医療現場から相次ぐ不満 「消毒用エタノール」供給策
新型コロナウイルスの感染が拡大した今春、マスクのほか、アルコール消毒製品も入手困難となった。厚生労働省は医療機関などに対し、手指消毒用エタノールの優先供給スキームを発動したが、現場では「納期が遅い」「値段が高い」「濃度が低い」などの不満が噴出した。日本医師会が供給の実態を調査し、6月上旬に結果を公表した。
調査によると、「何かしらの問題がある」と答えたのは都道府県医師会の53%にあたる25医師会。日医はさらに詳細を追跡調査し、17医師会が回答した。日医の長島公之常任理事は会見で、国に問題の改善を求め、調査を要望する考えを示した。
何が起こっていたのだろうか。手指消毒用エタノールは医療機関で需要が高まったほか、普段は使用していない高齢者施設などでも使うようになり、供給が追いつかなくなった。そこで国は都道府県を通じ、どのくらいの量が必要なのか調査した。厚労省の担当者によると、さまざまなメーカーから供給を受けたが、どういった商品を届けられるか確約できず、遅れも出てしまったという。
業界関係者は、不満が出た原因についてこう話す。
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