2020年06月13日

サービスデザイン推進協議会保有の謎ドメイン「MASK-SEIKATSU.JP」廃止の怪

 持続化給付金事業で注目を集めている「サービスデザイン推進協議会」ですが、
管理人が「サービスデザイン推進協議会」名義で登録されているドメインの一覧を確認したところ、
自社ホームページや公共調達に関係のない謎のドメイン「MASK-SEIKATSU.JP」を保有していることが判明しました。

まずはJPRSで取得したWHOISをご覧ください。
Domain Information: [ドメイン情報]
[Domain Name]                   MASK-SEIKATSU.JP

[登録者名]                      一般社団法人一般社団法人サービスデザイン推進協議会
[Registrant]                    Service-Design Engineering Council

[Name Server]                   ns-1946.awsdns-51.co.uk
[Name Server]                   ns-1027.awsdns-00.org
[Name Server]                   ns-724.awsdns-26.net
[Name Server]                   ns-240.awsdns-30.com
[Signing Key]                   

[登録年月日]                    2020/03/13
[有効期限]                      2020/06/30
[状態]                          To be suspended
[最終更新]                      2020/06/10 15:12:35 (JST)

Contact Information: [公開連絡窓口]
[名前]                          Whois情報公開代行サービス by お名前.com
[Name]                          Whois Privacy Protection Service by onamae.com
[Email]                         proxy@whoisprotectservice.com
[Web Page]                       
[郵便番号]                      150-8512
[住所]                          東京都渋谷区
                                桜丘町 26-1
                                セルリアンタワー 11階
[Postal Address]                Shibuya-ku
                                26-1 Sakuragaoka-cho
                                Cerulean Tower 11F
[電話番号]                      +81.354562560
[FAX番号]                       


2020年3月13日にサービスデザイン推進協議会がお名前.com(GMO)でドメイン「MASK-SEIKATSU.JP」を取得していることがわかります。
ドメインの有効期限は1年間なので本来であれば2021年まで有効ですが、6月10日の更新でドメイン廃止申請(To be suspended)が行われているため、
2020年6月30日をもってドメインが廃止となります。

5月25日の個人ブログ記事によると、当初、Contact Information: [公開連絡窓口]には株式会社電通国際情報サービスが表示されていたようです。
ドメインも2021年3月31日までの有効期限で、廃止申請は行われていませんでした。
その後、Whois Privacy Protectionを使用し、ドメインの廃止申請を行ったということでしょう。

なぜドメインの廃止申請を行ったのでしょうか。
サービスデザイン推進協議会が保有しているそのほかのドメインはすべて自社のホームページか公共調達に関係するものです。
今回のようにその目的が不明なドメインはありません。
「持続化給付金」では、公示前にドメインを取得していることが問題となりましたが、今回も何らかの公共調達に関連するドメインだったのでしょうか。
しかし、MASK(マスク)、SEIKATSU(生活)に関連した公共調達は思い浮かびません。
公示前に立ち消えとなったのでしょうか。あるいは、公共調達以外の目的で取得したのでしょうか。
後者であればドメインの廃止申請を行う動機が希薄であるように思えます。

先ほどの個人ブログ記事では「在庫情報のリアルタイム共有に向けた基盤整備事業」に関連するものではないかと予想が立てられています。

3月といえば政府の「マスクチーム」が発足されたという時期でもあります。
厚労省、経産省、総務省の職員らで構成された「マスクチーム」の発足日は3月9日、
菅官房長官が会見で発表したのが3月10日ですので日付的には近いという印象を持ちます。
ドメイン取得は3月13日で、Amazon Trust Servicesの証明書取得が3月18日、有料の証明書取得が4月3日。
果たして、何を目的として取得されたドメインなのでしょうか。マスクチームの存在自体にも疑問符がついている[Note]ようですが真相や如何に。

有料の証明書まで取得している
Censysで証明書が発行されていないか確認したところ、発行が有料であるSSL証明書を取得していることがわかりました。
SECOM Passport for Web SR 3.0 CAなので2年間で11万4950円です。2枚で22万9900円。

持続化給付金ではLet's Encryptを利用しているページもありましたが、こちらで有料の証明書のほかに使われているのはAmazon Trust Servicesです。
  1. portal.mask-seikatsu.jp

  2. Basic Information
  3. Subject DN
  4. C=JP, ST=Tokyo, L=Chuo-ku, O=Service-Design Engineering Council, CN=portal.mask-seikatsu.jp
  5. Issuer DN
  6. C=JP, O=SECOM Trust Systems CO.,LTD., CN=SECOM Passport for Web SR 3.0 CA
  7. Serial
  8. Decimal: 74329116101762200195211701224259957354
  9. Hex: 0x37eb445cff3cc4f01ed1668a7eb3b26a
  10. Validity
  11. 2020-04-03 09:35:56to 2022-04-03 14:59:59 (730 days, 5:24:03)
  12. Names
  13. portal.mask-seikatsu.jp

  1. www.mask-seikatsu.jp

  2. Basic Information
  3. Subject DN
  4. C=JP, ST=Tokyo, L=Chuo-ku, O=Service-Design Engineering Council, CN=www.mask-seikatsu.jp
  5. Issuer DN
  6. C=JP, O=SECOM Trust Systems CO.,LTD., CN=SECOM Passport for Web SR 3.0 CA
  7. Serial
  8. Decimal: 48618308365637202330124344165868997660
  9. Hex: 0x24938babf64bc554ca04fd2d02ab8c1c
  10. Validity
  11. 2020-04-03 09:36:18to 2022-04-03 14:59:59 (730 days, 5:23:41)
  12. Names
  13. www.mask-seikatsu.jp


