拡大する新発地卸売市場前の道を封鎖する警察官ら2020年6月13日、北京、高田正幸撮影
新型コロナウイルスの感染「第2波」が発生した北京では、当局が「戦時状態に入った」として大規模な移動規制や膨大なPCR検査などの強い措置に再び出ている。規制緩和に踏み切った東京と新規感染者の数は大差ないが、政治的な背景もあり、あくまで完全制圧を目指す構えだ。(北京=西村大輔、高田正幸)
「全関係者を検査するため営業を休止します」
18日、市中心部の天陶紅蓮菜市場は人の姿もまばらで、入り口にこんな貼り紙があった。この市場では関係者から感染が出て、14日に閉鎖された。感染者は、クラスターが発生した新発地卸売市場にも出入りしていたという。
隣の団地の門も閉ざされた。内側にいた20代の男性は「この辺の団地は全部封鎖された。買い物にも行けない。まるで監獄だ」と苦笑し、門を隔てて宅配員から飲料水を受け取った。近くの居住区に設けられた検問所では、外出を求める中年男性が「おれにも生活がある。待ち続けるわけにいかない」と憤り、防護服を着た担当者が「あなたの家で感染者が出たら大変なことになる」と必死で制止していた。洋服店の女性店員は「2カ月休業して4月からやっと客足が戻ってきたのに、また一人もこなくなった」とあきらめ顔だ。
拡大する新型コロナウイルスの再流行で封鎖された団地。宅配サービスで購入した食料品を受け取るために多くの住民が集い、密集しないよう呼びかける自治会担当者と口論になった=2020年6月13日、北京、高田正幸撮影
北京では4月16日以降、56日間、感染が確認されなかった。だが、今月11日の感染確認以降、13日の36人など連日20人以上の新規感染が出て、19日までの累計は205人に達した。重症者も13人いる。
中国で感染が深刻だった2月上旬、北京の感染者は1日最大29人。「第2波」の勢いは当時を上回る。
市当局は大規模な措置を次々と…
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