この時期、注意が必要となるのが“食中毒”。
新型コロナウイルスの影響で、テイクアウトを始めたお店では、あの手この手で対策を行っている。
梅雨入り後の暑さと湿った空気の影響で、街はムシムシ・ジメジメ。
気温と湿度が上がるこの時期以降、注意が必要となるのが“食中毒”。
厚生労働省によると、国内では、2019年の1年間で、1,000件を超える食中毒が発生。
そのうち3分の1を占める“細菌による食中毒”は、6月~9月に集中している。
気温も湿度も高く、細菌が増えやすい状態が続き、食べ物の味やにおいが変わらないまま増殖するケースが多いためという。
町の飲食店は、どう対応しているのか?
東京・新橋にある「居酒屋 根室食堂」を訪ねると...。
居酒屋 根室食堂・平山徳治代表取締役「これは花咲ガニといいます。まさにカニが旬なので」
「居酒屋 根室食堂」では、6月2日から、お弁当のテイクアウトを開始。
ダシの効いたアサリご飯に、イクラ、花咲ガニのほぐし身をたっぷりのせ、アクセントに唐揚げを添えれば、北海道づくしの1品「花咲ガニ あさり弁当(税込み980円)」が完成。
作るうえで最も注意しているのが...。
居酒屋 根室食堂・平山代表取締役「やはり、こういう時期になると、どうしても食中毒が気になる。具材は全て冷ました状態で盛り付け作業に入った方が、安心して提供できるんですよね」
お弁当は、火を通したものが中心。
熱を持ったままだと細菌が繁殖しやすくなるため、揚げ物など30分以上冷ましてから、容器に詰めて渡す。
また、購入者には、「2時間以内に食べてください」と口頭で念押し。
東京都福祉保健局も、そうした食中毒対策をとるよう、飲食店に呼びかけている。
「居酒屋 根室食堂」の場合、店頭に並べたお弁当は、2時間経過したら廃棄するという徹底ぶり。
お弁当を買いに来た人「安心ですね。主婦としても」
居酒屋 根室食堂・平山代表取締役「せっかくお客さんに来てもらってるところで、万が一食中毒なんかあれば怖いから。そのために、安心できる弁当を考えていこうと思ってます」
一方、食中毒を防ぐ取り組みは、企業側からも。
お弁当の上に敷かれた1枚のシート。
これは、お弁当などにかぶせることにより、菌やカビ・酵母の増殖を抑制するという「抗菌・鮮度保持シート」。
お弁当販売を開始した飲食店を対象に、三菱ケミカルフーズが無償提供している。
三菱ケミカルフーズ 食品・ニュートリション事業部の上柿卓也さん「消費期限の短いお弁当とか、テイクアウトのいろんな食材の品質保持に適している製品です」
テイクアウト需要が高まる中で、梅雨の時期を迎え、問い合わせが急増しているという。
しばらく続く、高温多湿の日本の夏。
新型コロナウイルスとの二重の対策が、家庭にも求められる。