

〈2020年 chelmico出演情報

TBSラジオ主催 夏の魔物2020 in TOKYO
2020年‪‪8月30日‬(日)‬
エスフォルタアリーナ八王子
開場08:00 開演09:00(予定)
http://natsunomamono.com/

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SUPERSONIC
9月19日(土) 大阪・舞洲SONIC PARK@舞洲スポーツアイランド(chelmicoの出演日)
9月21日(月祝) 東京@ZOZOマリンスタジアム&幕張海浜公園(chelmicoの出演日)
https://supersonic2020.com

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Official site: http://chelmico.com/
Official Instagram: @chelmico
Rachel: @ohayoumadayarou
Mamiko : @______mmk______


Photograph by Rachel and Mamiko, Courtesy of the artist.
Interview and Text: Hiroyoshi Tomite

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そのDJに気をつけろ: ペギー・グー interview

数多の音楽フェスから引っ張りだこのDJ・プロデューサーのペギー・グー。2018年1月にリリースした「It makes you forget(itgehane)」は、言語の壁を越えた心地よいサウンドで世界中に彼女の名を轟かせた。DJという道を選んだ理由や「韓国人DJ」「女性DJ」と呼ばれることについて、本人に話をきいた。

by YOSHIKO KURATA; photos by Yoko Kusano
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08 January 2020, 2:47am

彼女にとってDJはやっと見つけた天職なのかもしれない。ペギー・グー(Peggy Gou)と20分も話しているとそう思えてくる。14歳で母国・韓国を離れ、ファッションの勉強をしに渡英。スタイリストやエディターへの興味を持ちつつもぼんやりしていた毎日に雷を落としたのは、音楽との出会いだった。「24時間眠らずに毎日やりたい!って強く引き寄せられるものを感じた。もちろんファッションも興味があったけど、DJやプロダクションを勉強するようになって、やっと心の底から目覚めたと思えたの。それで毎日スタジオに通いつめるようになって、案の定、単位は落としたんだけど。ロンドンにいる理由なんてないと思って、すぐベルリンに拠点を移した。最初は友達も全然いなかったし、レコードショップで働く毎日になぜここにいるんだろうって悩んだ時期もあった。だけど、いまとなっては、ベルリンは私の夢を叶えるのに本当にたくさんのことを教えてくれた最高の場所だと思ってる」

以前のインタビューでは、幼少期に歌手を目指していたと話しているが、その夢もあえなく、大勢の観客を目の前に号泣するという挫折体験と共に終わったという。それから10年以上経った2018年にリリースした「It makes you forget(itgehane)」が世界中にPeggy Gouの名前を広めるきっかけとなった。聴く者の耳に心地よく入る韓国語のリリックは、親友であるmaktoopが担当している。言語の壁を越えて曲をつくることについて訊いた。「最初は自分の歌唱力にも、韓国語を聴くリスナーの反応も不安だった。だけど、みんな歌詞を理解しなくとも好きになってくれたみたい。音楽は言語を理解するかどうかじゃない、愛と同じで言葉では説明できないけど内側で感じるものなんだって気づかされた。たとえばインドでこの曲をかけると、みんなあやふやだけど歌い始めてくれる」

彼女が飛躍していくなかで、プロフィールには必ず「女性DJ」「韓国人DJ」という言葉も付いてくるようになった。一方で本人は、以前ボイラールームでの公開インタビューで「女性のDJ」と呼ばれることを好まないと明言している。「なんで「女性」と「男性」を分ける必要があるの?っていつも思う。私は何に対しても男性ができることなら、女性もできると信じている。女性だからって特別扱いは無用。私生活でもボーイフレンドに奢られたくないし、依存せずに平等な関係でいたいと思ってる。それにいつでもボスでいたいしね(笑)」。この圧倒的なパワフルさを支えているのが、彼女のInstagramにも度々登場する母(通称:グー・ママ)だ。娘として、ひとりのDJとして成長を見守ってくれている母について彼女は「親友みたいな存在」と語る。「なにか問題が起きたときには、決して私の責任でなかったとしても、私の間違いを指摘してくれる。ロンドン時代はあれこれ心配したり教育として厳しくされたけど、今ではいちばんのサポーターでありファンね。彼女の趣味は私の名前をググること。最近Instagramも始めたんだけど、唯一フォローしてるのがわたし! だから時々、もうやめてよっていうくらい彼女から通知が来るの(笑)」

