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"休校中"急増する少女からの妊娠相談...「不安だったね」24時間窓口やLINEでも寄り添う助産院

2020年05月19日(火)放送

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴う休校が続く中、少女たちから「思いがけず妊娠した」という相談が増えているといいます。一人で不安を募らせる彼女たちを懸命に受け止めようとする人たちがいます。

『体を売りました』『学校がお休みなので彼と毎日会うんだ』10代少女の“妊娠”の相談が急増

神戸市北区の「マナ助産院」では、助産師らによる24時間の相談窓口「小さないのちのドア」で、思いがけない妊娠などに悩む女性を支援しています。

永原郁子院長は新型コロナウイルスの感染拡大とともに、「10代の少女からの相談が急増し始めた」と言います。

「3月になって10代の相談がそれまでの倍に増えて、4月になったら1日に何件も、3倍から4倍くらいに。援助交際とか、時には『体を売りました』という言葉とか。アルバイトが無くなって収入が無くなった、というのもコロナの影響だと思うし。『学校がお休みなので彼と毎日会うんだ』とか。これまでとは違う社会の動きの中で、子どもたちもやっぱり影響を受けているなと思います。」(マナ助産院 永原郁子院長)

多い日には20人…小学生からの相談も

助産院の相談窓口で働く保健師の西尾和子さん。多い日だと20人近くとやりとりをしていて、少女たちとは主にメッセージアプリ「LINE」でコミュニケーションをとっています。

【西尾さんと少女のLINEのやり取り】
  (少女)「こんにちは。ここでは未成年でも相談出来ますか?」
(西尾さん)「もちろんですよ。ご相談ありがとうございます。どうなさいましたか?」
  (少女)「たぶん妊娠しています。」

「(LINEは)ツールとして相談しやすい。電話はハードルが高いというのもありますし、いま外出自粛の中で『お父さんお母さんが家にいるから電話ができない、声を出せない』と。」(西尾和子保健師)

相談してくるのは高校生や中学生だけではありません。小学生の相談もあったといいます。相談のやり取りを見せて頂くと、「10さい」の文字がありました。

心がけているのは、不安な少女の心に寄り添うことです。

【西尾さんと少女のLINEのやり取り】
(少女)「援助交際で妊娠していた場合どうなりますか?高校のこととか私がどうなるかが心配。」
(西尾さん)「どのような場合であっても妊娠していたら産むか産まないかが大きく選択肢としてあります。一緒にこれからのこと考えていけたら。」

LINEだけで解決しない場合は、深夜でも2時間以上も通話する場合もあります。

「『すごく不安だったよね』という話をすると『そう言ってもらえると思ってなかったです』『怒られると思いました』という言葉も結構出てくる。親に言えない、どうしようという中で相談してくる子が多い。」(西尾和子保健師)

少女たちがSOSを出しやすい環境を大人が整える必要

永原院長は、少女たちがSOSを出しやすい環境を大人が整える必要があると話します。

「(新型コロナウイルスで)大人自身がもう精一杯なんですよね、いっぱいいっぱいで子どもに目が届いていないというのがあると思うんですよ。本当にお子さんの状況を見て、何よりも『大丈夫だよ』というのが大人の役割だと思う。」(マナ助産院 永原郁子院長)

(5月19日放送 MBSテレビ「Newsミント!」より)

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