申立て予納金納付
民事再生手続きを行うためには、裁判所に「予納金」を支払う必要があります。負債総額に応じた予納金を収められなければ、申立ては棄却されてしまいます。
原則として、手続開始決定までには全額支払わなければなりません。しかしながら、申立をする裁判所によっては分納も認められています。例えば、東京地裁では申立時に6割を納付し、残り4割を追納するという分納方法が運用として認められています。
債権者説明会
債権者説明会とは、民事再生を行う場合、会社の「債権者」に対して、会社の状況を「説明」する会のことです。 ... 債権者説明会とは、民事再生の申立を行った後、どうして民事再生を行うことになってしまったのか、そこに至る業務や経理などの経緯を、「債権者」に対して、「説明」申し上げる機会です。
開始決定
裁判所は、会社に再建の可能性があると判断した場合に民事再生手続開始決定を出します。
事業譲渡許可の申請
民事再生手続を申し立てると、その会社に倒産のマイナスイメージがつき、企業価値を毀損するようになります。すると再生計画を立てても思うように営業が行えず、借金の返済が困難になるケースが少なくありません。 しかし、事業譲渡により健全な企業のもとで再建すれば、そのようなマイナスイメージを回避することが可能です。
債権届出
債権者が有する債権(破産債権、再生債権、更生債権)は、所定の期間内に債権届出を行うことが必要です。民事再生手続開始と同時に裁判所の知る債権者に対し、債権届出のための用紙が郵送され、各債権者は債権届出を行います。(届出の期間は手続開始時において裁判所が決定します。) 原則として、債権者が債権届出を行わなかった場合は、失権します。
裁判所の意見聴取手続(監督委員、労働組合、債権者)
民事再生法第42条にあるとおり、再生手続開始後において、再生債務者等が再生債務者の営業又は事業の全部又は重要な一部の譲渡をするには、裁判所の許可を得なければなりません。知れている再生債権者(再生債務者が再生手続開始の時においてその財産をもって約定劣後再生債権に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にある場合における当該約定劣後再生債権を有する者を除く。)また、債権者委員会や労働組合等があればその意見も聴きます。裁判所は、当該再生債務者の事業の再生のために必要であると認める場合に限り、民事再生の許可をすることができます。
事業譲渡許可決定
会社の有する事業の資産価値が低下することを防ぐため、また、債務者が「事業の再生のために必要である」ような場合、裁判所からの許可が出れば、株主総会の決議を待たずに、債務者は早急に事業の「全部」や「重要な一部」を譲渡することができます。
事業譲渡実行、譲渡代金の支払い
事業の一部または全部の譲渡許可が決定すれば、債務者企業は譲渡代金を受け取ることができます。再建しようとする事業を事業価値が下がる前に再生手続から分離できるので、早期の事業再建に繋げることができます。
・財産評定書報告書・計画案草案・債権認否書
債務者は、申立てから2か月後を期限として、財産評定書・報告書・再生計画案の草案、また再生債権者から提出された債権届出(みなし届出を含みます。)の内容の認否をまとめた書類をそれぞれ裁判所に提出します。
計画案提出
再生計画案とは、民事再生により減額された借金を、今後各債権者に対してどのように返済していくかを記載した書面です。債務者は、民事再生手続で確定した借金額をもとに再生計画基準(最低弁済基準・清算価値・可処分所得2年分)にしたがって減額された借金総額を、各債権者に対し原則として3~5年間以内にどのように返済していくかを再生計画案に記載し裁判所に提出します。
債権者集会
債権者に対し、民事再生に至る経緯と、その時点で把握している資産・負債の状況、経営破綻に至った原因、申立に至った経過、今後の手続の進行予定、今後の取引に関する協力の要請、その際の支払条件の提示などを行います。また、再生債権者からも再生計画案が提出されることがあります。監督委員は両計画案について法の要件を満たしているか検証します。
再生計画の認可
債権者集会、また、郵送等にて再生計画の賛否決議を行い、法律上の障害事由がなければ、裁判所によって再生計画が認可されます
再生計画の遂行
再生計画の確定後、再生債務者は、確定した再生計画の各条項に従い、再生債権者に対して権利変更後の再生債権の弁済を行うなど、再生計画を履行します。
終結決定
民事再生法188条2項により、再生計画の履行が完了したとき、または再生計画認可決定確定後3年間経過時に再生手続は終結することとなります。それまでの間は監督委員による再生計画の履行監督に服します。