ペギーに夏のスケジュールを訊いてみると、8月は8日間連続でそれぞれ違う都市で(なかには同日移動で2本出演もある)プレイという過密っぷり。底をつくことを知らないそのバイタリティはどこから溢れ出るのだろうか? 「元々、外に出て人に会うのが好きだったから、生まれつきこういう性格なんだと思う。仕事がなくても自分で予定をつくっちゃう。親友からは”エナジー・ヴァンパイア”って呼ばれてる。オーディエンスからエネルギーをもらってる感覚ね。友達は1時間会うだけでもめちゃくちゃ疲れてるけど(笑)」

彼女の魅力は、音楽と隔たりなくファッションを楽しむ姿にもある。ヴァージル・アブローが手がけた初となるLouis Vuittonのショーでは、「Dazed&Confused」のInstagramをジャックしてガイド役に。つい先日、SSENSEとのコラボレーションも果たした。しかし、かつてはその“奇抜”なファッションのために「あいつは音楽に真面目じゃない」と揶揄されたこともあったそうだ。そのため本来の自分を封じて、白Tシャツとパンツというシンプルスタイルでプレイをしていたという。アジア人や女性であることに悩んだ時期もあった。しかし、それも遠い過去の話だ。「やっぱり好きなことでハッピーでいたいと思った。ファッションが好きなことも、アジア人、女性であることも前はコンプレックスだったけど、いまは私の個性だと思ってるし、それが自信になってる。何があっても、いまはすべてプラスに働いてる」

「DJという仕事を選んだかぎり、リスクを自分で取りにいかなきゃいけないときもある。急に不安になるときもあるから自分のモチベーションを維持する方法をトレーニングしてるところ。でも、なにか壁に突き当たったとしても、必ずその向こう側にいけるって考えてる。最終的に、すべてが私の選択肢になる。なかなか一筋縄でいかないことを知りながら、この仕事を選んだのも私の選択だしね」。そう、ペギーは自身の選択によってその地位を築いた。そのことは、ただそれだけで私たちを勇気づけてくれる。「私もみんなと同じ人間だし、私ができることはあなたにもできる。まるで私が特別かのようには言いたくないし、一生懸命努力すれば誰でも勝ち取れる。それだけよ」

この記事は『i-D Japan No.6』フィメール・ゲイズ号から転載しました。

Credit


PHOTOGRAPHY YOKO KUSANO
TEXT YOSHIKO KURATA
PEGGY WEARS ALL CLOTHING MODEL’S OWN

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Music
dj
peggy gou
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「うちらってユニーク」「異端を王道にする人が好き」kemio、ちゃんみな、Tohjiらが語る ワイルドチャイルド一問一答

Kemio、ちゃんみな、Tohji、佐藤 緋美、Meirin (ZOMBIE-CHANG)、服部恭平。道なき道をマイペースに歩む姿が同世代の支持を集める現代の“ワイルド・チャイルド”たち。彼らの人生におけるターニングポイントや表現することの喜びとは?

by i-D Japan; photos by Shuya Aoki
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14 February 2020, 7:45am

Supported by New Balance.

