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第9話「Rush」
〈ガッツ〉の鉄拳が、群がってきたガイサックの横面を殴り飛ばした。
「コノヤロ、コノヤロ、こォの野郎ォッ!」
〈ガッツ〉のコクピットに収まるゴドー、なお群れなし迫ってくるガイサックの 集団に自機の腕力任せに応戦しつつも、さすがに焦りの色を隠せない。
ハデスがゴドーに与えた10日間の猶予も残りあと6日。再戦にやる気を見せ、 兄貴分であるストライクの元に相談に訪れたゴドーに対し、ストライクはある 男に会えと示唆した。その男の持っているゾイド用の武器ならば、ハデスの ロードゲイル、その妹ヘルメスのスティルアーマー、この“最強の矛と盾” のコンビネーションに対抗できるというのだ。
同行を申し出たアミーナのレドラーを伴い、フォッシルコロニーから離れた 砂漠の真ん中へと歩を進めたゴドーだったが、途中、砂漠に潜んでいた 野良ゾイドであるガイサックの群れの強襲を受けたのである。
「ゴドーっ!」
上空を旋回しつつ、密集しすぎている状態に手の出しようないアミーナの レドラー。と、1機のガイサックが手のレーザークローを振り上げつつ宙に 跳ねた。増加装甲に覆われた頭部を直接狙ってくる。やべえ、と唸るゴドー。 刹那、
DON! 突然の一撃が、今まさに〈ガッツ〉に襲いかかろうとしていた ガイサックの1機の頭部を吹き飛ばした。〈ガッツ〉に攻撃を仕掛けるまでも なく、密集する仲間たちの群れの中へと落ちていく残骸。
何事かと驚く二人を尻目、更に第二射、第三射が〈ガッツ〉に群がるガイサ ックをことごとく撃破していく。長距離砲による狙撃、それも、驚くほどに 正確な射撃だ。見えない相手にことごとく仲間を撃たれ、危険を察したのか ガイサックの群れが再び砂の中に戻っていく。僅かな合間に、たちどころに 砂漠の上から全機消え失せるガイサックの群れ。もはやその場に残っている のは、狙撃され破壊された数機の残骸と、茫然と立ち尽くす〈ガッツ〉のみ。
〈ガッツ〉の傍らに着陸する白いレドラー。それぞれの機体のコクピット から折り、唖然と静寂を取り戻した砂漠を見つめる二人。
「一体なにが起きたんだよ」
「悪趣味に装甲で飾り立てたゴドス――ほう、貴様がゴドー・スマッシュか」
拡声器から響いてきた声に振り返るゴドー。ズン、ズン…、陽炎に歪む 視界の中、砂上を歩いてくる、二足恐竜型ゾイドのシルエット。
左肩には大振りな装甲板。右肩には、たった今ガイサックの群れを狙撃した と思われるレールガン。そしてその頭部には、精密な狙撃を可能とするための 集中型センサーユニットが作りつけられている。しかも、その機体本体は…、
「イグアン…だと?」
〈ガッツ〉の機体となる共和国側の主力量産型機であるゴドス。戦時中、それに 対抗すべく帝国側が開発した量産型の機体が、このゴドスと酷似した外観を持つ 機体、イグアンなのだ。後発機ということもあり、その総合性能はゴドスを 上回るものとなっている。
そのイグアンのコクピットが開き、パイロットである大柄な男が降りてきた。 年の頃は四、五十代といった顔つきだが、その筋肉質の精悍にて逞しい肉体は年 齢を感じさせないものだ。
「ストライクから話は聞いている。なるほど、まだまだ子供か。ゾイドの改造の 具合も当然というもの」
「なんだと…」
「貴様の乗機、ゴドスとは本来その高い闘争本能と、小型機である体格を 生かした機動力こそが本領となるゾイド。それを機動性を殺すような重い装甲で 飾り立てるなど、子供の仕業と呼ばずしてなんと言う」
「こっ、この――」
「まあいい。ストライクの紹介とあればお前たちは俺の客人。歓迎するぞ、 ゴドー・スマッシュ」
