この投稿では、2017年後半の伊藤氏と岡村裕太氏の行動を時系列で考察していく。ソースは
著書「Black Box」➡
メディア ➡
SNS等の投稿 ➡
裁判資料 ➡
で色分けする。なお筆者のコメントは💡、伊藤氏の行動は🔴、山口氏の行動は🔵、アルマーク氏は💚、岡村優太氏は💛で示す。
7月
7月11~12日 💛岡村氏、アメリカのテニス・チャンネルの番組「Advantage Omar」のロンドン版を撮影【ロンドン】
💡「Advantage Omar」とはアメリカのテニスチャンネルの番組で、岡村氏がリードエディターと撮影監督を務めた作品である。YouTubeで視聴可能。軽快なテンポのバラエティ番組。
7月 🔴ロンドンの女性人権団体から「安全なところに身を置いたら」と連絡をもらいイギリスに移住【ロンドン】[出典]
🔴スウェーデンに行き性暴力にどのように取り組んでいるか取材【スウェーデン】[出典]
💡伊藤氏は本当にイギリスに移住したのか問題
前回の投稿でも少し述べたが、私は伊藤氏が「ロンドンの女性人権団体から連絡をもらいイギリスに移住した」と説明しているのは、今までのパターンから言ってまた事実を誇張して述べているだけだと推測している。
事実はおそらく、2017年の秋冬に一緒にBBC2ドキュメンタリー「Japan's secret shame」を撮影することになるErica Jenkin、Hanna Aqvilin(2人共ロンドン在住)と2017年夏に知り合い、彼女たちから「ロンドンに来るときは、いつでも私の部屋(欧米ではアパートでもゲストルームがあるのが一般的)に泊まってもいいわよ。ロンドンに自分の部屋があると思って!」と言われた程度ではないだろうか。
根拠① 2017年秋冬に撮影されたBBCドキュメンタリーで映された伊藤氏の部屋は、荷物などがそのまま置いてあり、とても夏に移住したようには見えない。5月7日に自撮りした部屋のインテリアからも変わっていないように見える。
2017年5月7日に自撮りした動画。後ろのランプが同じ
根拠② 「移住」というからには長期滞在を意味しているのだろうが、イギリスに長期滞在するためには、他の先進国同様、厳しいビザ取得の流れをクリアしなくてはいけない(そもそもアメリカの就労ビザ取得が難しいから、山口氏との事件が起こってしまったのだ)。
外国人がイギリスに長期滞在するために取得できるビザの種類は、投資者ビザ、起業家ビザ、特別才能ビザ、就労ビザ、短期就労ビザなどがあるが(まさか配偶者ビザではないだろう)投資者ビザ、起業家ビザは資金の証明が必要なので、家を空けるときに部屋を民泊サイトで貸すほどお金に困っていた伊藤氏には無理だろうし、特別才能ビザは「特定の分野で特別に才能があると国際的に評価される」人材に与えられるビザなので、これもアウト。
就労ビザは、最終学歴が短大卒である伊藤氏にはそもそも難しい。短期就労ビザの中の「チャリティーワーカービザ (Tier5)」が唯一可能性はあるかと思ったが、これはイギリス政府認可の慈善団体がスポンサーとなり、イギリス国内で慈善活動をするためのビザであり、報酬のある仕事はできない。ジャーナリストとして活動したり、BBCなど様々な媒体に出演することはできないビザなので、これもアウトだ。
では何のビザで滞在しているのか。ハフポストの記事で橋本直子という方が
私は伊藤詩織さん個人の「移住」の経緯について詳細は知りませんが、一般論から言えばこのようなケースの場合、イギリス政府によって「人道保護(Humanitarian Protection)」の枠で受け入れられた可能性があります。
イギリスにおける人道保護制度とは、難民条約上に言う「難民の定義」には当てはまらないけれども、母国に帰ると「深刻な危害に遭う現実的なおそれ」(real risk of serious harm)がある人に与えられる滞在許可です。
