実写映画版『トランスフォーマー』は、それまでの伝統的な
TFのデザインを一新する意欲的な試みにより、新たなTF像を生み出した。
映画第二作目『トランスフォーマー リベンジ』では、
この傾向は更に強くなり、正統派のヒューマン体型から懸け離れた
異形のスタイルを持つTFが数多く登場する事となる。
その代表格とも言えるデモリッシャーのインパクトは大きく、
配布プレミアムに起用されるほど存在感のあるTFであった。
◆ 名前 : デモリッシャー シャンハイアタック
◆グループ: コンストラクティコン
◆ 変形 : テレックス / O&K
RH400 油圧ショベル
◆シリーズ: トランスフォーマー リベンジ
◆ 配布日: 2010年3月27日
◆ 価格 : 非売品
パッケージ
ビークルモード
世界最大のショベルカーとして知られる
テレックス・RH400は1997年から製造され、
全長約11メートル.、全高約10メートル、
重量は980トンという規格外の大型重機。
巨大なバケットは45m³の容量を誇り、
一度に85トンもの土砂をすくい上げる事が出来る。
サイド
シンプルなデザインの四角い車体や大型のクローラー、
上方を向いたバケットや太くパワフルなブーム及びアーム等、
実機のRH400の特徴をリアルに再現している。
車体サイドには赤いラインと共にディセプティコンマークが
タンポ印刷されており、トイの完成度を高めている。
リア
EZコレクション故に小サイズのトイだが、
車体左側に造形された運転席の大きさや
運転席に登る為の階段からも、
巨大なショベルカーである事が分かる。
又、成形色は真っ白ではなくパールホワイトで構成されており、
映画版TFに相応しいリアルさも表現されている。
車体本体と繋がっているブームは変形の都合上、
固定されているが、アーム部分は可動する構造となっている。
クローラー底面には二つの車輪が設置されており、
車体後部に収納されている大型タイヤも回転する為、
転がし走行も可能で、ショベルカーモードの遊びも充分備えている。
トランスフォーム!
ロボットモード
上半身のみで構成されている様な
奇抜なデザインのロボットモードは、実写映画に登場した
異形トランスフォーマーの中でも代表格と言えるだろう。
配布プレミアムながらも、顔は赤、黄色、ガンメタルで
細かく塗り分けているという拘りが嬉しい仕様である。
リア
移動の手段であり脚部の代わりとなる大型のタイヤは、
本来クローラーが円形に変形する設定で、ボイジャークラスの
デモリッシャーでは設定通りの変形機構を再現していた。
EZコレクション版ではクローラーと大型タイヤを
別々のパーツを取り付けて再現するという柔軟な発想により、
ビークル、ロボットモードのスタイルの良さを両立させている。
特殊なスタイルのTFだが可動も備わっており、
肩は左右に回転し、肘も曲げる事が出来る。
EZコレクション版はビークルからロボットへの変形に加え、
コンストラクティコンが7体合体してデバステーターにも
変化出来る優れ物で、更に各単体のロボットモードでも
各部に可動箇所を設けているという驚きのトイである。
明確な脚部が無い特殊なスタイルのデモリッシャーは、
一本足の如きタイヤと両腕を接地させる事で自立出来る。
更に安定性を増す事が可能で、背部に背負っている
クローラーを下ろすと接地する箇所が増えるので
簡単に自立出来るという、遊び易さを考慮した設計が秀逸。
『デモリッシャー シャンハイアタック』の名称は、
映画『トランスフォーマー リベンジ』の冒頭のバトルシーンで
デモリッシャーが暴れ回る舞台が上海だった事に由来する。
デモリッシャーのトイはボイジャークラス版が製作されており、
赤と白のツートンカラーのRD-03 デモリッシャーが
先行して発売され、映画公開後、半年以上経った2010年1月に
白いボディのRD-19 デモリッシャー シャンハイアタックが登場した。
ボイジャークラス・デモリッシャー シャンハイアタックの
カラーリングをEZコレクションで再現したアイテムが
このプレミアム版デモリッシャーである。
更にシャンハイアタックVer.の白いボディカラーの
EZコレクション・デモリッシャーは一般発売されず、
限定配布されたプレミアムのみとなった為、
配布キャンペーンはファンにとって注目に値する物となった。
EZコレクション・デモリッシャー シャンハイアタックは、
2010年3月27日(土)から実地された
『トランスフォーマーアニメイテッド発売記念キャンペーン』で
配布された限定EZコレクション3種類の内の一体。
