北九州市は19日、下水に含まれる新型コロナウイルスを分析し、感染拡大の予兆を探る日本水環境学会の研究に協力すると発表した。市内の下水処理場で6月24日から7月15日まで計4回、汚泥や流入水を採取し、同学会に提供する。北橋健治市長は19日の記者会見で「感染拡大の予兆や収束見通しなどを事前に察知する研究で、期待している」と述べた。
市によると、感染者数の増減と下水に含まれるウイルスの量に相関関係があるとする米エール大の研究発表を契機に、日本でも同学会が研究に着手。これまでに東京都や横浜市などが協力している。ただ、現時点でウイルスの分析手法は確立されておらず、研究成果が出るのは今秋以降になる見通し。
北橋市長は市の現状について「落ち着きを見せているが、封じ込めには至っていない」と指摘。「終息宣言を出せるよう努力を続ける決意を新たにしている」と語った。