タイヤを識別するAIの開発に挑戦 ①
こんにちは。入社一ケ月目の大坂です。
先月まで大阪で仕事をしていたせいか、よく苗字も「大阪」 と漢字を間違えられます。
大阪では主に製品を作るための大型機械を作ったり、故障を直したりしていました。
また、自力で新しいモノを作るのが好きで、品質管理用の試験機を自作したり、既存の設備を改造して自動化したりもしました。
1. 今、取り組んでいること
そんな僕は今、AI を使った車のタイヤの画像解析システムを開発しています。
スマホで撮ったタイヤの画像から、そのタイヤのメーカー名と、速度記号や大きさなどが記載された情報を取得することを目的としています。
人間ならパッと見ればすぐにわかる情報なのですが、これをAIに理解させるのはとても大変です!
しかし、”考えるより先に手を動かす”をモットーに、まずはタイヤの写真から大手3社(Goodyear, Bridgestone,Mishelin)の中で正しいメーカーを当てるAIを作成します。
2. タイヤのメーカーを識別するAIの開発
そもそも機械学習(AI)ってどうやって作るの?
機械学習(AI)を作るための流れが、下記の図のような流れが必要です。
- ”教えるための画像データ”をたくさん用意して、その画像を機械が理解しやすいように前処理を行う
- ”その画像をどういう風に学習するか”というAIの定義づけと作成を行った上で、準備しておいたデータを定義づけしたAIに入れる
- そのデータを元にどれくらい頭のいいAIのモデルができたか評価し、良ければ実装してみて実評価を行う
といった流れです。
開発環境は以下の通りです。
使用言語 | Python |
---|---|
AIモデル生成 | Google Colaboratory |
フレームワーク | Tensorflow/Keras |
Google Colaboratoryは、Googleが提供している高性能な機械学習環境です。Webブラウザで動きます。
Tensorflowは、Googleが提供しているAI開発用のオープンソースなフレームワークです。
そしてこれらはすべて、Python言語で構築できます。
- ①データの収集・前処理
実はここが一番重要な箇所であり、難航したところでした。
なぜならタイヤ上の文字は湾曲している上に文字とタイヤの境界値がわかりづらいため、そのままタイヤの画像だけを集めて学習させてもいい結果が得られません。このため、AIに分かりやすいように画像を加工しなければなりません。▲タイヤの画像認識は難しい ▲グレースケールや二値化 - ②モデルの定義・学習と評価
定義・作成したモデルは一般的なCNNモデル(畳み込みニューラルネットワーク) を使用します。
CNNモデルは画像認識モデルに使われる一般的な手法です。
そのCNNモデルに先ほど用意したデータで学習させます!
完成評価は… - ③実装と実評価
今作ったAIに先ほど取得してきたタイヤの画像を投げてみます。
すると結果は、
データの前処理方法やCNNモデルの構成を色々変えてやってみたのですが、
ようやく良いモデルを作成することができました!
今後について
今回、AIが正しく判定できるようになったのは3択でした。
今後はこの択を6社に増やし、精度100%のメーカー判別器を目指します。
また、データの前処理や実評価に利用する画像も今は自分で行っています。これはとても面倒で時間のかかる作業です。
この課題を克服するために、まずは”前処理を自動で行うプログラム”と、”どの部分を解析するか調べるための領域判別モデル”を開発します。”面倒な作業”は自動化に限ります。
そうして、ようやく本命のタイヤ記号の情報読み取りの開発に入ることができそうです。
課題は多く道のりは長いですが、やるべきことはわかりました。
今後も前向きに取り組んでいきます。
それから、今回利用した画像処理とAI解析の技術は、様々な用途で利用できそうです!
これからの進展にご期待ください。
続きを更新しました。ぜひご覧ください。
タイヤを識別するAIの開発に挑戦 ②
プライムキャストの紹介
プライムキャストでは、技術力向上のための取り組みが実施されています。
その中の一つに”技術部”という取り組みがあります。
有志が週に1~2日程度、終業後に集まってモノづくりをしています。
目標は、1年後のMaker Faire Tokyoへの出展です。
現在は、そのスタートアップとして光センサとFirebaseを連携させるガジェットや、”声”で勤怠管理を行うアプリの開発をしています。
部では、おもしろそうで目新しい技術や、日常の業務では扱わない技術を意識的に使って開発を行っています。
「あれできないかな?」「この技術利用できないか?」といったアイデアが気兼ねなく飛び交い、自由に楽しくモノを作っています。
そんな常に新しい技術と感動を求める弊社をどうぞよろしくお願いします!