  1. *.mask-seikatsu.jp

  2. Basic Information
  3. Subject DN
  4. CN=*.mask-seikatsu.jp
  5. Issuer DN
  6. C=US, O=Amazon, OU=Server CA 1B, CN=Amazon
  7. Serial
  8. Decimal: 15828559096454402513254594884499606616
  9. Hex: 0xbe878375094f370749d4c7920df0c58
  10. Validity
  11. 2020-03-18 00:00:00to 2021-04-18 12:00:00 (396 days, 12:00:00)
  12. Names
  13. *.mask-seikatsu.jp

 


なぜか有効期限は2年
持続化給付金のSSL証明書は有効期限が1年[Censys]となっているのに対し、こちらでは2年となっています。
2年は取得できる最長の有効期限となります。長期間ウェブサイトを運営していく予定だったのでしょうか。
Namesからportal.mask-seikatsu.jpでの運用が伺えます。

ウェブサイトにはもはやアクセスできない
持続化給付金のウェブサイトなどと同じく、AWS(Amazon Web Services)でホスティングされていた形跡はありますが、
Aレコードはなく、もはやウェブサイトにアクセスすることはできません。
  1. mask-seikatsu.jp

  2. Nameservers ns-1027.awsdns-00.org, ns-1946.awsdns-51.co.uk, ns-240.awsdns-30.com, ns-724.awsdns-26.net

そこで登場するのが過去のDNSレコード情報を蓄積している「SecurituTails」です。
サブドメインもわかるのでまずはサブドメインから見ていきましょう。
  1. prod-portal1.mask-seikatsu.jp
  2. o9.pro.mask-seikatsu.jp
  3. pre-portal2.mask-seikatsu.jp
  4. www.mask-seikatsu.jp
  5. pre-portal1.mask-seikatsu.jp
  6. mask-seikatsu.jp
  7. portal.mask-seikatsu.jp
  8. prod-portal2.mask-seikatsu.jp
  9. o10.pre.mask-seikatsu.jp
  10. pre-bat1.mask-seikatsu.jp
  11. prod-bat1.mask-seikatsu.jp
サブドメインが11個あるのでそれなりに運用(開発)されていたことがわかります。
証明書にもあった「portal.mask-seikatsu.jp」から見ていきましょう。

aws
13.249.43.86 (server-13-249-43-86.iad89.r.cloudfront.net)
54.192.30.89 (server-54-192-30-89.iad89.r.cloudfront.net)

AWS Cloudfront(CDN)を利用していることがわかります。

続いて、「www.mask-seikatsu.jp
www
Aレコードは見つかりませんでした。

mask-seikatsu.jp
Arec
Aレコードなし
NSrec
ns-724.awsdns-26.net 
ns-240.awsdns-30.com 
ns-1946.awsdns-51.co.uk 
ns-1027.awsdns-00.org
SOArec
SOA Records ttl: 7200 email: awsdns-hostmaster@amazon.com
TXTrec
TXT Values
v=spf1 +ip4:149.72.214.187 +ip4:149.72.234.84 +ip4:18.178.72.67 +ip4:52.193.54.70 +ip4:3.114.31.247 ~all

149.72.214.187 (wrqvdsbb.outbound-mail.sendgrid.net)
149.72.234.84 (wrqvzxrq.outbound-mail.sendgrid.net)
18.178.72.67 (prod-portal1.mask-seikatsu.jp)
52.193.54.70 (prod-portal2.mask-seikatsu.jp)
3.114.31.247 (prod-bat1.mask-seikatsu.jp)

持続化給付金では株式会社フォークのサービスでしたが、こちらでは構造計画研究所が国内販売を行っている、
無料プランも設定があるsendgridを使用しています。

prod-portal1.mask-seikatsu.jp
prod-1
18.178.72.67 (prod-portal1.mask-seikatsu.jp)

o9.pro.mask-seikatsu.jp
o9
149.72.234.84 (wrqvzxrq.outbound-mail.sendgrid.net)

pre-portal2.mask-seikatsu.jp
pre-2
18.178.209.195 (pre-portal2.mask-seikatsu.jp)

pre-portal1.mask-seikatsu.jp
pre-1
18.180.214.70 (pre-portal1.mask-seikatsu.jp)

prod-portal2.mask-seikatsu.jp
prod-2
52.193.54.70 (prod-portal2.mask-seikatsu.jp)

o10.pre.mask-seikatsu.jp
o10
149.72.214.187 (wrqvdsbb.outbound-mail.sendgrid.net)

pre-bat1.mask-seikatsu.jp
pre-bat1
52.196.57.221 (pre-bat1.mask-seikatsu.jp)

prod-bat1.mask-seikatsu.jp
prod-bat1
3.114.31.247 (prod-bat1.mask-seikatsu.jp)

考察
mask-seikatsu.jp」や「www.mask-seikatsu.jp」に元からAレコードが設定されていないことから、
portal.mask-seikatsu.jp」を軸とした非公開のウェブサイトであった可能性が伺えます。
portal.mask-seikatsu.jp」にだけCDNの設定がありましたし。
サブドメインの数や有料SSL証明書の取得履歴から、それなりの活動履歴があることがわかりますが
なぜ、費用もかかったであろうウェブサイトのドメインが廃止へ至ったのかは謎です。
SSL証明書だけで22万9900円かかっているんじゃないかと思うのですが。

価格・在庫は記事掲載時点(2020/06/13 15:49)のものです。価格は変更される可能性があります。




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