1906年にボストンで誕生して以来、114年にわたり、独自の価値観と信念を貫いてきた〈ニューバランス〉。ブランドが掲げる #FearlesslyIndependent は、切磋琢磨に生きる私たちに自身の道を貫く勇気を与えてくれる。ブランドの象徴である「N」ロゴを外し、刷新された存在であるシティユースなコレクション〈850〉は、個性豊かな現代のワイルド・チャイルドらに寄り添いながら足元を照らしていく。

いまや世界的ユーチューバーのKemio、高校生からラッパー/シンガーとして活躍するちゃんみな、多彩な表現を持つ俳優としての道を進む佐藤緋美、多様なカルチャーをバックボーンに持つラッパーのTohji。作詞・作曲を全て一人で手掛けるトラックメイカーMeirin(ZOMBIE-CHANG)。モデルにフォトグラファーと二足のわらじで多面的にファッションを切り取る服部恭平。

この6人のワイルド・チャイルドが、人生のターニングポイントや表現することの喜び、インスピレーション源をそれぞれの言葉で語った。

彼らから届いた言葉は、114年という歴史を今尚引率者として継続している〈ニューバランス〉というブランドそのものや〈850〉コレクションを体現するかのように、個々の価値観と直観力を信じることによって「道」がハイライトされるという魔法を誰もが持っているということを伝えてくれるかのようだ。

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kemio

何をしてる人?
YouTuber。

ターニングポイントは?
3年前のアメリカに引っ越したこと。

なぜ、アメリカに?
理由はいくつかあったけど、一番は高校を卒業して自分がいかに知識がないかって気づいて、頭の中が空っぽでどうしようかと思ったんだよね。それで人と違う経験をしてそれを自分の口で自分の方法で何かを発信できるようになりたいって思って。

5年前の自分と比べたら?
自信が付いたってことかな。自分の立てた目標を達成すればするほど、やったぜって自信がどんどんチャージされていく。

夢や目標はどうやって達成する?
口に出す事だと思う。やっぱり言葉には魂ってあるし、言葉に出す事でその夢はどんどん近づいていくと思う。だからみんなも口に出しな。

ケミオだから伝えられることは?
自分の自信のなさを数えるだけでコンプレックスの箱がパンパンになっちゃうくらい。でも、十人いたら十人それぞれ容姿も考え方も違う、うちらってユニークだなって思う。それをどんどん発信していきたい。

リラックスできる時は?
最近は飛行機移動が多くてネットも使えないから考え事がササッと整ったりする。

既成概念にとらわれずにいるためには何が必要だと思う?
その知識をダウンロードしないというか。学生時代にまじで勉強サボってきたのね。でも自分はこれがやりたい、あれがやりたいってその方向ばっかりしか見えてなくて結構はっきりしてたの。

五年前のうちにアドバイスをぶち投げるとしたら?
あんたの選んだ道は正しかったから「100点満点」って言いたい。

最近一番嬉しかったこと!
うち、ずっと渋谷にある〈109〉のでっかい看板に自分の顔面ぶち貼られたくね?ってずっと思ってたの。そしたらなんと2019年11月に叶ったの。やばくない?

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ちゃんみな

何をしてる人?
ラッパー/シンガー。

アーティストになったきっかけは?
歌って踊れる歌手になりたいと思ったとき。気がついたら学生の時に歌詞書いて音を作って、気づいたらすべてが起きてた。

座右の銘のPAIN IS BEAUTYについて?
日本語だと「全ての痛みは美しい」って意味、昔はその言葉が嫌いだった。でもある時に、地獄と天国はセットなんだって気づいて。この天国を見るための地獄だったんだと。いま幸せなのはあの時こんだけ辛かったからなんだと。それって美しいなって二十歳くらいのときに思って。

インスピレーションの源は?
出来事、人間関係とか。何かが起った時、愛する人と喋った時の感覚とか、憎い人を思った時の感覚、そこから出てきた言葉とか。

アーティストとして表現する喜びは?
アウトプットができた瞬間。インプットしてるときって私にとってものすごく辛くて苦しいこと。自分を通して分解している間は気分が悪くて。アウトプットできたら自分の感情も何もかもすごくスッキリする。これだってなる瞬間。

ターニングポイントは?
高校生ラップ選手権。でも参加したことじゃなくて、参加しようと思ったこと。それが私のターニングポイント。

誰に一番聞いてもらいたい?
音楽を作る時は誰かへの手紙みたいに書いていて、すごく狭いピンポイントな誰かに向けて作ってる。基本的には自分の気持ちだけど、同じような経験をしている人たちってたくさんいると思うからそういう人達に聞いてもらうことができたら幸せ。

