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スポーツのミカタ ウィークリー2011 vol.1

 2011年の第1号はオールジャパン特集。1~3回戦までのJBL2と実業団の試合を中心にレポートします。

☆オールジャパン2011
 第86回天皇杯・第77回皇后杯 全日本総合バスケットボール選手権大会が2011年1月2日、代々木第1体育館、代々木第2体育館、代々木第3体育館の3会場で開幕した。社会人選手権1位の九州電力、2位の日本無線、3位で東北ブロックからの出場となったJR東日本秋田の3チームは1回戦からスタート。JBL2は出場4チーム中1位の豊田通商と2位のアイシンAW、3位のDライズは2回戦からスタートとなり、4位の豊田合成のみが1回戦から登場した。

<男子1回戦>
 JBL2・4位、大学6~8位、社会人1・2位、高校、地方9全ての16チームが1回戦からスタートとなった。JBL2・4位、大学3チーム全て、社会人2位、地方3(東北、関東、中国)の8チームが勝ちあがった。
※1回戦全ての結果はこちら
○豊田合成 76 ( 20-15  25-21  16-11  15-19 ) 66 福太郎クラブ●
 シュート確率の悪い豊田合成が得点が伸びず苦しんだが、徐々に福太郎クラブを引き離し勝利、3回目の出場で初の1勝を挙げた。
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●愛媛教員クラブ 62 ( 11-33  18-16  14-24  19-12 ) 85 日本無線○
 スタートから日本無線が好調に得点を重ね、第1ピリオドで22点差をつけリードする。その後はバタバタとした展開となるもリードを守り勝利した。
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●九州電力 57 ( 11-12  13-20  15-20  18-19 ) 71 千葉エクスドリームス○
 試合は重たい展開でスタートした。流れは千葉エクスドリームスに傾きながらも、九州電力がなんとかつなぎ前半をロースコアで終える。徐々にリズムができてきた千葉エクスドリームスに比べ、チームとしてのプレーがつながらない九州電力は何度か流れが来そうなところでミスが出るなどし追い上げることができない。千葉エクスドリームスがリードを守り勝利した。
「みんなバラバラで、チームとしてやりたいことも何もできませんでした。浮足立ってるっていうか、雰囲気に呑まれてるというか、全然ダメでしたね」と九州電力#5中川は本来の力を出すことができなかったゲームに悔しさを滲ませた。
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●新潟教員 60 ( 7-24  19-21  21-23  13-18 ) 86 JR東日本秋田○
 試合開始から集中して臨んだJR東日本秋田がリズムのできない新潟教員を抑え点差を拡げる。第2ピリオドからは新潟教員も粘りを見せるも、要所でミスが出るなどし追い上げることができず、JR東日本秋田がそのままリードを守り勝利した。JR東日本秋田は3回目の出場で初勝利となった。
 11月末の東北実業団選手権の際の怪我のため、練習再開がこの大会のわずかに2週間前となった#24高橋は「まだまだ体が重くて、思うように動けないです」と語る。2回戦は大学2位の慶應義塾大との対戦となる。「全くやれないという訳ではないと思います。自分たちのバスケットがどこまで通用するかやってみたい」と柿崎HCは意欲を見せた。
 新潟国体に向けての強化チームの位置づけも持っていた新潟教員チーム。その中心選手である#4堀はこの試合で現役引退を示唆している。教員としての仕事が忙しいこともあり「全然練習ができてません。一段と動けなくなりました」と試合後#4堀は苦笑いで言った。
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<男子2回戦>
 JBL2・1~3位、大学1~5位の8チームに1回戦を勝ち上がった8チームが挑戦したが、8試合すべてシードチームが勝利した。
※2回戦の全ての結果はこちら
○青山学院大 102 ( 29-13  19-16  25-12  29-17 ) 58 豊田合成●