ふ、と笑い、二人の元に歩み寄る。そして、客人と呼んだ人間の手を取り、 その顔を正面から見据える。
「可愛い顔に似合わずごつい名前だ。だが名前とは名付けた人間の願いが 込められたもの。それが親となれば尊い。決して恥じるものではないぞ」
「はーい」
「ってコラそこのオヤジ、わざとだろ絶対わざとボケてるだろ!」
アミーナの手を取り真摯に語る男、タルス・タルカスに対しゴドーが吼えた。
★
砂漠にひとり武器屋を営むタルス・タルカスの住居は、かつての軍の 基地施設跡を改造した、ひとりで暮らすには広大なものだった。施設跡と いってもタルカス本人が使っているのはかつての格納庫跡であり、そこには 〈バレット〉と名付けられた自機イグアンガンナーと、売物である多種多様な ゾイド用の武器が並んでいる。
「俺も元々は貴様と同じゾイドハンターだった。だが、ここを拠点に野良ゾイド 狩りをしているうちにガラクタが集まり、副業のつもりで売物にしたら、 いつの間にかゾイドの武器屋として名が通ってしまった。ストライクの奴とも そんな縁だ」
格納庫の一角、生活道具が納まっている小さな部屋に招かれ、茶を振舞いつつ 二人に自己紹介するタルカス。
「奴は、元気でいるか」
「はーい。えーと、あとー、これ預かってきましたー」
つまらなそうに憮然としているゴドーの横で、アミーナがいつもの間延び した口調で、ストライクから預かってきた手紙を渡す。ふむ、と手紙に目を 通すタルカス。
「タルカスの旦那元気か。俺は元気だ」
「ガキの手紙かよ!」
「あの店、チハルちゃんっていい子が入った。旦那好みのパイオツバイーンに ちょっと舌足らずでタレ目気味なところがイイ感じ。またあそこ行こうあそこ。 ただ最近不景気のせいでビール一杯でも結構ボッタくられるから軍資金は大目の こと」
「んなとこ口に出して読むな!」
「ふむ、チハルちゃんの出勤曜日とご指名の相場は…」
「そんなもんまで書いてあんのかよ! ってメモ帳にチェック入れてん じゃねえよ!」
「わー、ゴドー、いつもよりツッ込みはげしい」
なぜか、ぱちぱちと拍手するアミーナ。
「あとついでに…」なお、手紙を読むタルカス。「この手紙持ってくる小僧に、 俺が昔あんたに預けたアレ、渡してやってくれや――手紙には、こう書いてある」
「ついで扱いかよ…」カックン、とうなだれるゴドー。「――まあいいや。 もうさっさとソレくれソレ。俺たちゃあんたにそれしか用事ねえし」
「断る」
簡単なまでに、断言する。
「なっ、なんだよそりゃあ!」
「ストライクからの預かり物、貴様には似合わん」
「そのストライクの兄貴が、俺に譲れって言ってるんだろうが!」
「今は俺の売物。俺は、自分の目に適う相手にしか武器は売らん。はっきり 言うぞ、ストライクからの預かり物、貴様には荷が重過ぎる、似合わん。…ただ」
その視線をアミーナに向けた。うむ、と頷き、懐中から出したものをアミーナに 渡す。
「君、これを装備しなさい。君にはこれが似合う」
はい? と疑問符付きで受け取るアミーナ。なにやらパステルカラーの、 柔らかい布に綿が詰まった、紐で結ばれた縫いぐるみ状のふたつの三角錐…。
「ねこみみだー♪」
「ネコ耳なのかよっ!」
ツッ込みがまんまだった。
「ねこさん、ねこさん、ねこにゃーにゃー♪」
「ってお前マヂですかマヂで嬉しいんですかそれっ!」
楽しそうに頭にネコ耳を装着して喜ぶアミーナの姿に、なおいっそう深々と 頷くタルカス。
★
意地でも食い下がってくるゴドーに、タルカスはそれならばと条件を出した。 昼間自分達を襲った野良ガイサックの群れ。それを狩ることでゴドーに ストライクからの預かり物を手にするだけの技量があるかどうか見極めると いうのだ。
