総務省が19日発表した5月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、生鮮食品を除く総合指数が101.6と前年同月から0.2%下落した。2カ月連続の下落となる。原油安でガソリンが16.4%値下がりしたことが響いた。新型コロナウイルスの感染拡大で宿泊料も4.0%下がった。
大部分の品目の調査期間は政府の緊急事態宣言が全面解除に至っていない5月13~15日。
年初からの原油安を受け、エネルギー関連が大きく下がった。ガソリンの下落率は16年3月以来の大きさだった。灯油は16.5%、電気代は2.0%、都市ガス代も3.3%下落した。総務省の担当者は「原油安は電気代やガス代に遅れて響く。エネルギー価格の低水準は続く」と述べた。
出張や旅行の減少で宿泊費が下がったほか、海外パック旅行費も6.2%下落した。家庭用耐久財は1.3%下がった。
生鮮食品を除く総合指数を構成する523品目のうち401品目は上昇した。上昇した品目数は15年3月以来の多さとなっており、エネルギーなど一部の大きな値下がりが全体を押し下げた。
例えば自炊の拡大もあって調理食品は1.0%上がった。菓子類も3.0%上昇した。感染防止対策で需要が増えたマスクは2.4%値上がりした。4月に需要減で値下がりした切り花は母の日の需要が盛り上がり、1.7%の上昇に転じた。
生鮮食品を含む総合指数は0.1%の上昇だった。上昇は3年8カ月連続。キャベツが36.3%上昇するなど生鮮野菜の値上がりが目立つ。自宅で食事する機会が増えたため消費が堅調で「値段を下げなくても売れるとの声を聞く」(総務省の担当者)という。