不正疑惑の門脇孝東大病院長、武田薬品ネシーナ研究でも贈収賄疑惑のときにブログ内を検索したら、ノバルティス・ファーマの白血病臨床試験の件で私は門脇孝東大病院長の名前を一度出していました。
東大では不正研究などの問題が特に集中しています。検索で出たものですから、ひょっとしたらこっちでも関わりあったかな?と思いました。
ただ、名前が出ていた
東大病院、アンケートの全てをノバルティスに提供 タシグナ試験でで使っていた記事はこういう内容。
ノバルティス社:白血病薬試験関与 東大病院「信頼損ねた」 患者情報、ノ社に提供認める 毎日新聞 2014年03月15日 東京朝刊
製薬会社ノバルティスファーマの社員らが自社の白血病治療薬の臨床試験に関与していた問題で、試験の事務局がある東京大病院は14日、個人情報保護法や臨床試験の指針などに反し、個人情報を含む患者アンケート255人分のコピーを患者に無断でノ社に渡していたとする中間報告を発表した。(中略)
ノ社の主力商品の一つである白血病治療薬イマチニブ(商品名グリベック)の特許切れが近く、ノ社は試験の中間報告を自社の新薬の宣伝に利用していた。門脇病院長は「研究者は販促に使われる可能性を認識していた」と話した。
門脇病院長が直接何か問題を起こしたわけではなく、部下の不正についての報告を説明したというものでした。問題そのものについては、門脇病院長のせいではありませんね。
この他にも何かないか?と一応検索したのですけど、やはり白血病臨床試験の件では、特に門脇病院長の密接な関わりは指摘されていませんでした。
ただ、検索の中で同じノバルティス・ファーマのディオバン問題のところでなぜか門脇さんの名前が挙がっており、あれ?と思いました。こういう話です。
ノバルティス問題が医療に突き付ける「至上命題」-集中|MEDICAL CONFIDENTIAL 2013年10月 1日 09:30
果たして臨床研究に流れ込んでいたのは「奨学寄附金」だけだったのか。小室一成・東京大学循環器内科教授(日本高血圧学会理事)に着目してみる。(中略)
「小室氏は雑誌や新聞の広告にたびたび顔を出してきました。経済的な理由から『宣伝塔』の立場から降りられなくなっているのではないか。原子力発電同様、『高血圧村』とでも呼ぶべき構造があります。宣伝塔的役割を担っている人物はことごとく基礎研究や臨床研究の論文捏造で名前が挙がっています」(同前、引用者注:政権政策ブレーンか?)
高血圧村の住人たちを振り返ってみよう。小室氏を筆頭に光山勝慶・熊本大学大学院生命科学研究部生体機能薬理学分野教授、森下氏、松原弘明・京都府立医科大学循環器内科教授――。この環境は高血圧村だけに特徴付けられるものと考えていいのだろうか。一部専門誌では捏造発覚後も、新たに同工異曲の媒体を刊行し続けている。興味深い事象だ。
「日本抗加齢医学会」をご存じだろうか。理事長は坪田一男・慶應義塾大学医学部眼科学教室教授。理事には門脇孝・東京大学医学部附属病院病院長や小室氏、森下氏らの名前が仲良く並んでいる。お手盛りか。
「日本抗加齢医学会」はアンチエイジング関連の医学会です。ちょうど今日
肥満の人は味覚が鈍い 肥満抑制ホルモンレプチンの分泌の作用というのを書いて、アンチエイジングも結構胡散臭そうだよね…という話をしていたところですので驚きました。
ただ、門脇病院長は疑惑が出たというだけで、調査もされていない段階です。不正を犯したかのような扱いはできません。
一方で、現時点でも既に前科がちゃんとあるのは、小室一成教授。以下で書いているように、疑惑の調査が終了していたり、論文が強制撤回になったりしています。
■
小室一成東大教授に処分を、異例の言及 ディオバンで千葉大調査委 ■
小室一成東大教授の千葉大ディオバン論文、英医学誌が取り消し 研究論文に不正疑惑が出た門脇孝東大病院長の豪華な経歴・受賞歴では、門脇病院長と小室教授の共著があって驚いたという話をしましたが、いろいろと近しいところがあるようです。
それから、「森下氏」というのは、森下竜一・大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学教授のこと。名前は見た気もしますけど、うちでは取り上げたことなく、よく知りません。
記事では、以下のような紹介の仕方。
前号で詳報した森下竜一・大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学教授の行状は政治に飛び火する可能性も出てきた。無邪気に「安倍晋三政権のブレーン」を気取るのはいい。だが、臨時国会で長妻昭・民主党衆議院議員あたりが質問する事態になると、首相の醜聞に化ける。
前号というのがどれかはわかりませんが、同じサイトでは
依然突破口が見えぬノバが落ちた「陥穽」-集中|MEDICAL CONFIDENTIAL(2013年9月 2日)という記事があります。
「アステラスは論文捏造ですでに名前が挙がっている森下竜一・大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学教授(日本高血圧学会理事)に金を渡していた疑惑がある(同社は否定)。森下氏は千葉大学、大阪大、東京大学教授を歴任した小室一成氏や光山勝慶・熊本大学大学院生命科学研究部生体機能薬理学分野教授らとディオバン宣伝の誌面に何度も登場しています。最近ではインターネット上の掲示板で基礎研究論文での捏造も指摘されている。すでに有名ブロガーたちが言及し始めました」(前出の国立大教員) 阪大のウェブサイトを見ると、森下氏は随所に「安倍晋三政権の顧問」との文言を躍らせている。「およそ研究者ではない」(同前)。
森下氏は今年3月、自ら創業した遺伝子医薬のバイオベンチャー「アンジェスMG」の代表取締役を辞任。炎上の火の手は広がる一方だ。
ただ、記事は2013年のものです。その後大きい話にはなっていないところを見ると、こちらも不正確定ではないと思います。ご注意ください。
あと、「うちでは取り上げたことなく」と書いたものの、ブログ内を検索するとディオバン問題で一度、そして、この前書いたばかりの
大量84論文に不正疑惑、大阪大学医学系で特に多数 匿名Aの指摘で一度、名前を出していました。
84論文の方は世界変動展望さんによる匿名Aさんの説明部分です。いろんなところで名前を見る小室教授は、ここでもしっかり登場しています。
"2013年にバルサルタン臨床研究の不正が騒がれた頃に2chで小室一成氏、光山勝慶氏、堀内正嗣氏、森下竜一氏らの疑義を指摘した人物"
(
大阪大学等多数の研究機関の論文の不適切さについて - 世界変動展望 2015-01-05 01:13:50)
「日本抗加齢医学会」は他にもたくさんの人が参加しており、多くの人が不正疑惑を抱えているということではありません。
(
日本抗加齢医学会|本学会について(2014年1月現在)の理事/監事一覧によると、森下さんは3人いる常務理事の1人。門脇さんと小室さんは11人いる理事の中に含まれています)
ただ、不正を指摘された方が参加していることが、学会の信頼性に対してマイナス方向に働くことは間違いありません。
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