「社労士試験の労働基準法、いきなり難しいな…」
多くの社労士受験生が最初に学ぶ、労働基準法。
「社労士の勉強始めたけど、今いち進め方が分からない…」
労働基準法をどう対策すればいいのか、戸惑いますよね…。
社労士試験に合格した今思うのは、労働基準法は合格のために重要な法律だ、ということです。
「社労士試験は全科目に基準点があるんだから、どの科目も重要だろう」
おっしゃる通りです。
なぜ労働基準法が特に重要なのか?
結論から言うと、他の労働法のベースとなるからです。
ベースとはどういう意味か?
労働基準法をどうやって対策すればいいのか?
合格者の視点から、分かりやすく説明します。
社労士受験で労働基準法が重要な理由
社労士受験において、労働基準法が重要である理由。
それは、他の労働法のベースとなるからです。
ベースとはどういう意味でしょうか?
これは、法律の構成を見ると分かります。
労働基準法の構成は、下図の通りです(章だけ抜き出しました)。
注目していただきたいのは、青色の章です。
実は、青色の章から派生して、別の法律が作られています。
下図の通り。
労働基準法から、別の法律が分離・独立している。
これこそ、「労働基準法が他の労働法のベースとなる」の意味です。
労働基準法は、他の労働法のベースとなるため重要。
言い換えると、労働基準法をしっかりと学んでおけば、他の労働法の学習にスムーズに取りかかれるようになります。
それでは次に、労働基準法の対策ポイントについて見ていきましょう。
社労士試験 労働基準法の対策ポイント
労働基準法の対策ポイントは、下記の2点です。
- 暗記重視
- 科目横断的な視点を持つ
暗記重視
労働基準法は、暗記重視で乗り切りましょう。
労働基準法にかける勉強時間を、最小限に抑えるためです。
先述した通り、労働基準法が重要であることは間違いありません。
一方で、あまり時間をかけたくない法律でもあります。
なぜなら、出題数がそこまで多くないため、費用対効果が低いからです。
各科目(法律)の出題数は例年、下記の通り。
労働基準法の出題数は、択一式7問、選択式3問ですね。
各科目(法律)を出題数順に並び替えると、下表の通り。
1 | 健康保険法 | 15問 |
1 | 厚生年金保険法 | 15問 |
1 | 国民年金法 | 15問 |
4 | 労災保険法 | 12問 |
4 | 雇用保険法 | 12問 |
6 | 労働基準法 | 10問 |
6 | 一般常識(労働) | 10問 |
6 | 一般常識(社会保険) | 10問 |
9 | 労働保険徴収法 | 6問 |
10 | 労働安全衛生法 | 5問 |
こうして他科目と比べると、労働基準法の出題数は意外と少ないことが分かります。
勉強時間をおさえて効率を高めるため、労働基準法は暗記重視で乗り切りましょう。
じゃあ具体的に、どう暗記すればいいの?
暗記には、暗記カードをオススメします。
下の記事に、暗記カードの作り方・使い方を具体的にまとめました。
社労士の暗記カードに「自作」をオススメする理由【受験生向け使い方】
慣れるまで、暗記作業は苦しいものです。
しかしコツが分かれば、スルスル暗記できるようになります。
暗記を武器に、労働基準法を攻略してください。
科目横断的な、大きな視点を持つ
労働基準法を学ぶ際は、科目横断的な視点を持ちましょう。
理由は先述した通り、他の労働法のベースとなるからです。
「ベースとなる」ということは、他の法律との関わりが深いことを意味します。
例えば、テキスト・過去問を全科目5周ほどすると、「ん?労基法のこの論点って、もしかして△△法のアレと関係ある?」と気が付くようになります。
労働協約に定める労働条件その他の労働者の待遇に関する基準に違反する労働契約の部分は、無効とする。
就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。
この法律で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とする。
上記の条文は似ていますが、微妙に言い回しが異なります。
科目横断的な視点を持つと、この微妙な違いに引っかかるようになります。
他科目の勉強が進むほど、目に留まる情報が変わる。
労働基準法の勉強には、ある種の「面白さ」があります。
意識が向いている情報はキャッチしやすい、という現象です。
他の労働法のベースとなる労働基準法を学ぶ際は、科目横断的な視点を持ちましょう。
労働基準法は他科目のためにも頑張ろう
ページの内容をまとめます。
- 労働基準法は、労働法のベースとなる重要な法律である
- 労働基準法の勉強には、あまり時間をかけない。暗記で乗り切る
- 労働基準法を学ぶ際は、科目横断的な視点を持つ
労働基準法は、社労士受験において最初に取り組む人が多い法律です。
受験のスタートを切ったばかりの頃は、他科目とのつながりにまで気付けないかもしれません。
しかし、不安に思う必要はありません。
社労士試験の知識は、何度も繰り返して覚えるもの。
焦らず、粘り強く、取り組んでみてください。
きっと、労働基準法と他科目との関連性に目が向くようになります。
その頃には不安はなくなり、受験勉強が面白くなっているでしょう。
労働基準法は、他の労働法のベースとなっている。
これだけ頭の片隅に置いて、勉強しましょう。