ゆるパス3



【パンセ-61】

流行が魅力を作り出す。
正義を作り出すのも同じく流行だ。




 テレ飲み会、ダルゴナコーヒー、パン作り
 

 私たちの周りでは、
様々なものが流行しています。

普通に考えた場合、
これらのものは、
もともと魅力があったからこそ、
流行したのだと思ってしまいます。

 

 しかし、
パスカルに言わせれば、
これは逆なのです。

流行しているからこそ、
魅力的に見えてしまうのです。

つまり、
「みんなが買っている
/やっているということは、
きっといいものに違いない!」
と(無意識的に)思い込んでしまうということなのです。

これは、
裏を返せば、あるものが、魅力的に見えることには、
決して必然的な理由などはないということです。
(だからこそ流行は、必ず廃れる運命にあるのです。)




 これは、私たちが普段、
正しいと思っていることに関しても言えます。


パスカルは別のところで皮肉たっぷりに、
こう言います。



彼ら(民衆)が法律に従っているのは、
それが正しいと信じているからだ。
だから彼らには同時にこう言わなければならない。
「法律に従わなければならないのは、それが法律だからだ。
見上に従うのは当然だが、それは彼らが正しいからではなく、
彼らが目上だからというのと同じことだ。」

『パンセ(上)』断章66



 ここで、パスカルは「法律」が
正しい理由はそれが「法律」だからだと
いっています。

これは、
先ほどの言葉と一緒にすると
次のように言い換えることができます。

 

つまり、
「みんながルールを守るのは、
それを正しいと思っているからだ。
ただし、
ルールが正しいという絶対的な根拠などはなく、
それはあくまで流行している
(みんなが正しいと思っている)から、
一応、正しいということになっている」
、ということなのです。


 

 何かしらの自説を唱える時に、
「欧米では~」「ビジネス界では~」「若者の間では~」など、
正しさの根拠にみえるようなワードを頭に持ってきて、
相手を説き伏せようとする人たちをしばしば見かけます。


しかし、その正しさの根拠は、
ただ単に流行っていることでしかないのです。



 このようなことから、
引き出せる教訓としては、
まず、前提や常識は移り変わるものであることを認識し、
その上で、「その正しさや魅力の根拠は何か?」
と常に問いかけることが大事だということでしょう。





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