山形県内では新型コロナウイルスの感染者が確認されない日が続いていますが、山形大学医学部は15日、県内で初めてとなる「抗体調査の結果」を公表しました。抗体を持つ人は最大で1万人と推計され、山大医学部では県内の第1波は深刻な広がりではなかったと見解を示しました。

新型コロナウイルスについて山形県は15日、新たなPCR検査はなく感染者はいなかったと発表しました。感染者が確認されなかったのは42日連続で、PCR検査自体が行われなかったのは今年3月15日以来、実に3か月ぶりです。収束の傾向が色濃くなる中、山形大学医学部は15日県内で初めてとなる「抗体調査の結果」を公表しました。

(山形大学医学部附属病院・森兼啓太感染制御部長)

「(これまで感染が明らかになった)69人の見える患者がいる。この69人以外に感染している人がいなかったのかと、これに応えるひとつの調査のあり方が、きょう紹介する抗体検査」

「抗体調査」は不特定多数から検体をとり抗体の有無を検査するもので、過去に「無症状の患者」が何人いたかどうかを炙り出すものです。調査は6月1日から4日に附属病院を受診し採血した患者1009人の血清をサンプルに行われました。このうち「抗体がある」とされた検体は5つで陽性率は0.5%でした。この結果に統計学的な計算を加えると、県内では推計で

「およそ670人から1万人」がすでに抗体を持っていることになるということです。これを受け山大医学部では、県内での第1波は「深刻な広がりではなかった」との見解を示しました。

(山形大学医学部附属病院・佐藤慎哉病院長)

「600人なり1000人の実は感染者がいたと解釈するよりも、落ち着いていると言われている地区の抗体検査の結果とほぼ同じ、そういう意味で山形の感染者数は決して多くない、少ない」

一方で抗体を持つ人が少ないということは「第2波が広がりやすい」ことも意味します。

(山形大学医学部附属病院・佐藤慎哉病院長)

「感染対策・感染予防はしっかりしていかないと、感染しやすい県民の方がいっぱいいるんだと解釈してほしい」

山大医学部では再び感染が県内で広がることがあれば、改めて抗体調査を行うということです。