と書いている。性被害を顔出しで告発したためオンラインでバッシングを受けたという日本人女性を、イギリス政府が「人道保護」枠で受け入れたとあれば、イギリス国民は黙っていないのではないだろうか。私だったら黙ってはいない。
イギリスの観光ビザは最大6ヶ月(直近12ヶ月のうち合計)滞在ができる。先進国の中ではかなり長いほうだ。おそらく伊藤氏は観光ビザでちょくちょくイギリスに入国し、友人宅に滞在しているだけではないだろうか。
根拠③ 上で紹介した、BBCドキュメンタリーにも映っていた伊藤氏の部屋だが、その後も継続して住み続けていることが分かる。
この写真は、夕張ドキュメンタリー「ユーパロのミチ」クラウドファンディングのページに掲載してあったのだが、伊藤氏の髪の毛の長さからいって2018年末の写真である。奥のキッチンの様子を見ると、BBCドキュメンタリーの時と一緒の部屋だということが分かる。
また最近、2020年3月に伊藤氏がナレーションを務めた「性的同意」の動画が公開されたのだが、それを紹介するBuzzFeedの記事の中の写真を見ると、2020年になっても継続して同じ部屋を使い続けていることが分かる。
根拠④ これに関してはまた後述するが、2019年5月、伊藤氏が例の民泊サイトでロンドンの部屋を予約した。その時のホストからのレビューに「Shiori and her partner」とある。おそらく岡村氏と滞在したものと推測されるが、ロンドンに移住し、自分の部屋があるのなら、わざわざ民泊サイトで他の部屋を予約しなくてもいいはずだ。
以上の理由から、伊藤氏はそもそもイギリスに移住したのではなく、単に「ロンドンにいつでも滞在できる部屋を持つ親友ができた」くらいなのではないかと考える。もっとも、最近はコロナのためロンドンに ”戻ることが難しくなってきた” ため、日本で自己隔離しているそうである。
8月
8月23~27日 💛「Advantage Omar NY」撮影 【NY】
9月
9月21日 東京第六検察審査会は「不起訴相当」と判断
🔴BBCドキュメンタリーの撮影【東京】
9月21日 🔵不起訴を受けFacebookに投稿
10月
10月8日 💛サンディエゴ・フィルムフェスティバル参加【LA】
エディターとして参加したドキュメンタリー「Resistance is Life」が受賞
10月18日 🔴文藝春秋から「Black Box」を出版、Facebookで宣伝
10月23日 🔴外国特派員協会で記者会見【東京】
10月26日 🔵山口氏、月刊Hanadaに手記「私を訴えた伊藤詩織さんへ」を寄稿
10月27日 🔵Facebookに【ご挨拶:記者活動再開します】を投稿
10月28日 🔵花田紀凱編集長のネット番組「ちょっと右よりですが…」に出演
10月29日 🔵父親が倒れ緊急入院したことを伝えるFacebook投稿
12月
12月2日 💛自転車競技・フォークロス選手のアネク・ベールテンを撮影【LA】
💡岡村氏がOlympus OM-Dのために撮影し、動画は翌年YouTubeにアップされている。そのメイキング動画に出演する岡村氏
12月5日 🔴民事訴訟の第1回口頭弁論【東京】BBCドキュメンタリーの撮影
💡タクシーの中でGloria Gaynorの『 I will survive』を歌う伊藤氏
12月16日 🔴超党派で「準強姦事件逮捕状執行停止問題」を検証する会 第3回【東京】
12月17日 🔴BBCのインタビュー音声をFacebookで宣伝【ロンドン】
12月24日 🔴スウェーデンの新聞での報道をFacebookで宣伝【スウェーデン】
12月30日 🔴リッチ素子氏が寄稿したのニューヨークタイムズの記事をFacebookで宣伝
※年末年始はロンドンで過ごす
