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コロナ禍でうまれた意識の変化、「仕事より生活を重視するようになった」20歳代の6割超

2020/06/23 09:00

 内閣府が発表した調査結果によると、新型コロナウイルス感染症の影響によって、家庭や仕事などさまざまな面で意識の変化が起きていることが明らかになった。

 内閣府は6月21日、新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査の結果を発表した。今回の感染症拡大前に比べて、家族・仕事・社会とのつながりについてその重要性に関する意識はどのように変化したかをたずねたところ、感染症拡大前に比べて最も重要性を意識するようになったのは「家族」で、「社会のつながり」「仕事」が続いた。

 この調査では、生活や仕事などいくつかの点から満足度をたずねており、質問では「全く満足していない」を0点、「非常に満足している」を10点とすると、新型コロナ感染症拡大前と感染症の影響下で、それぞれ何点くらいになると思うか回答してもらった。その結果、生活満足度は感染症拡大前と比較すると、1.48ポイント低下。仕事の満足度では1.03ポイントの低下で最も低い水準となっている。

 低下幅が大きかったのは、特に社会とのつながり・生活の楽しさ分野で、社会とのつながりの満足度は感染症拡大前と比較すると1.75ポイント低下、生活の楽しさ・おもしろさの満足度は1.95ポイントと大きく低下している。

 また、小学生の子を持つ専業主婦および60歳以上の女性に生活全体の満足度をたずねたところ、前者は2.34ポイント、後者は2.09ポイントと2ポイント以上の大きな低下が見られた。

 就業者へ向けて、今回の感染症拡大前に比べて、仕事への向き合い方などの意識に変化はあったかをたずねると、「はい」57%、「いいえ」32%、「わからない」11%となり、「はい」が最も多かった年代は20歳代の64%で、これに10歳代、30歳代がいずれも62%で続いている。最も低い60歳代以上でも50%が意識に変化があったと回答している。

 さらに、今回の感染症拡大前に比べて、自身の「仕事と生活のどちらを重視したいか」という意識に変化はあったかを聞いたところ、「生活を重視するように変化」が50%で最も多く、「変化はない」40%が続いた。年代別では「生活を重視するように変化」という回答が最も多かったのは20歳代の61%。これに30歳代の56%、10歳代の54%が続いている。

 この調査では、子育て世帯における家族と過ごす時間の変化、学生におけるオンライン授業の受講状況、就業者における通勤時間の変化などについても調査を行っており、さまざまな意識の変化が起きていることが明らかになった。そうした意識の変化によって現実の就業形態、家族間での役割分担がどう変化するのか、また、現在起きている変化が一過性のものに終わるのか、これからもその推移に注目する必要がありそうだ。

【調査概要】
・調査方法:インターネット調査(国内居住のインターネットパネル登録モニター) 
・回収数:10,128
・調査期間:5月25日~6月5日(5月25日~29日に半数を回収し、6月1日~5日に残りの半数を回収)
・回収数の割当(サンプル数の設計) 
 性別・年齢階級別(5歳毎)で同数を均等に割当(24区分×422人=10128) 
 ※年齢は「15~19歳」から「70歳以上」までの12区分×性別2区分=24区分
 地域別7区分で人口比例で割当
・回収数の内訳(主な属性別) 
【就業者】6,685人 【子育て世帯 】2,168人 ※子供が18歳未満 【学生】1,035人 【シニア※60歳以上】2,532人 

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