米グラミー賞が“アーバン”の用語を含むカテゴリーの名称を変更
TylerやBillieの発言を含む、現在の時流を反映して変更へ
6月10日(現地時間)、グラミー賞を主催する「Recording Academy(レコーディング・アカデミー)」が2021年1月に発表予定の第63回グラミー賞において、いくつかのルールとガイドラインに変更を加えたことを発表。その中で、“アーバン”という用語を含むカテゴリーの名称を変更することが明らかになった。
この決定は、先日「Republic Records(リパブリック・レコーズ)」が今後音楽ジャンルにおいて“アーバン”という用語の使用禁止を発表したことや、Tyler, The Creator(タイラー・ザ・クリエイター)、Billie Eilish(ビリー・アイリッシュ)といったアーティストの一連の発言を反映したものだと思われる。「Recording Academy」会長兼暫定CEOのHavey Mason Jr.(ハーベイ・メイソン・ジュニア)は今回の変更について「これは私たちが数年議論してきたことであり、この(アーバンという)用語は問題視されていました」と語っている。
“アーバン”という用語を含む具体的な変更点については、“Best Urban Contemporary Album(最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞)”が“Best Progressive R&B Album(最優秀プログレッシブ・R&B・アルバム賞)”という名称になる。同アカデミーは声明の中で、この賞はR&Bにおいてよりプログレッシブな要素を含み、ヒップホップ、ラップ、ダンス、エレクトロニックミュージックのサンプルや要素を含んだアルバムが選出されるとのこと。また、ポップ、ユーロポップ、カントリー、ロック、フォーク、オルタナティブに見られるようなプロダクションを取り入れた作品も選ばれる可能性もあるようだ。
さらに、“Best Latin Pop Album(最優秀ラテンポップ・アルバム賞)”が“Best Latin Pop or Urban Album(最優秀ラテンポップ/アーバン・アルバム賞)”へ、“Best Latin Rock, Urban or Alternative Album(最優秀ラテンロック,アーバン/オルタナティヴ・アルバム賞)”は“Best Latin Rock or Alternative Album(最優秀ラテンロック/オルタナティヴ・アルバム賞)”に変更となる。前者には“アーバン”の用語が残ってしまっているが、このカテゴリーの修正案が今年初めに出された時点では、この名称を承認していたとのこと。「Recording Academy」は現在の世論を踏まえて、今後改めて変更を検討していくようだ。
第63回グラミー賞における新たなルールとガイドラインの詳細はこちらからチェックしよう。