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聖女は悪くない 作者:鴨葱
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巻き込まれなのにキャラがやばいって


いつもと異なりとても騒がしい祈りの間で、巻き込まれないように息を潜め現状を眺めております。聖女のセリナと申します。


静寂に包まれ暖かな空気のなかで祈る。そんな穏やかな日常は、突如乱入してきた残念王子として有名な第二王子と愉快な仲間たちにより、現在ぶち壊されております。


 私は産まれてまもなく神殿の前に捨てられていたところを、先代の聖女であるリーリエ様に保護されました。


リーリエ様は公爵家に長女として産まれ、先々代の王弟殿下と婚約目前だったのです。

しかし、聖女に選ばれたため婚約は白紙となり、13歳という若さで神殿にはいられたそうです。聖女は神の花嫁であるとされ、結婚も子を産むことも許されていないのです。


子供が大好きだったリーリエ様に娘のように可愛がられ、すくすく成長しました。


厳しくも優しい聖女を慕う者は国内外に数多。私は孤児院で保護されているたくさんの子供たちを兄弟としていろいろなことを学びました。

そして、お母様のお役に立ちたいと神殿の巫女になりましたのよ。それからリーリエ様がなくなるまでの数年間はとても満たされた幸せな日々でした。


 私が15歳になる春のことでした。

リーリエ様に世界を創られた神から神託が降り、私が次代の聖女に選ばれました。その出来事はリーリエ様との別れを意味していたのです。


私に聖女の力を引き継ぎ終えた1年後のことです。

多くの愛するものたちに見守られ、眠るように穏やかなお顔で亡くなりました。

リーリエ様は無事に神の御許へと行けたのではないかしら。


 あとを引き継ぎ、祈りの日々も3年目。

私は光魔法を身につけ神殿で祈り、人々を癒し、穏やかな毎日を送っておりましたわ。


ええ。そうです。

つい先ほどまではそう思っていたのですけど。

神様、リーリエ様この騒ぎはいったいなんでしょう!?





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