私はこれで会社を辞めました 第21話 | 半世紀少年乃皮膚筋炎間質性肺炎闘病日記
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半世紀少年乃皮膚筋炎間質性肺炎闘病日記

2017年に皮膚筋炎(抗ARS抗体陽性)と間質性肺炎(非特異的間質性肺炎(NSIP))を発症。
2018年、憩室炎で2ヶ月連続入院。
妻と娘、息子、犬、猫、みんなに支えられて生きています。
2019年、独立して商品企画コンサルタントになりました。


テーマ:

結局、印面をデザインしなおしている間に、プラスから個人情報保護スタンプが発売されてしまった。



マーケティングでいえば、先行優位の法則である。



先に出したものが市場の形成に関して有利というもの。


 

しかし、こちらは類似市場優位性がある。



つまりスタンプというカテゴリーでは後発でも勝てる可能性もこちらあるのだから、プラスがブランドの代表になる前に商品を投入し、拡大する必要があるのだ。




 

デザインコンペでの提案印面がベストと思っていたのだが、営業の「美しくない」の一言でできたパターンは正直、恥ずかしいデザインだ。




コレ(笑)




この検討でプラスより出遅れたのはもったいない。


ハッキリいって無駄な議論だと思った。



プラスに遅れること1ヶ月、セキュアスタンパーは発売された。




営業からは、セキュアをわかりにくいとかいろいろ言われたが、とにかく出さなければいけない。




極めて英語に弱い営業が多く「セキュア」の意味もわからないと言い出す始末。




時間があれば検討したかったが、コンペの提案者への尊敬も含めてそのままのネーミングでいった。




 

市場で発売されると、バイヤーから、プラスは消えるけど、おたくのは消えないね、とクレームが相次ぐ。調べてみるとプラスの商品は、やはりインキが黒い。




専用の黒いインキだったのだ。





研究所の責任者に言うと、



「ごめん、ごめん、あのインキ普通のより黒いわ」。




正直、

ふざけるな!




と思ったが時すでに遅し、インキを改良している間に市場の商品は回収され、個人情報保護スタンプのカテゴリー代表はプラスの「ケシポン」になっていた。






ケシポンは10年以上トップシェアのヒット商品となった。


初動の遅れ、周りの意見の聞きすぎ、仕事のいい加減さ、が敗因である。





 

せめて、海外だけでもと思い、海外事業部の持ち込んだものの、




「海外では個人情報なんて消さないよ」




と小ばかにされたようにあしらわれた。

 



海外部門の人間の反応はいつもこうだ、

やる前からやらないと平気でいってくる。





後にこの海外部門に配属になるとは思ってもいなかったが。

 


今現在、私の知る限り、シンガポール、マレーシア、香港、台湾などの国で、



プラスの「ケシポン」は、


唯一


個人情報保護スタンプとして


トップシェア


を誇っている。


↓シンガポールのケシポン


 

つづく