石田純一さんが明かす、新型コロナ「重症肺炎」で死の危機に瀕した瞬間

肺をやられる人の特徴は? 予兆はある?
週刊現代 プロフィール

そもそも、コロナによる肺炎と、細菌が原因の一般的な肺炎は何が違うのか。要町病院副院長の吉澤明孝氏が説明する。

「肺炎は、炎症の起きる場所によって、肺胞性肺炎と間質性肺炎の2つに分けられます。細菌が原因の肺炎は前者が多く、新型コロナによる肺炎は後者が多いと報告されています。肺胞性肺炎の場合、肺の一部に炎症が起きるが、コロナで重症化すると両肺が炎症を起こすのです」

 

そのとき、肺の『予備力』がないと、命の危険が高まってしまう。私たちは、普段から肺の機能を100%使っているわけではなく、運動などで負担がかかったときに対応できるだけの余力がある。

この予備力がないと、コロナで両肺に炎症が広がったときに呼吸困難に陥るが、このような余裕は加齢とともに失われていく。

幼少期の風邪も原因になる

25年間禁煙し、毎日5km以上のランニングをこなすほど健康を意識し、丈夫な肺の持ち主だったはずの石田純一さん(66歳)も、コロナで重度の肺炎に陥った。

「4月14日に発熱し、指先で酸素濃度を計る器具を使ったら、前日までは正常値だったのに、呼吸困難の寸前の数値でした。慌てて妻が保健所やあちこちの病院に電話をかけて、診察を受けることになった。あとで聞いた話ですが、CT画像の両肺は真っ白だったそうです。その時点で、コロナかどうかは別にして、命に関わると即入院になった。

イメージ写真です(Photo by iStock)

実は入院してからの1週間ほど、僕は日中も、とろとろ寝ているような感じで、自分でも記憶が曖昧なんです。妻いわく、電話中に『息苦しいから切るね』といきなり電話を切ったそうですが、よく覚えていません。息苦しさもさほどなかったと思い込んでいたので、あとから驚いたくらいです」