エンターテイメントとはなに?
暗い言葉で言うと、人間の感情の残骸。明るく言ったら、カタチに残らない夢みたいなもの。

自分の持つ強さとは?
絶対に負けないこと。自分にね。

ちゃんみならしさとは?
弱さの集合体になってできた新しい何か。

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Tohji

何をしてる人?
ラッパー。

アーティストになったきっかけは?
ずっと何かを見るのが好きで。音楽、映画、美術館とか。いつも自分だったらこうやんのにとか、もっとおもろいことできんのにって思ってた。じゃあ、自分でやったらってはじめた。

具体的にどうやってはじめた?
数年前にロンドンに遊びに行ったときに自作の2曲くらいをUSBに入れて〈Supreme〉とか〈Palace〉に行って配って。日本に帰ってきてからもラップ乗っけて、ビデオもつくった。YouTubeに「ゴジラ」を投稿したのがキッカケ。

音楽を届けたい相手は?
世界中の同じ感覚を持った人たち。自分の感覚もどんどん変わってくし大きくなってくけど、本当に満足できるものを作れたら、どんな人にも届くんじゃないかな。

夢は?
自分で興奮できるものを作ったり、興奮する出来事に立ち会ったり、すごいものを見続ける人生・生活を続けること。

インディペンデントでありつづけるために大切なことは?
自分に嘘をつかないこと、お互い仲間の間でも嘘をつかないで本当の事だけやること。

あなたの音楽表現とは?
俺とかみんなが喉から手が出るほど欲しい、まだそこに無いものを作っていくこと。

エンターテイメントとは?
ピュアなものをピュアなまま、全員に届けること。それが伝わった時にそれこそがエンターテイメントだと思う。

既成概念にとらわれないためには?
自分に嘘をつかないこと、それだけじゃなくピュアさを守る強さも必要。

ターニングポイントは?
自分次第でなんでもできるって気付いた時。

リラックスするのは?
ひとりで美術館行ったり映画観たり散歩したり、好きな人とか友達とゆっくりしてる時。

アーティストとしての喜びは?
異端を王道にする人が一番好き。自分だけしか信じてないこととか、これってムッチャ変なんじゃんってことを正解にできること。

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佐藤緋美

何をしてる人?
俳優/ミュージシャン。

あなたにとって音楽とは?
趣味、研究、暇なときにやること。いろんなことが一体になってるもの。

音楽のインスピレーションの源は?
同年代とか上の世代の仲間が作っているのを見たり。あとは周りの仲間だったり、親だったり。

10年後は?
落ちついて家でゆっくりしてたい。奥さんと。

自由でいるために何が必要?
続ける力。やめないでやり続けること。単純だけど、その都度考えてグレードアップさせて続けること。頭を常に柔らかく、一点に集中しないというか。一点に集中する力も必要だけど、全体を見る力も必要。

音楽と芝居の違いは?
芝居は表情とか動きとか見せる角度とか、喋り方。すべてに集中させないといけない。音楽は軸が決まっててそこにちょっと足すみたいな、全然違う。

緊張したことは?
初の舞台は池袋の東京芸術劇場で。ずっと稽古して、めちゃめちゃ緊張するかなって思ったけど、クルーがいて仲間と一緒だと安心できて。変わった役柄だったし結構振り切れてよかったなと。

名前の由来は?
日本の国旗の「緋(ひ)」色が「美」しいって。お父さんが名付けてくれた。

ちなみに好きな色は?
赤じゃないんですよね笑。でも「色」が好き、並んでるのを見ているのが。

自分らしさとは?
本当にみんなと仲良くしていたいって思うこと。嫌な奴もいるけど。それぞれ良さがあると思うから。

休みの日はなにしている?
うちでギターの練習。先生がいないからYouTubeを見て自主練。

いま一番楽しいことは?
ギターを毎日やっているとだんだん楽しくなっていく。あとは、レーベルの仲間との仕事の時間、彼女と一緒にいる時。

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Meirin (ZOMBIE-CHANG)

