日本クルド文化協会のチョラック氏によると今春、この地域の在日クルド人としては初の大学生が誕生したという。「次世代の在日クルド人は、普通に日本の会社に就職して、もっと大きな付加価値を日本で生み出せるようになってほしい」(チョラック氏)と、地域全体でクルド人大学生の誕生を喜んでいる。

 川口市などでは、「今も100人以上のクルド人の子供が小学校、中学、高校に通っており、今年に続き来年も、大学生になる子供が出てくる見込み」(チョラック氏)だという。同氏の言葉からは、自分らのような在日クルド人の第一世代は建設業や飲食業など、従事できる仕事が実質的に限定されてきたが、次世代の在日クルド人は高学歴化し、就業できる職種が増えるだろうという期待がにじむ。

太鼓をたたきダンスの音頭をとる男性

国際問題が凝縮された、平和なお祭り

 話は、クルド人の新年祭ネウロズに戻る。

 その日の天気は良く、気温も上昇。日本人の見学者も数多く、屋台のケバブサンドを食べながら、クルド人のダンスや音楽を楽しんでいた。

クルド人が披露した歌やダンス