「畜生あのオヤジ、俺様の実力を見せつけて『無礼な口叩いてごめんでした』 って絶対ぇー言わせてやる…」
夜、ゴドーは整備ハンガーに収められた〈ガッツ〉の整備を続けていた。 明日の仕事に備えて相棒をベストの状態にしておく。ゾイドを相棒として日銭を 稼ぐ乗り手の、当然の流儀である。
「ゴドー、お夜食持ってきたー。あとで手伝うから休憩にしようよー」
「お、サンキュ」
アミーナの声に振り向き、その姿を目の当たりにして、危うくずっこけて 地上数メートルのハンガーの上から落ちかける。
「なんなんだよそのフザケすぎた格好は!?」
「わ、またツッ込み」と、簡単な夜食が乗った盆を持つアミーナの格好は… 白い体操着に、すらりとした生脚が覗く紺のスパッツといういでたちだった。 「えーとねー、タルカスさんがー、整備仕事を手伝うつもりなら動きやすい からこれを装備しなさい。君にはこれが似合う、だって」
「狙いすぎだめっちゃ狙いすぎだあのオヤジ!」
なんでやねん、と空気にぶつくさツッ込み入れつつ、夜食を取るゴドー。
「完全にアタマ来たあのオヤジ…見返す。絶対ぇー見返しちゃる」
「うーん、タルカスさん、面白い人と思うけど」なおのほほんとしている アミーナ。「ゴドーはぁ、タルカスさん、嫌い?」
「好きとか嫌いとか以前に気に喰わねえ。人様の相棒に対するコーディネートに ケチつけやがって」昼間、自身の改装による〈ガッツ〉の装備を批判された ことに憤る。「乗ってやがんのがイグアンってのも気に喰わねえ」
「あの、〈ガッツ〉のお友達みたいなゾイド?」
「勝手に友達にすなっ! イグアンってのは、戦時中〈ガッツ〉と同じ形の 機体、ゴドスに対抗するために開発された、言わば〈ガッツ〉にとっちゃ天敵 みてえな機体なんだよ。〈ガッツ〉! 明日は絶対あのクソオヤジとガラクタ イグアンを見返すかんな! いいな!」
その、やる気まんまんのゴドーに対し、ググゥ…と低く唸る〈ガッツ〉。
「〈ガッツ〉はー、不満っぽい」
〈ガッツ〉の唸りに、呟くアミーナ。ゴドー、はぁ? という顔になる。
「だって〈ガッツ〉、自分とそっくりのゾイドに会うって始めてだもん。 〈ガッツ〉だって興味しんしんだよー。ねー?」
そのアミーナの言葉に、当の〈ガッツ〉が、まるで頷くような仕草を見せる。
「こっ、この野郎…男の意地がかかってんだぞコラァ!」
そのゴドーの叫びに、ぷい、と横を向く〈ガッツ〉。アミーナがたまらず、 くすくすと笑いを漏らす。
「だぁぁっ! コノヤロ手前ぇーーーっ!」
★
同刻、タルカスは深夜の客の訪問を受けていた。タルカスにとっては 馴染みの顔だ。
「ソードレールキャノン用の砲弾5カートン分だ。残念ながら在庫がこれしか 用意出来んが」
「構わない。使いどころの判断さえ誤らなければ、問題ない弾数だ」
見た目に合わない口調で応じる、まだ少女といった客――ゴドーの仇敵、 ハデスの妹、ヘルメス。
受け取った、砲弾の詰まったコンテナを運び出し、格納庫の外で待っていた 自機スティルアーマーの胴体に手馴れた手つきで括り付ける。
「亡霊となったはずのデュケーンナイツが弾を欲しがるとはな。戦争でも 仕掛けるのか?」
「見張り番だ。今のところはな」
「あの小僧の機体…どう見たってガキがゾイドの基本性能も無視して 面白がって改造した“死に体”だ。お前らのような騎士様が、躍起になる相手 とも思えんがな」
「だが、兄さまはあの男に決闘のための猶予を与えた」作業の手を休めず応じる。 「ならば…あの男には強くなってもらわなければ困る。“誇り高き騎士”たる 兄さまの相手が務まるぐらいにな」
「亡霊があの小僧に、“誇り高き騎士”の幻を見たか」
にや、と笑うタルカス。振り向いたヘルメスに向かい、懐から取り出した ものを投げる。キャッチするヘルメス。
「これは…」
