安旨ウイスキーのシリーズも15回目になりましたが、今回はバーボンの代表的な銘柄、フォア・ローゼズを飲みます。

発祥が諸説ある、指折りのバーボン

4roses_フォア・ローゼズが誕生したのは、「公式」としては1888年で、ポール・ジョーンズJr.の手によってとされています。

実は別の説として、ルーファス・ローズという人物によって、それ以前に製造、販売されていたというものがあります。

銘柄の由来も、ルーファスとその兄か弟、二人の息子の4名で営んでいたことで「四人のローズ」という意味合いを込めたとされています。

最終的に商標登録をする争いの末、ポール・ジョーンズJr.が商標権を獲得し、その由来も彼が主張したものが公式とされています。

1920年代にアメリカに施行された「禁酒法」の間、フォア・ローゼズは薬用酒としての製造を許可され、数少ない生き残りとなり、バーボンとしても指折りの銘柄へ成長していきました。

日本においては、今回取り上げる無印のほか、シングルバレル、日本限定のブラックとプラチナが正規で輸入、販売されています。

では実際に飲んでみます。

ストレート

昆布とメロンの香りが半々に先に訪れ、後からバニラ、リンゴの香りが追いかけてきます。
味わいは、アルコールからの辛みは少なめで、渋みと酸味が口に広がり、後味に甘みを感じます。
バーボンならではの接着剤のような独特な香りは少ないです。

ロック

昆布の香りは抑えられ、メロンの香りが前に来ます。その後はバニラの甘い香りも加わります。
加水が進むと、ライムの爽やかな香りも加わります。

味わいは、苦みを帯びつつも柔らかい酸味が広がります。しかし加水が進むと苦みが目立ってきます。
飲むにしても、冷蔵庫の氷ではなく、コンビニで大きめのロックアイスを買う、あるいはそれ用の製氷皿で作った方がいいでしょう。

水割り

トゥワイスアップにすると、昆布を思わせる香りが広がり、リンゴの香りが前に出るようになります。
味わいは、ほろ苦さを持ちつつもフルーツの柔らかい酸味と甘みがやってきます。

1:4で割ると、メロン、ライム、リンゴの香りが前に来るようになり、飲みやすくなります。
味わいは、若干辛みがあるものの、その後は酸味が先に立ち、苦みもある程度感じられます。。

ハイボール

1:3で割ると、昆布のような香りが一気に広がります。その後はメロンとリンゴの香りが続きます。

味わいは、苦みが強めで、酸味が奥にある印象です。

まとめ

バーボンにありがちの接着剤を思わせるエステリーな香りは少なめですが、代わりに昆布のような独特の香りがあり、別方向の癖があります。
いつものバーボンとは違った香りを楽しみたいのであれば、選択肢としていいでしょう。
  • メーカー:ペルノ・リカール(輸入元:キリンディスティラリー)
  • 容量:700mL
  • アルコール度数:40度
  • 香り:昆布の香りが先に訪れ、後からメロン、バニラ、リンゴと続く。
  • 味わい:ストレートだと酸味が上回るが、加水が進むほど苦みが目立つ。
  • ストレート A: 昆布の香りが癖だが、アルコールの辛みが少なく、甘くて飲みやすい。
  • ロック B: 昆布の香りは少なくなるが、氷が解けるほど苦みが増す。
  • 水割り C: 1:4だと昆布の癖は抑えられ、フルーツの香りを楽しめる。
  • ハイボール D: 昆布の香りが目立ち、強い個性的なハイボールに。