 インサイドの軸である#40地濃が怪我のためプレーできない中、#34朝山、#0原田、#39田中の負担は多くなったが、リーグ戦以上の力を発揮できた部分もある。「どんなに相手が大きくても頑張って攻めるインサイド」が売りだと福留コーチが言っていたが、それをある程度体現できただろう。「少しはやれた部分もありますが、課題が見えたゲームでした。これをこの後のリーグに活かしていきたいです」と福留コーチは語った。
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●日本無線 65 ( 17-27  17-17  13-32  18-33 ) 109 豊田通商○
 後半大きく引き離された日本無線だったが、攻守に選手一人ひとりが集中したプレーを見せ、外国人選手を擁する豊田通商相手に一歩も引かないゲームを展開した。この試合で改めて日本無線の個々の選手の能力と集中した時のポテンシャルの高さを見せつけることができた。途中で指を痛め「2月のことを考えてベンチに下がるかどうかを悩んだ」という#6鈴木伸。結局コートに立ち続け、途中では痛みのある右手でトランジションからのクイックでの3ポイントシュートを決め会場を沸かせた。「痛めてからシュートの感覚が全然変わってしまって。でも1回くらいはワッと沸かせたいって思って。意地ですかね」と語ると「もうちょっとやれたかなと言うのはありますが、今の力は出せたと思います。これを2月)全日本実業団選手権)につなげたいですね。全国で優勝したいです」と笑顔で言った。
 豊田通商はこの日は#1宮崎のシュートが好調に決まったこともあり危なげない展開となったが、全体的にチームがまとまらず個々の能力でのみリードしていた印象。終盤になって#0飯田、#11神津らがチームとしての流れを作ったが、翌日のJBLとの対戦となる3回戦に向けて不安を感じさせる試合となった。
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●Beans 68 ( 18-22  15-10  11-23  24-22 ) 77 アイシンAW○
 Beansのオフェンスを止め切れずリズムが作れないアイシンAWだったが、第3ピリオドで一気に引き離すとそのリードを守り勝利した。
 試合後、「危なかったです」と苦笑いの#1藤村。「何が悪いって感じではなかったのですが、なにか変でしたね」と苦戦した試合を振り返った。
 Beansの土橋HCは中学校の教員。「中学生の指導もやっています。やはりJBL2に勝つのは難しかったですね。また出直して来年も出場できるように頑張ります」と語った。この試合でも25得点を挙げたポイントゲッターの#20河相は日本リーグ時代の埼玉ブロンコスに在籍していた。試合後、次の試合のためコートサイドに控えていた当時のHCである三木コーチ(京都産業大)に挨拶。「頑張ってるな」と声をかけられ、いやいやと首をかしげながらも笑顔で応えていた。
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○Dライズ 96 ( 22-15  23-11  28-28  23-16 ) 70 京都産業大●
 初出場のDライズがオールジャパン初勝利を挙げた。
●JR東日本秋田 71 ( 13-27  24-26  20-18  14-32 ) 103 慶應義塾大○
 好ゲームを展開しながらも、序盤の点差が響き、最後は体力的に厳しく引き離されたJR東日本秋田。しかし、見ている人には実業団チームの“頑張る大人のバスケット”を強く印象付けた。大学2位のチームとの対戦。「ゾーンディフェンスがもうちょっとのところで振り切られてしまって、相手にフリーのシュートを打たれてしまいました。ゾーンの問題点も見えたし、いろいろと収穫のある試合でした」と佐藤正司アシスタントコーチ。「慶應大は一人一人がしっかりとしたプレーをきちんとやってくるチームでしたね。みんなが最後まで頑張るチームでした。一つ一つのプレーはちょっとした差なのですが、それが結局点差につながりましたね」とベテラン#13佐藤哲朗(佐藤アシスタントコーチの兄)は残念そうに言いながら、今のチームの力をある程度出し切れたことに満足そうな様子も見せた。「(#11)一戸の負担が大きかったです。もうちょっと楽にやらせてやれれば良かったのですが」と佐藤正司アシスタントコーチが言う#11一戸は試合後「最後は足にきちゃいました」と苦笑い。#9石橋は「もうやるだけなので積極的にいきました」と笑顔で言った。