「お得意様へのサービス品だ。装備するがいい。貴様には、それが似合う」
控え目な装飾を施された、淡い色あいのコンパクト。
「受け取れない。私は――」
「顔に油が付いているぞ。良く見て拭くがいい」
言われて、は、と黒い汚れの付いた頬に手をやるヘルメス。
★
翌日。ハデスがゴドーに与えた猶予はあと5日。
〈ガッツ〉と白いレドラー、そしてタルカス乗り込む〈バレット〉は砂漠にいた。
「やってもらうことは簡単だ。俺と一緒に、昨日同様野良ガイサックの群れの 相手をしてもらう。ただし、昨日みたいに無様に取り囲まれ、身動き できなくなった時点で貴様の負けだ。さっさとフォッシルコロニーへ帰るがいい」
「言われなくてもさっさと帰ってやらあ。ストライクの兄貴の預かりもんを 手土産によ」
「では、やるぞ」
〈バレット〉の右肩のレールガンが、砂漠の一点へと目掛けて撃たれた。 DON! 撃ち込まれた発破用のニトロ弾が、盛大な爆発と共に大量の砂塵を 巻き上げる。そして、大気を霧のように霞ませる砂塵が晴れてくる頃、 砂の下から続々と姿を現してくるガイサックの群れまた群れ――。
「うおおおっ!」
ゴドーの雄叫びを狼煙に、2機が動いた。迫るガイサックの群れへと 向かって、駆け出す2機の二足恐竜型ゾイド。
「ふたりともー、頑張ってー」
アミーナのレドラーがさっさと上空へ退避、群れの襲撃を避ける位置に行く。 そして、タルカス駆る〈バレット〉の、背のバインダーが開いた。 フレキシブルスラスター。後発機ゆえに装備された、ゴドスにはない 高機動装備である。噴射炎を砂の大地に叩きつけ、砂塵を巻き上げ 低空飛行体勢に移る。
一方、雄叫びを上げ、〈ガッツ〉をその群れなす敵機の真っ只中へと 駆け出させるゴドー。その様に、やはり子供か、と思うタルカス。元より 足場を取られやすい砂漠では、二足歩行型のゾイドでは不利な地形なのだ。 背にフレキシブルスラスターを装備し、低空ならホバリングで機動できる イグアンならともかく、ゴドスの機体では…。
と、意外な光景に目を見張るタルカス。タルカスの目前で、1機、また 1機と、〈ガッツ〉の突進の前にことごとくガイサックの群れが跳ね 飛ばされていく。
あれほどの重装甲に、ただでさえ足場を取られる砂漠。 またすぐに昨日助けたとき同様、群れに囲まれて身動きが出来なくなるはずと タカをくくっていたものが、それがゴテゴテと装備されている装甲の重量を ものともせず、しかも砂という足場の上で驚くべき突進力を見せているのだ。
「負けておられんか」
タルカスもまた、〈バレット〉の真正面に来たガイサックを鉄拳で叩き 飛ばす。そして、1機1機叩く度、〈ガッツ〉のほうに視線を送った。 昨日のように、無闇に取り囲まれることなく、常にその足を止めずに砂を蹴って 駆け続け、しかもその重装甲に見合わぬ敏捷さを見せつけ正面から来た敵には 頭突きで、横を併走する敵には肩の電磁ブレイカーでと、その増加した自重と 見合わぬスピードによる衝突力を武器に、ことごとく群がるガイサックを 叩き潰していく。
「アミーナ、教えろ。あのゴドスの突進力は、なんなのだ?」
「えーとー、わかんない」タルカスからの通信に応じる、間延びしたアミーナの 声。「でも〈ガッツ〉、足がとってもはやいから」
「あの脚で、どうして昨日は…」
「昨日はー、突然私たちの周りを取り囲むように現れちゃったから」
「動きを封じられないかぎり、あの突進力は最大の武器か…」
しかも、その礎となる脚力は、増加装甲の重量をカバーして有り余る ものなのだ。ゾイド乗りとしてのタルカスに、〈ガッツ〉と名付けられた ゾイドに対する興味が湧いた。では果たして、あのゴドー・スマッシュは、 あれだけのゾイドの能力を100%生かせる技量を持っている乗り手なのか?
