世界で約40人のリアリティショー出演者が自殺。ネットの誹謗中傷がひどかった
5月23日、22歳という若さで亡くなった女子プロレスラーの木村花さん。人気リアリティショー『テラスハウス』への出演がきっかけで、ネット上で誹謗中傷を受けるようになり、心無い言葉の数々が彼女を追い詰めたのではないかといわれています。
花さんの死は、欧米メディアでも数多く報じられました。それだけ『テラスハウス』の海外人気が高かったこともありますが、同時に“ネットリンチ問題”がどの国でも深刻化していることを表しています。
これはリアリティショーでなく劇映画ですが、女性版『ゴーストバスターズ』に出演したレスリー・ジョーンズ(52)は、同作が公開された2016年当時、誹謗中傷に悩まされたハリウッドスターです。
アフリカ系のレスリーに対する差別的なツイートは、彼女をゴリラに例えるなど下品で卑劣極まりないものばかりでした。
当初はそうした中傷に対し、ユーモアあふれるコメントでやり返していた彼女も、その数と内容の酷さに「もう何も感じられない。麻痺してきた」と訴えるまでに。最終的にはツイッターアカウントの「閉鎖宣言」をするところまで追い込まれました(現在は再開)。
後日、ツイッター社は誹謗中傷を扇動したとして、保守系ニュースサイト『ブライトバート Breitbart』の編集者の利用を禁止し、永久追放したと『USAトゥデイ USA TODAY』などが伝えました。
こちらも劇映画ですが、『スターウォーズ最後のジェダイ』に出演したベトナム系米国人のケリー・マリー・トラン(31)も、ネット上で人種や見た目に関する差別的な攻撃を受けていた女優。
同シリーズで主要キャラクターに初めて抜擢された非白人女性として話題になっていたケリーでしたが、2017年末の作品公開直後から、過激なファンのやり玉に上げられるように。
BBCによると、誹謗中傷の中には、キャラクターに対する不満だけでなく、ケリーの体重やアジア系であることをバカにしたものが多く、耐えきれなくなった彼女はインスタグラムの投稿を全削除してしまいました。
彼女のアカウントは今も残っていますが、以来、投稿は一つもないままになっています。
花さんの死を受けて、『ザ・ガーディアン The Guardian』(5月27日)はリアリティショーのあり方について言及しています。
同誌によると、イギリスで今も放映されている恋愛リアリティショー『ラブ アイランド LOVE ISLAND』の出演者はこれまでに3人も自殺しているそう。
2016年に同番組に出演していた元ミス・イギリスのソフィー・グラドン(当時32歳)が、2018年にネット上の誹謗中傷を苦に自殺。その第一発見者だった彼女の恋人も、後追い自殺をしています。
2019年3月、元サッカー選手で、2017年に番組に出演していたマイク・タラシス(当時26歳)が、自宅近くの林で首をつって自殺。番組製作者による出演者のアフターケア体制がなっていない、と批判が集まりました。
さらに、同番組では今年に入ってからも、司会を務めていたキャロライン・フラック(当時40)が自殺。彼女の死は、恋人への暴行疑惑に関するメディアの執拗なバッシングが原因だといわれています。自殺した当時、彼女はすでにスキャンダルを原因に番組を降板させられていました。
2019年3月24日の『メトロ METRO』UK版は、これまでにリアリティショーに出演して自殺したスターは38人いると発表していました。たった1年で増えてしまうとはやるせない気持ちです。
ハリウッドスターをSNS閉鎖に追い込む差別ツイート
全世界で約40人のリアリティショー出演者が自殺、英番組では3人も
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