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<男子3回戦>
 JBL2・1~3位、大学1~5位の8チームがJBLに挑んだ3回戦。リンク栃木ブレックスvs東海大戦は延長戦に持ち込まれ、リンク栃木ブレックスが逃げ切った。レラカムイ北海道vs青山学院大戦も終始競った展開となるが、終盤レラカムイ北海道が流れをつかと青山学院大を引き離し勝利した。この他全てJBLのチームが勝利し、ベスト8はJBLで占められた。
※3回戦の全ての結果はこちら(4日)こちら(5日)
○日立サンロッカーズ 86 ( 27-16  14-9  28-19  17-8 ) 52 豊田通商●
「チームがバラバラでした」と試合後渡邊HCは厳しい表情で言った。今シーズンチーム状態がよくないままここまで来た。「オールジャパンになると気持ちも違う」と誰もが思っていたところがあったが、シーズン中の悪い状態がそのまま出てしまった感がある。「その中でもこれまでどこか力を出していない感じだった#11神津や#0飯田がいいプレーを見せてくれたことがよかった」と渡邊HCは振り返る。「もっとやれたと思うんです」と#11神津は悔しそうに言った。リーグ戦中はプレーに迷いのある様子が見られた#0飯田だったが、オールジャパンでは思い切りのいいプレーを見せた。「今日は吹っ切れてやれました。これからがまだまだ大変ですが頑張りたいです」と語った。
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○パナソニックトライアンズ 108 ( 31-12  34-12  24-14  19-21 ) 59 アイシンAW●
 #21鈴木のファールトラブルでインサイドが厳しい中、#4中村、#15落合が奮起し、#7横本の積極的に得点に絡むプレーで流れを作っていった。「点差はつきましたが、収穫のあるゲームでした」と試合後、中嶋HCもある程度満足できる結果と評価した。
 パナソニックトライアンズ#7小林はアイシンAW#3吉田と高校(宮崎県立小林高)の同期。お互いにルーキーシーズンだった2年前は激しいマッチアップがを見せたが、今回は吉田が欠場で2人の対戦は見送りとなった。「組み合わせが決まっていろいろな人から『周平(アイシンAW#3吉田)との対戦が楽しみ』ってメールをもらったんですけどね。本当に残念です。今度チャンスがあれば是非やりたいですね」(パナソニックトライアンズ#7小林)。
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●Dライズ 56 ( 14-28  12-23  17-26  13-26 ) 103 トヨタ自動車アルバルク○
 序盤から差のつく展開となったが、Dライズの選手は諦めることなくプレー。「みんなが集中してやってくれました。今の力を出せたと思います」と#3荒井。落合HCも「やれるだけのことは十分やれたと思う。残りのリーグを全勝するつもりで頑張ります」と表情を引き締めて語った。オールジャパンが今シーズンはDライズの選手としての唯一の公式戦でのプレーとなった#88高村(詳細はDライズ公式HPへ)。「とにかくやれるだけのことをやりたいです」とこの試合にかける思いを試合前に語っていた。
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 オールジャパン男子は3回戦を終え、ベスト8は全てJBLのチームとなり、後はJBL同士の対戦が決勝まで続く。
 女子は1月6日に準々決勝を終え、WJBLの上位4チームがそのままベスト4に残った。実業団で社会人1位で出場した山形銀行は3回戦で日立ハイテククーガーズに勝利しベスト8入りを果たしたが、準々決勝でJXサンフラワーズに敗れた。
 1月7日に男子準決勝、1月8日に男女準決勝、1月9日が女子決勝、そして1月10日に男子決勝が全て代々木第1体育館で行われる。

オールジャパン2011 第86回天皇杯・第77回皇后杯 全日本総合バスケットボール選手権大会
スポーツのミカタ:オールジャパン2011

取材・写真・文 渡辺美香

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