あの山中伸弥教授すら首をひねる、日本の奇跡「ファクターX」の正体

これが解明できないと、何も始まらない
週刊現代 プロフィール

最近、政府によって公表された資料によれば、日本で新規感染者数がピークとなったのは、発症日ベースで見れば3月27日だった。その日から今日に至るまで、連続して感染者数は減少し続けている。実効再生産数(実際に1人の感染者が感染させる人数)は、その日を頂点として減り続けて0・5まで落ちた。

「宣言」の2週間近く前から、日本では新規感染者数は減っていたのだ。

世界的にみて、なぜ日本は感染者数も死者数も少ないのか。ノーベル賞を受賞した京都大学教授・山中伸弥氏は、最近の対談でこう述べている。

 

「日本の感染拡大が欧米に比べて緩やかなのは、絶対に何か理由があるはずだということです。何が理由かはわからないのですけれど、僕は仮に『ファクターX』と呼んでいます」

Photo by gettyimages

あの山中氏ですら分からない「ファクターX」とは何か?

これまで、いくつかの仮説があった。だが、「これからどんどん死ぬから」とか「隠れコロナ死が多い」といった説は、現在では明白な誤りだといえる。さらに、「クラスター対策が成功した」「日本人の生活習慣」といった理由も、100倍近い死者数の差を説明できるものとはとても思えない。

いま、世界の研究者により、ようやく「ファクターX」の正しい輪郭が分かってきた。欧米に比べて、なぜ日本人はコロナにかかりにくいのか。なぜ日本人はコロナで死ににくいのか。これをまず知ることが、「宣言解除」以降の私たちの生き方を決める。

最近の研究でほぼ明らかになってきたのは、日本人の多くは、コロナウイルスに対して、広い意味での「免疫」を持っているという事実だ。