2020年6月17日 / 07:00 / 2時間前更新

WHO、新型コロナ治療ガイダンス更新へ 抗炎症薬が効果

6月17日、世界保健機関(WHO)は、ステロイド系抗炎症薬の「デキサメタゾン」が初期段階の治験で新型コロナウイルス感染症の重症患者に対し効果がみられたことを受け、新型コロナウイルス感染症治療に関するガイダンスを更新する方針を示した。写真はWHOのロゴ。ジュネーブで2017年11月撮影(2020年 ロイター/Denis Balibouse)

[17日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は、ステロイド系抗炎症薬の「デキサメタゾン」が初期段階の治験で新型コロナウイルス感染症の重症患者に対し効果がみられたことを受け、新型コロナウイルス感染症治療に関するガイダンスを更新する方針を示した。

英国の研究チームは16日、人工呼吸器や酸素吸入が必要な重症患者にデキサメタゾンを投与したところ、死亡率が約30%低下したと発表した。重症でない患者では効果は確認されなかったとしている。

デキサメタゾンは1960年代から使用されている安価な抗炎症薬。研究チームは、まだ研究は初期段階だが、デキサメタゾンが早期に重症患者に対する標準的治療になることを示唆するとしている。

WHOのテドロス事務局長は16日夜に発表した声明で「酸素吸入や人工呼吸器を必要とする新型コロナ感染症患者の死亡率を下げることが示された最初の治療法だ」と称賛。研究チームから報告を受けており、数日内に完全なデータ分析が得られるとの見通しを示した。WHOは今後、複数の研究を統合したうえで俯瞰(ふかん)的に分析するメタアナリシスの手続きを進めるとしている。

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