三つ目がオリンピックだ。
会計検査院は2019年12月、東京オリンピック・パラリンピックの関連事業に対する国の支出がすでに1兆600億円に達しているとの集計結果を公表したが、この事業にもパソナグループは手を伸ばしている。
パソナグループの中核企業・パソナは、会計検査院の発表の直前にあたる同年11月、「組織委員会運営スタッフ」を募集した。求人誌に掲載された情報によれば、時給1600円以上の有償のアルバイト・スタッフで、募集人数は2000人。10月には大会組織委員会が、20万人もの応募があった「ボランティア・スタッフ」のうち12万人を不採用としたばかりであった。
これに関しては、竹中氏が政権のアドバイザーとしてあからさまな介入を行った形跡はない。しかし、ならばなぜ、膨れ上がる五輪費用の削減に目が向けられる中、余分な出費までしてパソナを潤わせるのか。
ちなみに、有償のスタッフの任期は2月から9月の約240日間。日給およそ1万3000円として、1日当たり2600万円の出費。総費用は60億円以上にも上る。これにパソナへの手数料――委託費が加算される。
そして、今回の持続化給付金に関する騒動で、国民の目に触れなかった利権漁りの一つがまた明らかになったわけである。