日銀静岡支店が23日発表した6月の静岡県の金融経済動向で、県内景気について「新型コロナウイルスの影響から一段と悪化している」と判断を2カ月ぶりに引き下げた。個別の項目では設備投資、住宅投資、雇用・所得の評価をいずれも2カ月ぶりに引き下げた。金融面では、大企業を中心に資金手当てが進み、貸出金残高が急増している。
同支店は、消費や生産に影響してきたコロナが、給与や残業の抑制、派遣契約の打ち切りといった雇用面にも広がっていると説明。景気を下支えしてきた民間の投資意欲は絞り込み、先送りの傾向が強まっているとした。輸出や生産は前月の「大幅に減少している」との判断を据え置いた。
県内の貸出金残高は4月に前年比でプラスに転じ、以降も急伸している。野見山浩平支店長は「県内では資金繰り支援が進んでいる。今は金融機関が吸収できないほどの大きな(貸し倒れ)リスクはないが今後体力を超えて倒産が増える可能性もゼロではない。慎重にみていく」と話した。