何をしてる人?
シンガーソングライター、トラックメイカー。

ZOMBIE-CHANGを一言で表すと?
スライム。

理由は?
私が色々変化していくようにその音楽プロジェクトも状況とか時代とかに沿って変化していく、いい意味で流されたり変形したりする事も大事だなって。

インスピレーションは?
ないです笑。

あなたの音楽を届けたい人は?
一番は友達とかマネージャーさんとか周りの人たちに「かっこいいね、面白いね」って言ってもらえること。

キッカケは?
特にアーティストになろうと思ったことはなくて。物を作る事が昔から好きで常に何かを作り続けてる。それ以外集中できる事もなくて、その行為自体が癒し。

ターニングポイントは?
小学生の頃から歌を歌うのが好きで、中学生になってバンド聞くようになって、音楽をやり始めて、いろんな音楽に触れて。そしたらこうなってました笑。

リラックスする時間は?
制作してる時。あと最近、というかずっとゲーム。無心になれる。ゲームの中で海外旅行もできるし、制作で疲れたらちょっとだけゲーム旅行、みたいな感覚。

未来に望むことは?
みんなが仲良く楽しい世界なんてないよと言われて、人間だから喧嘩もするし喧嘩もいいことなのかなあって思う事もある。それでも、みんなで相談して未来を決めて行けたらいいなと思う。

はまっていることは?
気がついたらフォルダーに鳩の写真しかなくて。3年前のフォルダーを遡ってもずっと鳩を撮り続けているんですよ。これは好きだなと。

表現する喜びは?
自分の音楽が海を超えて音が届いたり、世代を超えて、ちっちゃい子からおじいちゃんおばあちゃんまで、いろんな人に届いていくこと。

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服部恭平

何をしてる人?
モデル/フォトグラファー。

表現することの喜びは?
それを逆にやってないと、どうしていいかわかんない。

自分らしさとは?
自分に正直でいること。好きなもの嫌いなものをはっきり言っていかないと、自分らしくなっていかない。

写真をはじめたキカッケは?
ある女の子を撮らせてもらえることになって、その時間が今までになく幸福感を味わえたのがきっかけ。

インスピレーションは?
日々生活していてふと目に留まったものとか、美しいなって自分が思えるもの。道の抜けだったり、地面に落ちてるものだったり、花びらだったりゴミでもいい。

エネルギーに溢れてる時と感じる時は?
笑ってる時。笑顔っていい状況じゃないと起きないし、それこそ嘘笑いって自分が疲れるから。

あなたにとってファッションとは?
沈んでる時も気持ちを高めてくれたり、自分を変えてくれる、どこかへ連れてってくれるツール。

アドレナリンが上がる瞬間は?
カメラのファインダーをのぞいている時が一番研ぎ澄まされてるかも。

未来に望むことは?
未来を考えることで縛られちゃうような感じがして。そんなことよりもどんな未来にも飛び込めるような状態でいたい。

写真やモデルとして育まれたことは?
周りに感謝するようになった気がする。モデルは選ばれる仕事だから、愛されないとうまくいかない。それは写真にも繋がっていて、自身が豊かじゃないと良い写真は撮れない。自分の環境をよくしようとする、そうすると必然的に周りの人や環境に感謝していくことにつながる。


Credits

Starring Chanmina, Himi Sato, Kemio, Kyohei Hattori, Tohji, Zombie-Chang.
Photography Syuya Aoki.
Styling Ai Suganuma.
Hair and Make-up Nori, Yuko Nozaki (Chanmina).
Styling Assistance Sho Furukawa.
Hair and Make-up Assistance Ryota Takaishi and Ai Kawakami.
Production Mina Miyamoto.
Special Thanks @www_shibuya @rubyroomtokyo @strato_01 @gallerie_tokyo @hoteltheknottokyoshinjuku

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