トランスフォーマー アニメイテッドの販促キャンペーンながらも
ムービーシリーズのEZコレクションを起用しているのは、
2009年~2010年に展開していたTFリベンジのトイシリーズが継続中で、
映画作品故に一般認知度が高かった事が理由の一つと考えられる。
リアルさを追求した実写映画版TFの対極の様な
カートゥーン色が強いTFアニメイテッドではギャップが激しい為、
映画版で獲得したファンを取り入れるには、ムービーシリーズのトイを
限定プレミアムとして使用する事が理に適った方法だったのだろう。
このキャンペーンで配布された限定EZコレクションは、
全て『トランスフォーマー リベンジ』シリーズで登場したトイのリカラー版である。
EZコレクション・デモリッシャー シャンハイアタックは、
2010年3月27日(土)より全国のトイザらス限定で配布され、
『トランスフォーマー アニメイテッド』シリーズのトイを
税込み3000円以上購入するとプレゼントされたアイテム。
他店とは異なりトイザらスでは配布数を公表しており、
全国先着4000個限定とされ、比較的入手し易いプレミアムであった。
◆EZコレクション・スカベンジャーとの比較◆
ロボットモード
元々G1TFのビルドロン部隊の一人で、パワーショベルに変形する
スカベンジャーをモチーフにしたキャラクター故に、
単体販売されたEZコレクション版ではスカベンジャーの名称が使用されている。
同様にスプリームクラスの大型アイテム・RD-16 デバステーター セットに
付属するパワーショベル型TFもスカベンジャーと命名されている。
リア
映画では油圧ショベル型のコンストラクティコンが複数登場している。
冒頭でオプティマスプライムと対決する白い個体がデモリッシャーで、
後の工事現場のシーンでデバステーターに合体する
赤&白のショベルカー型TFがスカベンジャーと考えられる。
ビークルモード
トイではデモリッシャーとスカベンジャーという名称が使用されたが、
映画ではこれ等の名前ではなく『ホイールボット』(WHEELBOT)と命名されている。
巨大なタイヤで移動するスタイルから名付けられた便宜上の名称と思われるが、
エンドロールの声優の役名にもホイールボットと記載されている。
リア
又、海底に沈められたメガトロンを救う為に集合した貨物船の甲板にも、
アームの先端にペンチを取り付けた小型油圧ショベルが登場しているが、
これは本来、ホイールローダーのスクラッパー型TFでなければならない。
俯瞰の映像ではホイールローダーが映っているのだが、
船上の実機のシーンでは油圧ショベルに変わっており、
ロボットモードで海に飛び込む際はスクラッパー型の姿に戻っている為、
同一個体としては矛盾があるが、これは映画制作上のミスである。
デモリッシャーの巨大さはコンストラクティコンの中でも随一で、
大型タイヤで軽トラックを踏み潰したり、陸橋を叩き壊すシーンは
巨大さが際立っており、オプティマスプライムとの体格差も分かり易く示されていた。
ミニサイズ・トイのEZコレクションでは巨大さを充分に表現出来ない物の、
特殊なスタイルを設定通りにリアルに再現した手腕は評価出来る。
EZコレクション・デバステーター
更にメンバーを揃えればデバステーターに合体出来るという、
プレイバリューの高さは誰もが認める所であろう。
型は通常版のスカベンジャーと同じなので、
デモリッシャー シャンハイアタックも問題なく合体可能。
ボディと上腕が白になる為、通常版の赤いスカベンジャーのボディとは
大幅に雰囲気が変わり、目新しいデバステーターとなる。
デバステーターに合体させる事を大前提としている
EZコレクション版コンストラクティコンだが、
個々の完成度は非常に高く、デモリッシャーも
ロボット、ビークルモード共に優れた造形を実現している。
EZコレクション・デモリッシャーは単体でも充分通用するトイだけに、
映画劇中のカラーを再現したシャンハイアタックVer.の登場は、
多くのファンを魅了した事は間違いないだろう。
配布プレミアムながらも、ファンが求めていたアイテムを製作した事は
大変喜ばしいと実感するキャンペーンであった。
◆参考にならない比較◆
⇒ コンストラクティコン EZコレクション ランページ デザートコンバット
⇒ コンストラクティコン EZコレクション スキップジャック `
⇒ コンストラクティコン EZコレクション ペイロード `
⇒ コンストラクティコン ロボットヒーローズ ランページ `
⇒ 限定EZコレクション インフィルトレイター サウンドウェーブ `