「舐めんなァッ!」
〈ガッツ〉の両手が、頭上から振り下ろされてきたガイサックの尻尾の先端を 掴んだ。ザザァッ、そのガイサックの尻尾を掴んだまま、〈ガッツ〉の足が 砂上を激しく抉る。そのまま勢いに任せてガイサックの機体を振り回す。 GAN! 真横から来た別のガイサックの真正面から、振り回した機体を 叩き付けた。その2機が同時に行動不能となると同時、砂上を突進し続けた 〈ガッツ〉の脚がついに止まる。
ガイサックの残骸が無数に転がるその場に 立っているのは、〈ガッツ〉と、同様にガイサックの群れを倒し続けた 〈バレット〉の2機のみ。
「どうだクソオヤジ、恐れ入ったかよ」
「ああ、恐れ入った――その〈ガッツ〉とやらにな」
「何だと?」
「その〈ガッツ〉、ただのゴドスでない。果たしてそれは、貴様に似合うもの なのか」
「こっ、このクソオヤジ!」
ゴドーが激昂しかけた、刹那、
「――ゴドー、タルカスさん」唐突に、アミーナのやけに落ち着いた声の通信が 入る。「下から何か、来る」
アミーナが、そう呟いた瞬間、
ビュッ――! 突然、砂の中から飛び出してきた“何か”が、高速で 〈ガッツ〉に襲い掛かった。
GAN! 真横から激しい一撃を受け、倒れかける〈ガッツ〉。
「うわ!」
唸るゴドー。何事かと視線を走らせるが、すでにその“何か”、再び砂の 下へと潜っている。
「見えなかった!?」
「砂漠であのスピード――いかん」
タルカスがそう呻いた瞬間、またも砂から飛び出してきた“何か”の強烈な 一撃を受ける〈ガッツ〉。全身の追加装甲のおかげで衝撃からは守られた ものの、その驚くべきスピードに、敵の姿を目で捉えることが出来ない。
「どこ行きやがった!?」
再び砂の中に消えた敵を探し、視線を巡らせるゴドー。
「一旦退くぞ、ゴドー・スマッシュ。こと砂漠という地形では、奴は無敵だ」
「無敵…って、そんな強ぇ奴ってなんなんだ!?」
そう、ゴドーが唸った瞬間、〈ガッツ〉の真正面の砂上が弾け、その長大な 姿が砂中から空中へと飛び出す。
その、宙に舞う特異なシルエットの前に、言葉を失うゴドー。
「――ステルスバイパー」
その、砂漠においては無敵の存在となる機体の名を、タルカスは忌々しげに 呟いた。
あとがき
「ゾイドジェネシス」面白ぇーよ! 約4ヶ月ぶりの「荒鉄」新話ですが、 その間にも新番組「ゾイドジェネシス」が始まり、幸いうちの地方でも 視聴できることとなって見始めたら、少なくとも2話の時点ではすげー良作げな アニメ。このアニメの良好な出来に引きずられる形で、しばらく燻っていた ゾイドコンテンツの更新のヤル気がイッキで迸りましたですよ。
今回は「~ジェネシス」がベーシックな路線のゾイドの扱いをしている 展開に倣って、旧世代のだけゾイド出演としてみましたです。ガイサックは、 やっぱり群れで描写せんといかんです。気分は映画「スターシップ・ トルーパーズ」。あとイグアンに関しては、これまで一度もアニメに 出たことない、売り場の売れ残りゾイドの常連という悲しさを少しでも返上 してやるべく登場させました。ゴドスの後発ライバル機って設定は、零戦に 対するヘルキャット(ゾイドのほうじゃなくて)って雰囲気でかっこいいのに…。
今現在、実は6月のイベントに合わせてガレージキットの原型製作の真っ最中 なのですが、休日2日あれば手軽に更新できるという意味でも「荒鉄」は楽しい コンテンツであります。この続きはまた早めに更新することを誓いつつ、 んではまた次回。
(2005.5.1)
豪雪地帯酒店・第二事業部はものをつくりたい すべての人々を応援します。
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