💡以上、伊藤氏と彼女を取り囲む人物たちの2017年を時系列で追った。2017年は伊藤氏にとって実名顔出しでの記者会見が実現し、たくさんのメディアに取材され、BBCドキュメンタリーも制作されたりと、世界にその名と顔が広まった、記念すべき年であったと思う。
伊藤氏は2017年夏にイギリスに移住した理由を「性被害を公で語るのは日本ではタブーであるため、自分は大変な非難、脅迫を受け、結果家族と離れロンドンに移住しなければならなくなった」[France 24]と語っている。
しかし元々彼女は成人してからそのほとんどを、自ら望んで、家族と離れた海外での生活に費やしていたのである。学生ビザが切れて日本に帰国してたった3ヶ月後に山口氏にメールし「ワシントンでの就職ビザを斡旋してくれ」と依頼したのが、そもそもの事件の始まりではなかったのか。自らが望んでいた海外生活すらも「非難を受けて移住しなければならなかったかわいそうな私」と、同情を引くネタにしているのだ。
また、非難を受けているのは伊藤氏だけではない。山口氏に対する非難の中には、伊藤氏への非難よりももっと激しい人格攻撃もかなりある。検察により不起訴、ランダムに選ばれた市民11人からなる検察審査会により不起訴相当の判断が出てもなお、メディアを始め世間の人々は山口氏を「加害者」と見なし、加害者にならどんな非人道的罵倒も許されるとばかりに非難を繰り返している。一方、伊藤氏の言動に対する疑問の声は「セカンドレイプ」とレッテルを貼られ、人道的でないと非難されるのだ。伊藤氏が本当に被害者であるという確証はどこにもないにも関わらず。
2016年にジョニー・デップと離婚し、彼からDVを受けていたと告発したアンバー・ハード。最近2人の会話音声が流出し、ジョニーからDVを受けていたのは嘘だったこと、それどころか暴力を振るっていたのはアンバーの方だったことが明るみに出た。
このアンバー・ハードと伊藤詩織氏には共通点が多くあり、機会があれば考察文を書いてみたいと思っているが、例えばアンバーはジョニーからのDVを告発したあと、女性や性的マイノリティ、シリア難民問題等の人権活動家、国連人権高等弁務官事務所のヒューマン・ライツ・チャンピオンのひとりとして活躍している。また「Speak up(声を上げよう)」というタイトルでこのような動画にも出演している。
アンバー・ハードのこの動画を見ると #伊藤詩織 と共通点が多い。男性からのabuseの被害者として前面に立つ、カメラの前で同情を誘うように泣く、「私達は1人じゃない!」と言う、そして現行のシステム、状況を変えなければいけないと言う。アンバーの方が虐待者だと分かった今見ると、演技が白々しい pic.twitter.com/3CdETH468K
— Maurice El gatito (@GatitoMaurice) February 5, 2020
2018年12月のワシントン・ポスト記事の中のアンバーの主張は、驚くほど伊藤詩織氏のそれと似ている、いや、ほとんど同じなのだ。[日本語訳はこちら]
伊藤詩織とアンバーハードの共通点の多さに驚く。2018年アンバーは「性暴力に対し声を上げたことで世間の怒りを買った私」という記事で「友人やアドバイザーに女優として二度と働けなくなると言われた」「暴力に対して声を上げた女性はもっと支援されるべき」と主張。デジャヴhttps://t.co/r9L6qQ2pYT
— Maurice El gatito (@GatitoMaurice) March 30, 2020
この記事の中でアンバーは「声を上げた被害者を非難すべきでない」と訴えているが、彼女がジョニーにDVされたと主張した当初からその信憑性を疑う人が大勢おり(今となっては当然なのだが)彼女が受けた非難は、結局は彼女の主張が虚偽であったことに起因しているのだ。伊藤詩織氏のケースと驚くほどよく似ているのである。
次回の投稿では、伊藤氏がいよいよ岡村氏と行動を共にし始める2018年について考察する。