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「不条理」の意味と使い方・「理不尽」「不合理」「非合理」との違いは?現役記者がサクッと解説!

「不条理」(読み方:「ふじょうり」)という言葉は、主に「不条理な世の中」「世の不条理」などの形で用いられています。

といってもこの言葉は日常的によく使われる語ではなく、具体的にどのようなことを表しているのか、また「理不尽」「不合理」「非合理」といった同じような意味のある語とはどのような違いがあるのかと疑問に思うことがあるかもしれません。

そこで、ここではこの言葉の基本的な意味と使い方、また「理不尽」「不合理」「非合理」と比較しながらそれぞれの違いについて、科学・技術系記事の執筆を中心に活躍する筆者が解説していきます。

「不条理」の意味と使い方

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それでは、始めに「不条理」の意味と使い方を説明していきます。

「不条理」の意味は?

まず、「不条理」には「物事の筋道が立たないこと、道理に合わないこと」という意味があり、「物事のあるべきさまや理、もしくは論理に反していること」を述べる場合に用いられます。

また、「不条理」には、「人生に意義を見出す望みがないこと、絶望的な状況」という意味もありますが、これは哲学における実存主義で用いられる専門用語です。

そして、この言葉の由来も実存主義から来ており、同哲学分野におけるフランス語の「absurde」やドイツ語の「Absurdität」を日本語訳したものが「不条理」であるとのこと。

さらに言うと、「absurde」や「Absurdität」は、「不協和な」を意味するラテン語の「absurdus 」を語源としているそうです。

「不条理」の使い方は?

それでは、次は「不条理」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

この言葉は、たとえば以下のように用いることができます。

「若くして病気で亡くなった彼のことを思うと、その不条理な運命を嘆かずにはいられない」

「人生や世の中の不条理を挙げたらきりがないが、だからこそ、その不条理の中での在り方を追求することが必要だ」

「大地震で周辺の街が一変し、この世の不条理を実感する」

「震災による被害を目の当たりにして、不条理な現実に呆然とする」

「不条理演劇では、人間、特に現代人の不条理性や不毛性を描く」

「その漫画は、シュールな作風と常軌を逸した不条理な展開から漫画界以外でも大いに話題となった」

「私は中世ヨーロッパの歴史を学んだ時、魔女裁判のあまりにも不条理な判定にショックを受けた」

「猛威を振るう台風の影響で農作物に大きな被害が出たというが、何とも不条理な話だ」

「幼い頃の純真さは、やがて世界の不条理にぶつかり、戦い、敗北し、消えていった」

「不条理」の類義語は?

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それでは、次は「不条理」の類義語・類語である「理不尽」「不合理」「非合理」について見ていきましょう。

まず、これらの語の意味は以下のようになります。

「理不尽」:道理をつくさないこと

「不合理」:道理や理屈に適っていないこと

「非合理」:論理や道理に合わないこと

「理不尽」の使い方は?「不条理」との違いは?

それでは、次に「理不尽」の使い方と、「不条理」との違いについて見ていきましょう。

この語はたとえば以下のような使い方があります。

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