これは明らかに政策ミス。日本経済は沈みっ放しなのに、役人と政治家は責任をとらない。10年間、給料を半分にしたいぐらいだ。しかし、日本の役人は、外郭団体を作り、多額の退職金をもらってノウノウと暮らしている。給料半分どころか、自分たちの給与は8%も上げている。
ということで、私は審議官殿に冒頭で触れたことを尋ねた。ノラリクラリとはぐらかしていたが、しつこく詰め寄ると、「やり過ぎだったかもしれない」と認めた。
しかし、「そういう立場ではない」と謝ることはなかった。2つ目の質問には答えなかった。その代わりに「役人社会は、渡辺さんが思うほどワルじゃない」と懸命に訴えていた。
内閣審議官にはまだ聞きたいことはある。財務省は「消費税増税は国際公約」と主張しているが、これは本当なのか。これについては次回。
■渡辺喜太郎(わたなべ・きたろう) 麻布自動車会長。1934年、東京・深川生まれ。22歳で自動車販売会社を設立。不動産業にも進出し、港区に165カ所の土地や建物、ハワイに6つの高級ホテルなど所有し、資産55億ドルで「世界6位」の大富豪に。しかし、バブル崩壊で資産を処分、債務整理を終えた。現在は講演活動などを行っている。著書に『人との出会いがカネを生む/ワルの交遊術50』(仁パブリッシング)。